独断場

西口駅舎を一通り観て廻って、ウームと少しばかり考えた。
待合室や情報センターなどがそれぞれ独立したブロックとなり、それらが一つの大きな“BOX”=駅舎に内包されている。これはこれでおもしろいのだが・・・
駅舎や自由通路は鉄骨剥き出し。外壁は人工スレートで屋根は波板。いずれも色は薄いグレーで、色彩的統一があるといえばある。が、ファサードのステンレスパイプがなければ見事な『箱』。チープな印象はぬぐえない。
大階段はかなり傾斜がきつい。二階から下りるときは少しばかりスリルさえ覚える。内部は全体的に暗い。フロアのスペースも狭く感じられる。
色々とネガティブなことを並べ立てたが、こうならざるを得なかったのだろうな、とも思う。
『鉄骨剥き出し。外壁は人工スレートで屋根は波板』なのは、きっと予算が厳しかったのだろう。複雑なことが出来ないならばいっそ簡単な構造を隠さず全面に押し出したのではないか。
『大階段はかなり傾斜がきつい』が、大曲の気候を考慮すると階段を外部に晒すわけにはいかない。駅舎に取り込むためにはこの結果にならざるを得なかったのだろう。
『内部は全体的に暗い』のも、限られたスペースで求められたプランを満たすためには閉じた狭い空間にすることも致し方なかったのかもしれない。
それでもなお、特に階段の傾斜や明るさは他に解決法がなかったかと思う。階段を下るとステンレスパイプの格子越しに町の姿が見えるのは面白いのだが、いかんせん足元が不安だからよそ見して下りるわけにも行かない。階段の中腹には大きな大きな観葉樹が植えられているが元気がない。断言できないが、採光が不足していることもその一因だろう。
そのような印象をもちつつ自由通路を渡り東口に行くと、驚いた。
全く対照的な内部。開放的でとても明るい。明るければいい、というつもりはないが、気持ちのよさが違うのは確かである。外観は単純な直方体だが圧倒的なスケールの大きさが感じられる。きっと、鈴木エドワード氏の設計に於ける自由度は東口がずっと大きかったろう。東口には絶対的に求められる機能、つまり制約が殆ど無いのだから。そして西口と東口、どちらが好きかと問われれば、迷わず「東口」とワタシは答える。
もし、設計を鈴木エドワード氏の全く自由に任せれば、まるで違う駅が出来上がったのではなかろうかと、思うのである。


