独断場
駅としての面白さはやはりホームにある。首都圏の大動脈−山手線・京浜東北線・総武本線−が直交する駅であるから当然に相互の乗り換え客でホームはごった返す。普段の利用者は毎日のことだから何も感じないだろうが、傍から眺めていると壮観である。特に総武線ホームの乗り換え階段付近は見ごたえ十分(そんなもの見て楽しんでも仕方ないけど)。これだけ利用者が行き来するのだからホームに多くのテナントが展開するのは必然。しかも「立ち食いそば」もあれば「コージーコーナー」(ケーキショップ)や「無印良品」もあって「網」は大きく広げております。



印象的な空間をみせるのは「昭和通り口」のラッチ内コンコースである。ビルの5階に相当するであろう総武線ホームの真下にあって、高架下がそのまま吹き抜けの空間になっている。
駅構内、ホーム下にある「秋葉原デパート」も注目。一階が飲食店(それもスタンド式が多い)2階が書店と食料品店、そして3階がCD・DVDショップに模型店という構成は秋葉原っぽくないですか?店の中を歩きながら田園調布駅構内のテナント展開を想い起こした。
高架線橋脚が露出している。ホーム壁・天井の鉄骨も長い年月に耐えて忍んだ頑強な姿をさらけ出している。自らを飾り立てようとする意思は微塵も無く「飾らないことの美しさ」を再認識させてくれるのである。一方で、それは秋葉原という街の性格をそのまま反映しているとも思える。駅の周りをしばらく歩けば、ここの街並みが秩序を放棄し商いの欲望と本音だけで成立していることを思い知る。これほど強烈な印象を与える街は東京都内でも珍しい。新宿・歌舞伎町も似た街であるがそれでもある程度の秩序は成立していた気がする。もちろんこれは非難ではない。私は積極的に捉えているのである。
首都圏新都市鉄道「つくばエクスプレス線」が開業した暁には、おそらく駅構内もその周囲も大きく変貌を遂げ、駅や駅前の再開発部分はきっと「美しく」なるであろう。その「美しさ」は秋葉原の猥雑なエネルギー凌駕し得るのか、飲み込まれるのか、あるいは共存してしまうのか。


