ニュージーランド〜ケリケリ〜



北島北部のちっぽけな街、ケリケリ。メインストリートに並ぶ商店全部を見て回っても2時間もあれば十分。町の中心をちょっと外れると広大な農場が広がっている。そんな田舎の街に僕はおよそ3ヶ月滞在した。何にもない街だったけどNZで一番好きな街だった。そこには、明らかに日本とは違う時間の流れがあった。

HIDEAWAY LODGE
ハイダウェイロッジから「HIDEAWAY」いただきました。農場のアルバイトを探しに僕はこの街にきた。街の中心から5キロほど離れたところにハイダウェイロッジがあった。このバックパッカーにはいろんな国の人が旅の資金稼ぎに仕事を求めてやってきた。僕が泊まっていたのは1泊10jの6人部屋。ベッドとテーブルと冷蔵庫があるだけの部屋だったが居心地は良かった。プールもあったしテレビ室やビリヤードもあり、毎週土曜日になるとジュークボックスをガンガン鳴らしてパーティーが開かれた。
タベル?タベナイ?
左が僕が居た部屋で右がキッチン食事はほとんどが自炊だった。ここに居る間にずいぶん鍋で米を炊くのが上手くなった。日本人も居たので仕事のない日には、寿司やうどん、カレーなんかを作ったりした。グアテマラ人のおっさんが毎日上手そうなご飯を作っていた。一見ドライカレーのような炊き込み御飯のような飯で、僕にはとても魅力的だった。上手そうだったので作っている横でじっと見ていたら、かたことの日本語で「食べる〜、食べない〜?」と訊いてきた。もちろん「食べる〜。」おすそ分けをもらって満面の笑みでパクリ。!?。「まずい。味がしねぇ。」顔を引きつらせておっさんに「ベリーグー!」と答えるのが精一杯だった。
宿敵チャーリー
番犬チャーリーこの宿の番犬チャーリーはサッカーが大好き。僕らがサッカーをして遊んでいると必ずどこからともなくやって来てボールを奪おうとする。チャーリーはいつでも全力。ものすごい迫力で飛び掛ってくる。時には、ボールを蹴り損なってチャーリーの顔面にキックが入ってしまう事も多々あったがそんなことお構いなしで飛び掛ってくる。全力の相手には全力で答える、僕も本気になってサッカーボールを追いかける。チャーリーと遊んだあとはくたびれてへとへとになった。
ハモンド農園
赤黄ピーマンの温室トラックの荷台で農場へ運ばれていくケリケリではいろんな仕事をした。メロンの苗を植えたり、3日間雑草を抜き続けたり、オレンジをもぎりまくった、牧場でわらの束を運んだり、キウイの花に受粉させたり、キウイをもぎったり。中でも、長く続いたのがハモンド農園での赤ピーマン黄ピーマンのピッキングだった。ピッキングとは、収穫の事でビニールハウスの中で色が緑から赤や黄色に変わったピーマンをはさみで収穫していくのである。はさみで実に傷がつかないように1個1個摘んでいくこの作業は地味であったが、仕事量の割に時給7ドルでなかなか良い給料だったし、休憩時間には紅茶が出てくるのでそれも楽しみだった。収穫したピーマンは箱に詰め日本に輸出されるそうだ。この仕事に行くときはだいたい日本人のゆういち君とイギリス人のケビンと一緒だった。ケビンは背が高いが猫背でちょっと体臭がきつかった。
モギリマクレ!!
3月終わり、ついにキウイフルーツの収穫の仕事がやってきた。この時期になると、ケリケリにもキウイの収穫の仕事を求めてたくさんの旅人がやってきた。僕もこれを待っていた。僕のいた6人部屋も満員になりドイツ、イギリス、イスラエル、スウェーデン、ジャパンの多国籍入り乱れ部屋になった。
キウイ畑モギリマクレ!
キウイのピッキングの給料は、時給ではなくもぎった量による歩合制だった。だいたい10人くらいのチームに分かれ、トラクターに牽引された巨大なコンテナにもぎりたてキウイフルーツを放り込んでいく。チームでの仕事となるため、メンバーによって給料に大きな差が出てくる。1日平均50から60ドルくらいだろうか。僕のいたチームはまぁまぁ平均的なチームであったが、女の子が多いチームにいたドイツ人のクリスは「これじゃぁ俺がいくら頑張っても駄目だ。」と泣き言を言っていた。
仕事が始まると、皆一心不乱にモギリまくった。目を血走らせ、鼻息荒く、「キウイッ!、キウイッ!」と半狂乱になりながらひたすらもぎった。キウイの棚はだいたい160から170cm位の高さだったので僕にはちょうど良かったが、平均的に背の高い他の人にはきつそうであった。慣れてくると、いろいろな技が飛び出した。ぼくはキウイ片手同時四個掴みをマスターした。さらに、発展させてキウイ両手同時八個掴みを試みたが失敗に終わった。他にも高速1個づつもぎ法や支離滅裂絶叫型乱反射もぎとり法などがあった。さらにクリスはオリジナルキウイフルーツピッキングソングなるものを歌いながら仕事をしていた。
仕事はきつかったけど、こうして収穫されたキウイフルーツが日本に輸出され僕らの食卓に上がる事になるのかなんて思うと不思議な気分になった。出来る事なら日本で売られるとき「このキウイは片手同時4個掴み法で収穫されました。」なんて表示してくれたら面白いのにね。
もぎたてオレンジ!
ケリフレッシュという巨大な農場。オレンジのピッキングの仕事をした。オレンジはオーストラリア産に押されてあまり儲けがないらしく給料も安かった。この仕事も、トラクターに牽引されたコンテナにもぎったオレンジを放り込んでいくのだが、木の上のほうのオレンジをもぎ取るにははしごを使わなければいけないため重労働だった。また蜂がブンブン飛びまわっていて何回も刺された。でもこの仕事は、もぎりたてのオレンジをたらふく食えるという楽しみがありジュース用に作られているので外見は汚いオレンジだったけど味は抜群に良かった。帰りには、オレンジをかばんに詰めるだけつめて帰った。