独断場
“ST report”、手を抜いたわけではありません。ほんとに、これといって書くことほとんどなし。
ただ一つ、北口ファサードの車寄せとそれに関わることを。
こういう車寄せがあることを知ってはいたがこれほどデカイものだとは思わなかった。写真で見ると解るが、高さは高架ホームの屋根を飛び越えている。4階建ての建物に相当するのではないか。
さらにこれは、高さだけではなく奥行きを持つ点がただの張りボテで終わらせていないところだと思う。
柱はおそらく、というよりまず間違いなく鉄筋コンクリート。その表面に木材プレートを貼り付けて木柱に見せているもの。これを丸太で造れ、といわれても材料が絶対に揃うはずは無い。また屋根を裏から支える雁木は細い木材を組んで出来上がっていることは外見から明らか。
モチーフはこれも間違いなく出雲大社。出雲大社といえば古代でありながら、少なくとも推定48mの高さを持つ神殿が存在したといわれる。おそらくそのスケールをイメージしたらこうなりました、とイウコトだろう。そう考えれば突拍子な大きさはといえない。
ただ、高架駅として外観のバランスを放棄している、とまではいわないが、この車寄せにだけ目が行くようになっていることは否めない。即ち装飾としての美的効果など二の次なのであろう。大事なことは特にヨソからおいでの皆々さまに
「ここは出雲の国、八百万の神のクニのまちなのです」
と、訴えることなのだ。
ところで、反対側の南口にある庇も出雲大社がモチーフであろうが、こちらはずっと抽象化されている。トータルデザインとしてはこちらが自然であるのは言うまでもない。
なお、南口駅前には小嶋一浩・設計の「出雲ビッグハート」がある。ガラスとコンクリート、鉄のコンビネーションがセンスのよさを感じさせる『公民館』であるが、これがもしあの「御社」と対峙したらどうだったろうか。



(最後の写真は 「出雲ビッグハート」)