犬も歩けば

 

 霧、これはまだいい方かも

こんにちは。

嘘のような晴れ間も束の間、この一週間ほど、ヴェネツィアはどっしりと重い霧に包まれていました。ドライバー泣かせで、つい先日も列車まで事故をおこしてしまった直接の原因となるこの霧、車のないヴェネツィアも例外ではありません。少々の霧なら、ボーッ、ボーッと汽笛を鳴らしながら進む水上バスも、あまり深くなると最小限の路線を残して、すべて欠航になります。が、それすらほとんど乗らず、日ごろはひたすら歩くのみの生活にはそんな霧も決して敵ではありません。手袋とマフラーで厳重に防寒をして、歩きます。おかげで暖房でかさかさになりすぎて、手のほどこしようのなかった肌も見る見るうちに元気を取り戻し、3日ですっかり回復しました。

パスタの迷宮

どこへ行くにも徒歩だけ、というよりは、最近は徒歩で行ける範囲で無理矢理何でもを済ませている私も、やむを得ず、本物のバスに乗って、出かけることもあります。行き先はショッピング・センター。食料品から衣類まで、買い物は決して嫌いなほうではないのですが、どうもここのショッピング・センターというのが、どうもなじめません。
イタリアのショッピング・センター(
Centro commerciale, チェントロ・コンメルチャーレ=商業中心地区)はたいてい郊外にあって、だだっぴろい駐車場があり、原則的には車で行くようになっています。駐車場は無料。そもそも車のない私には縁がありません。たいていは路線バスでも行けるのですが、またおそろしく不便だったり。
その点、ヴェネツィアでは、自家用モーターボートはあっても車のない人もいるため、本島のバス・ロータリーから、送迎バスが出ます。ヴェネツィア近郊、本土側にいくつかあって、それぞれが
1時間に1本か2本送迎バスを出しているのですが、クリスマス前など乗り切れなくなることも。一度、あるスーパー・マーケットが、送迎バス利用者に限りクーポン券とチョコレートをプレゼント!というキャンペーンをやったら、押すな押すなの大混乱を引き起こしたそうで、その後、そういうキャンペーンは見かけません。
そうやって、ようやくたどり着いた先は、巨大スーパー。ワンフロア、あるいはせいぜいが
2階建てで、それも中をすべて大きなショッピング・カートで自由に行き来できるようになっています。
なんだかすばらしいわくわくするところのようなのですが、実際は広すぎて、まず買うべきものを探すのに一苦労。あるスーパーでは、店員さんは中をローラーブレードで走っています。こちらはあくまでも徒歩で中を移動するわけで、疲れるはずです。で、これだけ広いからには、さぞかしいろいろなものがあるのかと思うとそうでもなく、例えば確かに、パスタならメーカー
Aと、Bのほかに、近所では普段みかけないメーカーCもあったりします。なのですが、特別おいしいとかいうわけではなく、基本的に質も値段も、A,Bと大差ない。
いつも買っているメーカー
Aも、これだけの幅を占有しているなら、全製品があるのかも、と思ったりするのですが、よく見ると、まったく同じ種類のパスタが、だーーーっと両手横幅いっぱい、かつ3段くらいにわたって積んであったり。種類でなくて、数が多いだけなのです。そして案外、本命のものはなかったりするのです。
モッツァレッラ・チーズなら、それこそメーカーは軽く
10以上、バラ売りから徳用パックまで並んでいますが、値段も見た目も似たり寄ったり。「○×さんが大切に育てた水牛のミルクだけを使いました」とか、そういうものがあるわけではありません。日本のちょっとしたスーパーなら、お豆腐も100円以下のものから1000円くらいまで、いや、デパートや高級食材屋ならひょっとして2-3000円するものまであったりのではないでしょうか。買うかどうかはともかくとして、選択肢が広くて、さらにこまやかなように思います。
こうして不満を書き連ねているのも、組み立て式の小さい棚を買おうと思って、ヴェネツィア中を歩き回った挙句、誰もに「ショッピングセンターに行けば」と言われているからです。そんなことは百も承知、だけど、ただでさえ気がすすまないのに別件で最近行ったばかり、そのくらいはヴェネツィアで買おうと思ったのです。ところが、ことごとく当てが外れっぱなし。一日はお店が休み、一番当てにしてたお店にはなく、近所の店では「あるわよ、たぶんどこかにはね。うちにはないけど」。まさに観念して、いよいよショッピング・センターか・・・とりあえず、どこに行けば肝心のものがあるのか、よく広告を見ながら検討しなければ、と思っているところです。

ではまた。
Fumie

12 gennaio 2005