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広島その2(2月10日 広島市〜尾道市)



朝7時にホテルを出て広島駅に向かう。天気は雨ではないけど曇り。
駅ビルの中のUCCカフェプラザでモーニングセットをいただく。
一人旅は普段できない気ままな喫茶店での朝食なんか楽しめて、それがまたよかったりする。

8時前に駅レンタカーの事務所に着いて、今回の相棒とご対面。
福島に引き続き、今回もデミオくん・・・そっか、ここは広島だ。納得。

今日の予定は広島市から尾道までの海岸線ドライブと
竹原市と三原市の温泉めぐり、尾道散策。
広島大橋を渡り、広島呉道路から呉市内の国道31号に出て、
海岸線に出る。今にも雨が降りそうな天気。やだな。
右に瀬戸内海を見ながら、竹原市方面へ。
造船所なんかの大きな工場が多い感じ。
地図で見るとわからないけど、結構峠道もあって、
海沿いをのんびり行く感じではない。
でも、海に出たときの景色は本当にすばらしい。

瀬戸内海には小さな島が本当に多い。この景色は日本中でもここだけしか見られないと思う。
はるか彼方を望める海じゃない、小さな海。

今日の最初の目的は、竹原市の湯坂温泉。
竹原市は名前のごとく竹林が多いらしいが、実際、本当に多い。道路沿いにも竹林が続いている。
安芸の小京都と呼ばれる町並みもあるそうだが、今回は訪ねる時間がないので断念。
湯坂温泉には2軒の温泉ホテルがあるが、そのうちの「かんぽの宿竹原」で日帰り入浴。
10時半頃だったが、まさかと思うほど混んでいた。この辺の人たちの憩いの場かもしれない。
露天風呂に入っていると、雪がちらちら舞ってきた。
入ってきたおばさんが「あら、雪?風情だね」・・・「雪見風呂ですね」
広島に来て雪見風呂に入るとは思わなかったよ。ちょっとうれしい。ここの泉質はラドン温泉。

竹原市のとなりの三原市へ向かう。
三原市のすなみ海浜公園で海を見ながらサンドイッチのランチ。釣りに来ている人も多かった。何が釣れるのかな?
すなみ海浜公園のそばにある「みはらし温泉」へ。
立体駐車場は満員で屋上駐車場へ。すごい人気らしい。確かに立地条件はいい。海の横だもんね。
露天風呂は水着着用で混浴とのことなのでパスして、内湯で楽しむ。
少し褐色のお湯。内湯の窓には外に見える島の名前が書いてある。

ここのお湯は胃腸にいいとのことで、浴室の所の入り口に温泉の蛇口とコップがある。
温泉と水を7対3で割るとのことで、飲んでみる・・・げーっ・・・まずい・・・
塩辛いのと渋いのと、これはとても飲めないよ。
私が変な顔してるせいなのか(笑)、おばさんが話しかけてくる。
温泉を水で割って・・・と説明すると、おばさんも飲んでみる。まずそう。海のそばだから、塩分が高いのかなぁ?

三原市街地の渋滞を抜けた後は、国道2号線を走って、尾道市に入る。午後1時を少し回っていた。

尾道市内の駐車場を探すために、街中を少し走ってみる。ガイドブック片手に歩いている人たちもとっても多い。
途中に大行列を発見。「つたふじ」という尾道ラーメンのお店だった。
食べたいとは思っていたけど、さすがにこれじゃあね・・・
しかも、今日はとっても寒い。並んでいる人たちも足踏みして我慢している。
尾道ラーメン発祥の店の「朱華園」には50人近くの大行列・・・
近場の市営駐車場も軒並み満員。今日は観光客が多いのかな。連休だしね。

尾道駅まで戻り、やはり駅そばの駐車場に停めて
駅からの古寺めぐりコースを歩くことにした。
駅前にも尾道ラーメンの店があり、そこも待っている人がいっぱい。
尾道駅前から線路に沿って進むと
「古寺めぐりコース」の看板と矢印があった。
それに沿って線路を越え、坂道を登る。
それにしても狭い坂道と階段ががえんえんと続いている。

古寺めぐりは尾道の25の古寺を巡るらしい。
ガイドを見ていろいろ考えたが、尾道では散策しか思いつかなかった。
古寺めぐりコースに沿っていくのが無難かな。


まずは、持光寺でにぎり仏を作ろうと持光寺をめざす。
にぎり仏は陶芸が趣味の住職の発案だとか。
案内板の前にカップルが立っていた。作ってる人は誰もいない。

「作りますか?」と声をかけて、チャイムを押すと,
お坊さんらしき人が出てきた。
縁側みたいなところにテーブルがあり、そこに座る。

まず、粘土を棒にさし、きりたんぽみたいな感じにする。
上から3分の1くらいを残した状態で、
親指と中指をあわせて願いを込めながら粘土をグッと握りしめる。
棒からはずし、台の上に立つようにしてから顔を作る。
粘土をつまむようにして耳と鼻を作る。
棒で目と口をつけ、棒が刺さっていた穴から少しの粘土を取り、額につける。後ろに日付と名前を入れて完成。
住職の方が願を懸けて焼いた後、1ヵ月後くらいに届くそう。1500円也。

作っているところに通りかかった他の人たちも興味を持ったらしく、
「やりたいんですけど」と言う人が続出して、待つ人まで出る始末。さっきまで誰もいなかったくせに(笑)。
ここの壁に「尾道七佛めぐり」のポスターが貼ってあった。
御朱印帳を買って、七つの寺をめぐり、最後の寺で満願成就の印を押してくれるそう。
おもしろそうだな、今日はこのコースで尾道を巡ってみよう、と決めて御朱印帳を購入。

最初のお寺は、にぎり仏を作ったこの持光寺。延命祈願のお寺だそうだ。
途中、他のお寺ものぞきながら次の天寧寺へ。ここは病気平癒祈願。

天寧寺を過ぎて、千光寺山ロープウェイで千光寺山山頂駅に登る。
ロープウェイは観光客でギュウギュウ詰め。景色なんか見てる余裕なし。
千光寺公園を少し巡ってから「文学のこみち」を下りながら千光寺へ。
「文学のこみち」には尾道ゆかりの志賀直哉、林芙美子などの文学人の句などが
刻まれた岩がいくつもある。
中でも林芙美子の碑の前に立って見える尾道水道の景色はすばらしく、
写真を撮る人でいっぱい。
ここで「撮ってあげましょうか?」と声をかけてきた地元の男性と出会う。
彼は隣の福山からスケッチブック持参で尾道の花を描きに来たそう。
今日はまだ時期が早く、お目当ての木はつぼみだったらしい。
そういえば、尾道ではこうやって絵を描いてる人もたくさん見かけた。
彼と話しながら千光寺へ向かう。ここは開運厄除祈願のお寺。
縁結びのご利益もあるそうで(笑)、御朱印のついでに縁結びお守りを購入。


この縁結びお守りは2個がペアになっている。白紐を男性、赤紐を女性が持つとか。
私みたいな人は白紐をタンスにしまい、赤紐を身につけていると
ベターハーフとめぐり合える、とのこと。信じるものは救われる?かな?

尾道は山と海に囲まれた狭い場所に密集しているので、坂道が非常に多い。
また、なぜかネコもとっても多い。何匹も見たし、ネコの絵や招き猫がかざってある
道もあったりして、ネコの町って感じ。招き猫美術館というのもあるとか。

千光寺は朱塗りの本堂があざやかだった。
境内も観光客でかなりのにぎわい。
彼は「とっておきの場所」と言って、千光寺の境内の隅の岩を
少し上がった場所に私を連れて行った。
どこが「とっておき」かと言うと、なんとロープウェイの真下なのだ。
ロープウェイがこの上を通ったときがベストショット!
尾道水道と尾道大橋と向島とロープウェイがバッチリおさまる。
この写真を撮れただけでも尾道に来た甲斐があったというものです。



途中の喫茶店に入ってコーヒーを飲む。ここは一般の家をマスターが買い取って、2階を喫茶店にしたそうだ。
歩いてみてよくわかるが、クルマは住宅街にほとんど入れないし、若い人は出て行ってしまい、
お年寄りだけになる家が多いとか。
何かあっても救急車さえ入っていけないのはここの問題点。今は空き家がとても増えているらしい。
マスターは写真が趣味らしく、壁にはいろんな写真がかざってある。
この店のすばらしいところはここから見下ろす尾道の景色。
彼は尾道で一番景色のいい喫茶店と言っていたけど、その通り。
景色を眺めてコーヒーをいただいた後、外に出るとメニューを見ている人たちが何人かいる。
「ここはすごく景色がいいですよ」と勧めて、営業に貢献してみる(笑)。


次は合格祈願の大山寺に向かって歩く。

映画「時をかける少女」で知世ちゃんが走ったタイル小路のタイルには
ここを訪れた人たちの感想が書き込んである。
小路というだけあって、本当に狭い。場所もなかなかわかりにくい。
大山寺そばの御袖天満宮の石段は映画「転校生」で主人公の二人が
転げ落ちて体が入れ替わってしまったところ。
この石段は継ぎ目がない一本石ですべてできている。
幅は5m。これを作るのってすごい。見事な石段だった。



次の西國寺は健脚祈願。門には大草履を始め、大小の草履がかかっている。
この門をくぐると、108段もの石段が・・・ひえーっ。もう息も絶え絶え登って、御朱印をもらう。
ここは境内に桜が植えてあり、春はお花見客でいっぱいになるとか。
残りのお寺の行き方を教えてもらい、一緒に夕食を食べる約束をして彼とはいったんさよならする。
ここでスケッチしていくそうな。
尾道の人は親切だから話しかけてくれるよ、夕日を眺めながら向島から尾道を見るのもなかなかいいもんだよ、
フェリーがたくさん出ているから乗ってみたら、と勧められた。
次の浄土寺へ向かう途中、おじさんに「大草履は見たか?」と話しかけられる。
「今見てきました」と答えつつ、話しかけてくるのは本当なんだな、と思う。

浄土寺は必勝祈願のお寺。聖徳太子が建て、
足利尊氏が必勝祈願をしたそうだ。

最後は海龍寺。技芸上達祈願。持ち前の才能が開花するとか。
ここで御朱印をついてもらい、満願成就の印と紙製の掛け軸をもらう。
帰ろうとすると海龍寺のおばあちゃんに呼び止められ、
「一人で来たの?」
長野県から来たと言うと、「じゃあ今日なんかそんなに寒くないでしょ」
まあ、寒いことは確かなんだけどね。雪も少し舞ったし。
おばあちゃんはストーブの前から動けなかったそうな。
なぜか北海道ミルク飴をもらい、しばし世間話。


ここから海沿いの道に出て、歩く。
今日は尾道ロイヤルホテルに宿泊。
とりあえずチェックインして荷物を置く。
ホテルそばのフェリー乗り場から向島行きのフェリーに乗る。
ちょうど夕日が落ちる直前で、フェリーから眺める。
片道100円。おじさんに払う。
いろんな会社のフェリーが向島まで出ているそうだ。
向島から尾道水道をはさんで、尾道の町を眺める。
初めて来たけど、とっても魅力的な町だと思う。
なつかしさと癒しがある町だと思う。
ぼんやり眺めて、帰りのフェリーに乗る。

さっきのおじさんはすぐ帰る私に「友達がいなかったの?」だって。
「乗ってみたかったんですよ」と答えると、「今度はあっち(反対側)に乗ってみな」・・・

駅前駐車場までデミオちゃんを取りに行こうと歩いていると、クラクションを鳴らすクルマがある。ここで彼と再会する。
「この辺にいるんじゃないかと思って」だって。とりあえず、デミオちゃんをホテルへ連れて行く。
夕食は何食べたい?と言うから、尾道ラーメン食べてみたい!と答える。

朱華園に行ってみるがもう誰もいない。麺が終わったので閉店。
尾道の魚が食べられる、彼が知ってる店に行ってみる。
カウンターに5人くらい座れる小さい店。すごく海くさい(笑)
マスターが釣ってきた魚を料理して出してくれるから、メニューはなし。
ビールも後ろの冷蔵庫からお客が勝手に出す(笑)
お通しが出てきたが、「これ何?」・・・「さて、何でしょう?」
二人はニヤニヤ。私は「・・・?」
「これはねぇ、なまこ」とマスター。おお、初めて食べるぞ。
味のほうは、うん、コリコリしておいしい。
マスターは巨大なアナゴをさばき始めた。見たことないほど大きい。
まずはアナゴのお刺身。脂が乗っててこれがまた最高においしい!
普通のお店じゃアナゴをお刺身でなんか出さないけどね、とマスター。
アナゴの胃袋、卵、皮など食べたことのないまさにアナゴづくし。
日本酒は三原市の「旭菊水」。マスターいわく、「料理屋であって飲み屋じゃないからうまい酒はおかない」
旭菊水は魚には合うんじゃないかな。個人的にはもっと辛口が好きだけど。
なんだかんだと3合も飲んでしまいました。かわはぎのお刺身もわたで作ったたれが激うま。


京都から来たというカップルが来る。
以前に魚がおいしいからって連れてきてもらったことがあるとのこと。
私たちも夫婦と誤解され(笑)、
「今日知り合ったんだよね、文学のこみちの
林芙美子の碑の前でナンパされたんだよね」と言ったら、
彼は「ナンパじゃないって」と言ってましたが。
林芙美子の放浪記にある「海が見えた、海が見える」というのは
福山方面から電車で来るとわかるんだよ、とマスター。
尾道の魚は日本一じゃなくて世界一おいしい、そうな。
朱さんのラーメンが売り切れでよかった(笑)。最高のお店だった。


向島までフェリーで渡り、尾道の夜景を見てから尾道大橋を通ってホテルに戻る。
あと1日。明日はしまなみ海道を渡るぞぉ。