キナバル 2
現地通貨リンギットがない
お金(日本円)は有るのにご飯が食べられない
両替は公園から1時間ほど先にあるラナウでできるという
しかし銀行は5時までで、今日は営業しているのかすらわからないと言う
最悪の場合
リンギットが尽き言葉も通じないマレーシアの片田舎で
路頭に迷うことになる
でも行くしかないな
疲れてるから行きたくないが仕方ない
気合を入れなおしてミニバスを待つ
と、雨が降り始めた
傘もないのでバス停らしきところで雨宿り
雨が不安に拍車をかける
相変わらず ツイテイナイな
詰めが甘いのか、いつもこんな目にあう
トラブルだらけだ
もっと楽な人生を歩ませてもらえないものだろうかと思う
反省したとこで状況は変わらないので
いまさら反省などしないが
後悔の気持ちが押し寄せてくる
バスにのり10分ほど行ったところで
ラナウに向かっているはずのバスは
修理工場に止まり修理をはじめた
時間はどんどん過ぎていくが
修理は一向に進まない
のんびりしたものだ
このままでは銀行が閉まってしまう
本気で泣きそうだ
一人で へこんでいると
隣に乗っていた おばちゃんが話し掛けてきた
自分の母親と同じ年くらいのそのおばちゃんは謙遜して
「英語は良くわからないけれどやってみるわ」
と言っていたが自分なんかより英語はペラペラだった
ショックだった
おばちゃんはその辺にいそうな普通のおばちゃんだったけど
英語が話せるのだ
どこかで習ったわけでもない
生活していく上で必要だからだ
僕とは真剣さが違う
日本からきたこと
キナバル山に登ること
両替が必要なこと
銀行をさがしていること
などを話した
おばちゃんは親切に僕の質問に答えてくれた上に
修理を早くしてもらえないか交渉してくれた
そして途中の乗り換えやラナウの銀行の場所など事細かに教えてくれた
言葉が通じない状況では、たぶん見つけられないだろう場所に銀行があることを知り
もしこの人が話し掛けてくれなかったら自分はどうなっていたのだろう と思った
きっと
こういう人の親切のおかげで自分は生かされているのだろう
無事両替を終え
僕はキナバル山へと向かった