〜1999年夏〜
北海道
チャリンコ
旅行記

 今年の北海道は燃えていた。昼間の気温は35度を越え、アスファルト上を駆け抜ける僕らを苦しめた。
だが、北の大地は僕たちに安らぎを与えてくれた。見渡す限りの緑が広がり、どの町にもある温泉、
そして夜は、無数の星たちの瞬きが僕たちを魅了し、心地よい風が僕たちの疲れをいやしてくれた。
果たしてここは日本なのだろうか。
大自然を自分の足で駆け抜けた夏、北の大地は貴重な経験を与えてくれた。

▼行程

往路
大阪→舞鶴−(新日本海フェリー)→小樽→札幌→滝川→富良野
自転車
 富良野→旭川→層雲峡→留辺蘂→北見→美幌→屈斜路湖→摩周
<中休み>→網走
→中標津→釧路→阿寒→池田→帯広→夕張→栗山→札幌
<ここから一人旅> →小樽→余市→倶知安→長万部→大沼公園→函館
帰路
函館→青森→秋田→新潟→直江津→富山→金沢→福井→長浜→大阪

● 長〜いフェリーの旅 <大阪〜舞鶴〜小樽 8月2日〜4日>

 舞鶴から28時間かけて小樽へ向かった。広い船内では何もすることもなく、お腹も減らないので、ただ寝てるか甲板から海を眺めているくらいで、ひまな航海であった。

● なんでこんなに暑いんや!! <富良野〜旭川間 8月5日>

小樽から富良野までは電車で移動し、富良野から自転車旅行が始まった。もう8月なのでラベンダーは終わっていたが、大雪山を眺めて畑作地帯を快走するのは気持ちよかった。
 しかし、この日は最高気温36度にも達し、その中を峠越えを強行してしまったので、深山峠の頂上で熱射病で倒れ、死にかけるはめに。そこから旭川までの30qが平坦なのに地獄のように感じられた。

● 雷雨の中を峠越え <層雲峡〜留辺蘂間(石北峠) 8月7日>

 この日は運悪く、雷と猛烈な雨の中を標高1000メートルの石北峠を越えなければならない。坂を滝のように水が流れ、雷が轟き、また幹線道路でもあるこの道は車の通行量も多いので休憩も出来ず、一気に頂上まで駆け上がることになった。  実はそれよりもっと怖いのは下りで、視界不良なのに最高時速は60q位も出し、ハンドルや後輪はガタガタ揺れだし、恐怖感と闘いながらの下りであった。

● 広い牧草地の中で <留辺蘂〜美幌間 8月8日>

 
今日の行程は60qしかなく、比較的楽なので、昼間の暑い時間は広〜いタマネギ畑や牧草地でのんびり寝転がって北海道に浸っていた。

● 今度は猛暑の峠越え <美幌〜摩周間(美幌峠) 8月9日>

 今度は35度近くの猛暑の中で、400メートル級の峠越えであった。石北よりもこちらのほうがきつくて今度も道半ばで一人がダウンし、みんなで助け合って何とか頂上まで到着することが出来た。

● 鏡のような摩周ブルー <摩周湖 8月10日>

 快晴の摩周湖は最高!!早朝に行ったので人は少なく、湖面は鏡のようで、さすが世界一というだけある。でも、一度霧の摩周湖も見てみたい。

● 満天の星空の下で <中標津町開陽台 8月11日>

 夜になると満天の星空で、流れ星は数分おきに流れ、人工衛星まで見えるくらいである。あまりにもきれいなので展望台で野宿し、星空の下で寝ることにした。ここはほんとに最高だった。

● 開拓のすがた <中標津〜釧路 8月12日>

 酪農地帯で有名な根釧台地は、地図では分からないアップダウン何十もが続き、しかも集落が20q〜30qおきにしかないので、全く休憩など出来ない。中でも極めつけが、昼間の猛暑の中32q(梅田〜三宮くらい)何もなく、まるで砂漠に取り残された気分で、北海道の広さを痛感させたれた。

●限界に挑戦 <釧路〜池田 8月13日>

 
ちょっと寄り道と思って入った釧路湿原をさまよってしまい、再び釧路市内に戻った時は午後3時になっていた。この時点であと100qも残っており、それに挑戦したのはたった11人中4人であった。時速30キロくらい出して、明るいうち75q進み、日が沈むと、明かりが全くなく、しかも霧が発生し視界は最悪になり、死ぬもの狂いでなんとか池田までたどり着くことができた。この日の走行距離は150q(大阪〜岐阜くらい)になっていた。

●事件発生 <栗山 8月14日>

 夕張西部にある栗山町で温泉に入っているときのことである。疲れのあまりかボーとしていて、ガラス戸に激突しガラスを大破させてしまった。もちろん僕の足も2カ所深く傷つき、風呂場は血の海になり、近くの赤十字病院に運ばれて、10針も縫うことになってしまった。あーあ最悪!

●北の大都市 <札幌 8月15日〜19日>

 札幌は神戸よりも大きな大都会で、きれいに整備された美しい街である。中でも印象に残ったのは北海道大学で、本当にうらやましく思った。まず、札幌駅前という好立地な上に、日本一の広大なキャンパスを持ち、特に理系学部の規模は神大と比べものにならず、神大のしょぼさに憤りを感じるくらいであった。  札幌めぐりも一段落した17日に神戸に帰るサークルから別れ、ここから一人で回ることにした。その日の晩は1回生の平野君の自宅にお邪魔し、いろいろともてなしてもらった。どうもありがとう。

●貧乏旅行のパラダイス <余市 8月20日>

 
この街は最高である。駅前にニッカウヰスキー北海道工場があり、入場料無料でしかもウイスキー・ワイン・ジュース試飲し放題。その西側には、宇宙飛行士毛利衛さんの実家の銭湯がありその名も「宇宙の湯」(別に普通の銭湯だったけど)。そして、駅前の定食屋で、いくら丼580円、ほっけの開き180円(安すぎ)を堪能した。 余市ニッカウヰスキー

●異国情緒の港町 <函館 8月22日〜24日>

 はーるばる来たぜ函館〜♪♪。すでに走行距離は900qに達し、もう膝もぼろぼろで、ここで自転車旅行を終わることにした。函館自体は神戸に似て異国情緒がある街で、市内にある湯ノ川温泉もよく、函館山からの夜景は神戸とはまた違って美しい。  ところで、一人で旅をしていると数多くの旅仲間が出来る。2日目に函館駅で野宿をしていると強者どもに出会った。その1、大阪からヒッチハイクで1週間かけて来た学生。その2、京都から原チャで10日間かけて来た学生。そして極めつけが、その3、京都から3ヶ月かけて歩いてきた学生。これには恐れ入りました。

●1000キロ普通列車の旅 <函館〜大阪 8月24日〜26日>

 北海道からどうやって帰ろうかと考えた末、ここから趣向を変えて「青春18切符」で帰ることに決めた。大きなカバンと自転車を担いで各駅停車を乗り込み、青函トンネルを越え、青森・弘前・秋田と乗り継ぎ、まず山形県の酒田で一夜を明かした。そして翌朝始発に乗り、新潟県、富山県を越え、金沢でまた一泊し、次日の夕方頃大阪駅に到着した。


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