天竜寺の庭



山陰本線の嵯峨嵐山駅から歩いて10分ほどて、天竜寺に着いた。京都五山の第一位の格式をもつ禅寺である。
大方丈から聞こえていた警策の音が止むと、中学生の一団が神妙な顔をして出てきた。ここで、坐禅体験をしていたようだ。
世界文化遺産に登録されているだけに、夢窓国師が造ったこの庭が素晴らしい。大方丈の縁に腰を下ろして、しばし眺める。

嵯峨野路の竹林






天竜寺の北門から出て、竹林を歩き始める。相変わらず小雨が降っている。
しっそりと静まり返った竹林を出たところに、剣劇俳優の大河内伝次郎の旧宅があった。
小道をしばらく行くと、点在した民家の一角に小奇麗なレストランがあったので、コーヒーを飲む。




落柿舎の玄関




傘をさして、再び歩き出す。目差すは「落柿舎」だ。そこは、江戸時代の俳人・向井去来の庵である。松尾芭蕉の弟子で、芭蕉が庵に立ち寄ったときに、「嵯峨日記」を書いた所だ。
木立に囲まれた、藁葺屋根の佇まいの家が見えてきた。去来が隠棲していたに相応しい、質素なわび住まいである。
狭いながらも、こざっぱりとした庵である。庭には、芭蕉や高浜虚子の句碑が木陰にあった。

近くの竹林に囲まれた、縁結びの「野宮神社」から、「美空ひばり館」を覗き、渡月橋へと向かう。
途中、とうふの老舗の「西山草堂」の暖簾をくぐるころ、雨は上ってきた。