普通に造っていればありふれた橋上駅になっていたところを、鉄骨を前面に押し出し、かつガラスを多用した大胆な駅舎になった。旧来にない新しい街である「さいたま新都心」の玄関口としてふさわしい姿といえるかもしれない。
が、その「さいたま新都心」自体は駅前広場も多くが直線で構成されており、曲線が強調された駅舎は周囲から浮いた印象を受ける。唯一曲線で構成された建造物は「さいたまスーパーアリーナ」だがスケールがあまりに大きいために、言葉が悪いがせっかくの鉄骨構造もかすんで見える。果たしてこの駅舎は何をイメージしてデザインされたのか、私にはわからない(*)。ところで、素朴な疑問だが取材(?)日は好天だったものの、雨風の強い日にこの構内ははどうなるのか?
さて、屋根や壁面にガラスが多用されたその構内は明るいのだが、特にコンコースは必要最低限の設備しかなく、殺風景でもある。自由通路上、改札口の反対側に木製ベンチが設けられているのは良いが、今以上ににぎやかな雰囲気を演出するものが必要かとも思う。
利用者が西口、東口均等に流れているのは意外であったが、東口にはバスターミナルが整備されているのだから当然かもしれない。その日が土曜日ということもあって西口とその駅前広場には子供を連れた若い夫婦が目立った。まるで新興住宅の公園のようだ。
いわゆる「バリアフリー法」が制定、施行されてた。当然それを先取りして駅構内はエスカレーター、エレベーター、身障者用トイレなどが設置されている。また自動券売機も傾斜型で車椅子の利用者を考慮したものだろう。しかしながら、仮に車椅子でコンコースからホームに下りたとして、そのエレベーターやエスカレーターが二つの階段に挟まれた位置にあって、もしホーム上をそこから移動するには階段で狭められたスペースを通らなければならない。バリアフリーの点でトータルバランスに欠けている気がする。これは、この駅に限った問題ではないが。


(*) 駅舎の設計者は、鈴木エドワード氏。イサム・ノグチや丹下健三の下で経験を積んだ後独立。
渋谷のど真ん中にある「渋谷警察署宇田川町交番」の設計が有名。鉄道駅は「山形新幹線赤湯駅」「秋田新幹線大曲駅」などを設計している。
「さいたま新都心駅」コンセプトは
T.新都心のランドマークになること
U.誰にとっても利用しやすいやさしい駅
V.文化の薫り高い駅
であるという.そして、新都心に立つ周囲の建物と戦うのではなく、雲・空・気・風のように流れるようなイメージで、あってないようなものに感じられるデザインを目指したそうだ。
つまり、設計者の意図を私はまるで読み取ることが出来なかったわけで、その意図の可否はともかくとして、私はまだまだまだまだ、全くの勉強不足を露呈したのでありました。