独断場・亀崎駅

「意外と整った姿をしているんだな」 はじめてこの亀崎駅を見たときの第一印象だった。切妻屋根と大きな庇が一体になって入母屋造り(和風建築に於ける屋根デザインの一つ。お城の天守閣の屋根を想像してください)に見える。これが、建物の規模と良いバランスを形成し、全体として端正な駅舎に感じられたのだと思う。尚、「入母屋造り」は屋根の格式として最上とされているという。軒先を支える柱の並びがホームから来る旅客を改札口に導く回廊のようで、偶然の結果にせよこのような構成が私は好きだ。
だが、一方でその柱や梁などをよく見ると、言葉は適当ではないかも知れないがまさに「角材」そのもので、表面はザラザラ。特に梁は軒先に対して武骨なほど大きく見える。その接合はボルトで締め付けているのだが、見るからに荒っぽい。離れてみたときの印象とはまるで正反対なのである。
そんな部分を見せられてイヤな気分になったかといえばそうではない。むしろ、その大雑把な荒っぽさがかわいらしく思えてきた。
「資産建物標」の記録どおりならば今年(2001年)で105歳の駅となるが、そんなことなど私にはどうでも良くなるような、不思議な趣・魅力を感じる駅である。


