<音声学−3.母語の干渉>

(1)対立の関係

  ☆母語にある音(対立)の体系が頭の中にある

  ・英語:[l][r]、中・韓・タイ:有気音/無気音、日:[t][d]

 ※日本語には有気音と無気音の対立はない

  →対立関係は言語によって違い、母語にない対立を習得するのは難しい

   =>「母語の干渉(負の転移)」→「誤用分析」

☆ミニマル・ペア(同一の位置で単音が一つだけ違う二単語)で練習する

()「キン[kiN]/ギン[giN]」→違う点[k][g]:×声帯振動、×調音点、○調音法

・韓国語の例

   [pipimppap]:ピビンパ(語中で母音に挟まれると[p][b]になる、[p][b]は異音でしかない)

   語頭の有声破裂音が無声化する「だい」→「たい」、「ビル」→「ピル」

   語中の無声破裂音が有声化する「かんこく」→「かんごく」、「わたし」→「わだし」

 

(2)矯正方法

   ※矯正には信頼関係が重要!いきなりしない、あまりしつこくしない→毎日少しずつ

 A.語頭濁音

 ・アクセント核が語頭にないもの(緊張の弱い音)で練習する

 ・有声音の前に母音を付けて、語中に有声化する習慣を利用し、徐々に母音を取る(おビール→ビール)

 B.語中清音

 ・アクセント核が付くもの(緊張の強い音)で練習する(有気音化しないように!)

 ・無声破裂音を連続して言わせ、徐々に間隔をせばめていく(パ・パ・パ→パパパ)

 ☆試験対策:学習者の誤用を聞き、原因(調音点など)を特定する

 C.道具を使う:ウェハーメソッド、飴玉など「ツ」「チ」の違いに効果的

 

(3)パラトグラム

  :上から見た口の中の図(上の歯と舌の位置を示す)

   →横から見た口腔断面図では見分けの付かない子音(歯茎音n,t,d,ts,dz,l)を区別する

  ☆試験に出るのは、韓国語の誤用(nの後のln+ll+l)の判別のみ