独断場

全体がメタリックで透明性や開放性が強調されているデザイン。駅に限らず最近の現代建築の大きな流れの一つと言える。このデザインが当地(船橋市)の地域特性や文化を象徴しているわけではないが、「透明性」「開放性」は現代社会のより普遍的な概念でもある。
半地下のコンコース(おそらく駅機能の全てを地下に収めることが困難だったのだろう)の処理は、この駅のデザインにおいて重大な点であったと考えられる。ナゼというに、「コンコースをいかに明るく、広くするか」。そのための苦心の跡が随所に見て取れるが、これは単に「使い勝手のよさ]だけに留まらず、設計・デザインの根底に流れているものに、やはり「透明性」「開放性」というものがあってその延長上で表出したものではないかと思うからである。この点はそのアプローチやその姿は異なるものの [飯田橋駅] にも同様なことがいえると思う。
「船橋日大前駅」において、今一つ見ておくべきものが、本編では「オープンスペース」と呼んだ場所である。閉鎖されており立ち入り出来ない内部にはパネルを立てるスタンドと思しきものが放置されていて、地元のコミュニティセンターになるように設けられたものと推測する。上手に使えば学生に研究やサークル活動の発表の場として、あるいは大学と地元の交流に利用できると思うし設計者にはその意図は合っただろう。これは設計者よりも(自治体を含め)管理する側の問題である。
最後に、駅前広場に言及したい。駅前広場は円形状で駅から見て左側が大学キャンパス、右側が住宅地と接している。そして、その境界線をコンクリート塀が取り囲んでいる。安全管理上の措置なのだろう。しかし、私にはこれが駅と地元との関係を謝絶しているように見えてしまう。広場こそ本来「開放」されるべき場であると思うのだが。


