独断場

初代駅舎の現役時代を、私は知らない。従って復元駅舎が初代駅舎初対面であったのだが、やはり復元駅舎は「復元」でしかないな、というのが率直な感想である。借景にホームも電車も線路も見えない駅舎というのはどことなく不自然なものです。内部にあるのはエレベーターと非公開の部屋(2階部分)だけ、というのもその不自然さを増幅している気がする。もっとも見ようによっては田園調布の地に構える「門」のようでもあり、本家・パリの凱旋門と「エトワール式」道路により近づいたともいえるかもしれない(なんてことはないか)。放射状道路の先から振り返り見る「駅舎」は復元といえども美しい姿をしている。


翻って、新しい駅舎であるが2階建ての低層とはいえ実質的には駅ビルである。高台になっている西側駅前広場から見ると平屋に見えるこの建物は、周囲と景観のバランスをうまく保持しているし、東側はその高低差を利用して広場を設定している。そういった意味では良く出来ている、と思う。
しかし、どうもしっくりこないのです。窓や外壁に見られる装飾と西洋瓦を葺いた屋根との組み合わせはミスマッチに感じられ、建物全体が発している、どこかのテーマパークを連想させてしまうようなデザインは、閑静な住宅地というイメージとは齟齬を起こしているような気がする。なんとなく落ち着かない。私がヨソからの訪問者だからそう感じるのであって、普段から利用していれば気にならないのだろうけれど。むしろ、「田園調布」らしさはこの駅ビル=東急スクウェア・ガーデンに入っている、カフェやイタリアリストランテ、紅茶専門店などのテナントに強く表現されているといってよい(駅ビルに喫茶店ではなくて葉を販売する紅茶専門店なんぞ普通は無いですよ)。
ワンマン運転を行う目黒線の列車が乗り入れるAB番線ホームにはホーム柵とホームドアが設置されていることは既に触れた。ところが、東横線に田園調布駅を通過する「特急」が運行するようになって東横線ホームも監視者たる車掌がいない目黒線とは別の意味で危険になった。ホームの安全装置が必要なのはむしろ東横線ホームだと思うのだが。

最後に、田園調布にお住まいの方々はお召しのものも、お連れのペットもやはり違う。