とんかつ



日本に来て、初めてのアルバイトは、居酒屋のお運びでした。

最初の日、仕事が始まる前に、お店の女将さんがその日のまかないについて

私に聞きました。

 「日本の食事は大丈夫?何が食べられるのかしら」

まだ日本語がほとんど分からなかった私は、日本語学校の先輩に教わった通りに

答えました。

 「にく、やさい、ごはん。」

さて、食事の時間が来ました。私はドキドキして出されたものをチェックしました。

白いごはん。濁ったスープ。大根の漬け物。厚い豚肉の揚げ物.....。

ここまでは漬け物以外は全部火の通ったものなので安心しました。

あれ?豚肉の横に生のキャベツが刻んで山盛りになってる。

これはなんですか。野菜ですか?

火の通っていない生のものを私に食べさせる気ですか?

日本人が生の魚を食べるのは知ってるけれど、

まさか野菜も生で食べるのですか?

いえいえ、もしかしたら

私をいじめてるの?

生野菜を食べたことのなかった私は、頭の中がこんな考えでいっぱいになりました。

あまりのショックで食事はほとんど食べられませんでした!

あの日のメニューはとんかつ定食なのでした。濁ったスープはお味噌汁。

キャベツの千切りも生で食べるのが普通だと分かりました。


今はお味噌汁は大好きで、もちろん生野菜もいっぱいたべて、おかわりもよくします。






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