独断場

「緑園」なる名前はこの駅のある地域に対する単なるイメージでしかないと思ったら、その住所だというのだから面食らった。もっとも駅名から借用して地区名を変更した可能性もあるから、なんともいえない(実際は地元住民からの公募により駅名が決定されたという)。

この駅のウリは「屋上庭園」。駅の構内に緑を取り込んだプランは、近年注目されている「屋上緑化」のようでもあるけれど、私自身はあまり好きではありません。

まず一般論として、全くの人工構造物の中に植物が植えられている姿は、「自然と人間の共存」というよりは「自然と人間の拮抗、あるいは対立」を想起させてしまうのではないだろうか。所詮我が環境を都合よく保持したい人間とそのために利用された植物とのゆがんだ関係をみてしまう。「屋上緑化」とは建物の屋上などに植物を植えることで都市の気温上昇を抑制する効果を期待するもの(実際に有効な方法らしい)で、緑園都市駅の「屋上庭園」とは目的を異にするが、人間―植物の関係という点では共通するように思う。

また、「屋上庭園」に限って考えると「庭園」の幅員が狭く、木々がせせこましく『肩』ならぬ枝葉を寄せ合って生きているようで気持ちの良い気分になれないのだ。かといって植栽が無ければ一層寒々しい空間になってしまっただろう。植物が『添え物』ではなく場の主役になる空間であると良いのだが。

駅舎のデザインであるが、白のカーテンウォールはいかがなものでしょうか。予算など制約が様々あって仕方ないのでしょうが、安っぽく見えてしまうのは否めない。もっともこれは「緑園都市駅」に限った話ではない。その意味では大曲駅のファサードに見られるルーバーによる処理は有効な方法なのかも。

もちろん、好印象を受けたところもある。個人的にはホームの屋根に注目した。鉄骨が大きなボールト屋根を支えているが、構造の組成や屋根の大きさを楽しく眺めていた。駅舎のデザインはむしろこの屋根を強調したら面白かったかもしれない。また高架下は暗くてじめじめした雰囲気が付きまとうものだが、緑園都市駅に関しては、コンコースは出入口部分を吹き抜けにしてトップライトから外光を取り込めるようにしている他、天井・床などの仕上げにも配慮されていて良い。

 

[緑園都市駅]      [Station List]