独断場

 

ズシンと、重い!堅い!

第一印象である。下層部に貼られた石のカーテンウォールはもちろん、最近では「軽さ」「透明感」を醸し出すアイテムとして用いるガラスも重量感を持っている。線路の上に建つビルだから実際は決して「重い」建物ではないと察するが、イメージは相当に堅固である。さらに角でそびえるモニュメントのような、あるいはキュビズムを三次元化したような「塔」が際立っている。ホームが2番線しかなく、快速さえ通過する「小駅」にも拘らず存在感は十分だ。この辺りは設計者・岡田新一氏の代表作「最高裁判所」に通ずるものを感じる。

しかもただ重いだけでなく、1階のコンコース部分はピロティになっていて適当な「抜け」が、ともすれば圧し掛かる重苦しさを解消している。印象は強烈で私が実見した現代の駅舎の中ではかなりのハイレベルである。

この「堅さ」は周囲の環境を踏まえたものだろうか。主な施設は神宮外苑と慶応大学病院、少し離れて赤坂御所があり由緒正しき健全なものばかり。それに拮抗する駅舎になるためにはこれ位堅固な方が良いのかもしれない。

一方、内部に入るとお腹が脹れた茶目っ気な柱に意表をつかれたりする。駅を使う人々にまで「堅さ⇒堅苦しさ」を強いることは無いのね、と安心する。が、ビルに入居するテナント街に登るエスカレーターが、利用者の動線と外れた目立たないところにある。ビルのオーナーであるJR東日本(厳密にはその子会社である「東京圏駅ビル開発」)としては、少々キビシイところかな、と思う。駅構内の明るく落ち着いた雰囲気を壊さないように、という岡田氏の配慮かもしれない。

となると、やはりご本人の性格も堅いのかな?

 

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