<応用・社会言語学−3.社会言語学>

(1)下位分類

 ・方法論 :研究の方法

 ・言語変種:属性の違い(性・地域など)により生れる言葉の違い(ラングエッジバラエティー)

 ・言語行動:敬語の使い方など

 ・言語生活:文化と言葉の関係、命名

 ・言語接触:他の言語と接触したときどう変わるのか

 ・言語変化:方言などの変化を観察(共通語化、移住の影響など)

 ・言語意識:言葉へのイメージ

 ・言語習得:出生後の言語習得、バイリンガリズム(母語:L1、第二言語:L2)

 ・言語計画:国家単位で意図的に使用する言葉を決めて普及させる行動(外来語制限など)

  −コーパス計画 :(ハングル語)決まっている公用語の整備をすすめる

  −ステータス計画:(タンザニア、スワヒリ語)政治的理由などから意図的に公用語を決める

※マイノリティ:少数民族の被害あり

 

(2)言語変種、接触、変化

 A.社会方言:性別、年令、階層、集団語(位相語)

 B.地域方言:一般に言う方言(regional, dialect)

(プリント「全日本方言の区画」他、「しあさって」他→方言周圏論、東西対立、飛び火)

 

アクセント

特徴

北海道

関東に近い

ちょっとあかぬけた奥羽方言、関東方言話者の移住による変化

奥羽

 

 

北奥(青森、岩手、秋田)

アクセントあり

中舌母音あり(「イ」「エ」の区別がない)

南奥(山形、宮城、福島、新潟の上半分)

無アクセント

推量の「だろう」→「べ」

越後(新潟の下半分)

東京式

ウ音便・開合の別・合拗音(家事(カジ)/火事(クァジ))あり

東海・東山

ほぼ東京式

少し西日本混じ

文末表現が特殊(バリエーション豊か)

「だろう」→「ずら」、「〜てみなさい」→「〜りん」

北陸

東京式

文法・語彙:西日本、近畿

四国

愛媛西南、高知の一部

その他ほとんど

 

東京式

京阪式

四つ仮名の区別あり、母音「ウ」は円唇

中国

東京式

ウ音便あり

☆雲伯方言

東京式

特殊!古い言葉が残っている

ウ音便なし、奥羽方言、中舌母音・合拗音あり、ハ行:「ファ」

九州東部

無アクセント

母音を粗末にする→無声化

九州南部

二系アクセント

下二段活用・係り結びの一部が残っている

琉球(先島)

 

ハ行:「パ」

C.共通語と標準語の歴史

  1960年代:方言撲滅期・・・多くの方言が差別され消えていった

   7080:方言再発見期・・・中央集権型の反省、地方色の見直し

   90以降:方言と共通語の共生・・・一人の中での使い分け(コードスイッチング)

  ○「共通語」、×「標準語」:政治的・軍事的背景、排他的である

D.新しい方言発生のメカニズム

  ・ネオ方言:真田信治、方言内的変化だけでは説明できない変化。共通語との合体

        共通語「書かなかった」→方言「書かな()んだ」→「書かんかった」

  ・新方言 :井上史雄、方言内からの変化、若者から発生する

  ・過剰修正:方言を共通語化しようとし過ぎて共通語とも違う形にしてしまう

  ・混交(コンタミネーション):しょっぱい+からい→しょっぱらい

  ・民間語源:勝手に解釈した誤った語源から生まれた新しい語

 E.ピジンとクレ()オール

  ・ピジン:主に通商などの目的で伝達を行うために作った補助的な言語(最古:中世地中海サビール)

()ハワイアンピジン、パプアニューギニア、(日本)バンブーイングリッシュ

  ・クレ()オール:ピジンが母語として用いられるまでに発展した言語

※ピジン→クレオール化→脱クレオール化(本物に出会って修正する)

 F.ダイグロシア(diglossia、二層言語)

:二つの言語または言語変種が別の機能を持ち、社会的に共存している様相を言う

・ハイバラエティー:フォーマルな場面

・ローバラエティー:アンフォーマルな場面

  ※バルカン言語連合:歴史的に異なる言語(語族が違う)同士であっても、地理的に隣接して接触することで言語構造が似てくる現象。

→特にバルカン半島の言語連合が有名:語族が大きく違うのに共存しているのはめずらしい!

 (ブルガリア語、マケドニア語、セルビア語、クロアチア語、ルーマニア語、ギリシア語など)