改築したばかりの「Wホテル」の露天風呂は、屋上にあった。海の側で見晴らしの良いロケーションである。眼前には雄大な三河湾が広がっている。 
一人一人が海を眺められるように、浴槽は海に向かって細長くなっている。珍しい造りである。                                       
仄かな香りが漂う、檜の湯船にどっぷりと浸かり、体を預ける。眼下の青い海が、眩いほどだ。                                
ちょうど目線が、大海原に合うように配慮されているのがいい。絶景を眺めながら、ゆっくりと湯浴みを楽しめる。                        
陽がだいぶ西に、傾いている。                                                  

海上には漁船やヨットが、白い波模様を描いて過って行く。
遥か沖合いには、大型船が停泊している。ずんぐりとした巨大な船は、T社の車を運ぶ船だという。点在する島々は、木々で青々と茂っている。
露天風呂では、若者たちのグループがはしゃいでいるが、浴槽が長いので気にはならない。
このホテルに来て、ロビーに入ったときから感じていたが、かつて、インドネシアへ行ったときの雰囲気とそっくりだった。
玄関脇には、ガムラン音楽のボナンに似た打楽器が置いてあった。聞くと、やはりそうだった。バリ島の感じを、三河のこの地で再現しているという。しかし露天風呂だけは日本的で、バリ風に染まってないのが何よりだ。
玄関前のガムラン楽器・ボナン