独断場

建築的に見て大きな特徴があるわけではない、と思う。トップライトを備えたコンコースを中心とした空間構成は駅舎として極めてオーソドックスである。その点ではむしろ鋭意建設中の新駅舎の方が興味をそそられる。
しかしながら、じっくり眺めると結構悪くない駅なのだな、これが。

屋根と壁の色のコントラストが効いている。まともな装飾なんぞ殆どないのに、建物としての均整が取れているから鑑賞に十分堪えられているのであろう。巨大看板は無い方が美しい景観を維持できそうだが、あっさりとした駅舎にこれくらいの派手さは、「駅」らしくあるためにも必要かもしれない。駅舎は機能に忠実であればあるほど魅力が倍化することの好例であろう。
「函館の玄関」としてなじんだ建物であるので、駅舎の改築には反対があったかもしれない。保存も視野に入れて活用する方もあったろうが、一方でくたびれ加減が散見されるし、特に待合室の暗く寂しい空間は現在の生活様式にはとても合わない。家の第一印象は玄関で決まる。玄関はきれいで明るいに越したことはない。


改築やむなし、だと思う。