| こんにちは。いかがお過ごしでしょうか。 3月に入ったというのに、イタリア全国まだまだ寒さがどっかりと腰を下ろしているようです。週末、ヴェネツィアでは降らなかったのですが、近郊ではまた雪が降り、真っ白に覆われたようです。今日のヴェネツィアは晴天、それでも、空気がほんとうに冷たいのです。同じヴェネト州内で、なんと零下35℃まで記録したのだそうです。アルプスの山中のこととはいえ、そう遠くないところでそんなことになっているとは・・・考えるのも恐ろしいです。
変わらぬ風景、変わる町並み
時々通りかかる道に、新しいアクセサリー屋さんができていました。最近は、流行なのか、それともこういうもののほうが売れるのか、ヴェネツィアを埋め尽くすガラス屋さんでも、ネックレスやペンダントをはじめとする、しゃれたアクセサリーを売る店が増えています。確かに、グラスのセットやら花瓶やらもいいけど、価格や、持ち帰ることを考えるとちょっと躊躇するし、よほど好きでない限り、グラスなどは家にもう何組かあれば、これ以上買うわけにもいかない。けれども、アクセサリーならいくつあってもいいし、ほとんどはかさばらないし軽いから、おみやげにもいい。こういうものが好きな友人が来たら案内しよう、と思って、そういう新しいお店にも、ついつい目がいってしまいます。ところが、ちょっと目をひくものがあって近づいてみて、あ、と気が付きました。そういえば、ここ、前は八百屋さんだったのに。いつの間に、店を閉めていたんだろう。・・・なんとなく複雑な気分になりました。
何も変わらないように見えるヴェネツィア、でも実はお店やレストランも、なくなったり、新しくできたり、常に動きがあります。同時に、空洞化がもうずっと前から言われていて、本来の住民はどんどん流出して年寄りと外国人だけの町になっている、と。では、もう全然ふつうの住民はいないのかというとそんなことはなく、近くには小学校も中学校もあって、小さな子供のいる家族も、たくさん住んでいます。過疎化の傾向はあるに違いないけれども、生活が、ないわけでは決してありません。
それでも、そういう、小さなお店というのは、ほんとうに大変なのだろうと思います。私も、牛乳とチーズはすぐ裏の牛乳屋、お魚は、やはりすぐ裏の屋台か、気合いを入れて30分歩いて魚市場。市場まで行けば、野菜もそこで。パンは、徒歩10分のパン屋。ですが、それ以外のほとんどの買い物は、近くにあるスーパーマーケットでしています。その八百屋は、普段出かけるのと反対方向にあることもあって、そこで買い物をしたことがあるのは、たぶん1度か2度。確かに、ほかの住民だってほとんどはスーパーに行っているでしょう。ただ、大繁盛していたとは思わないけど、ではいつも閑古鳥だったかと思い出してみると、決してそうではないのです。むしろ、通りがかるたび、開いていれば、いつも必ず買い物している人がいたように思うのです。近所のお年寄り、子供連れ。それから、いくばくかの観光客が、果物を1つ2つ。
それくらいじゃ、成り立たないんだよ、といわれればそうかもしれません。それとも、全然関係ない別の事情があって、店をたたんだのかもしれません。
そういえば、ここに引っ越してきたときに、大家さんの奥さんに「あそこのお肉屋さんはいいわよ」と薦められて、最初は何度ものぞきに行っていたのだけど、いつ行っても閉まっていて、結局お肉はあきらめて最近はスーパーで買っているのでした。それからやはり、八百屋さんに行く前の角に、小さなパン屋さんもあったけれど、そこもいつのまにか、1杯飲み屋に変わってしまったっけ。
変わらないでいてほしい、というわけではありません。町というのは生きているのだと思います。何百年も、変わらない姿を保っているようでいて、こうやって、さみしいようでも少しずつ変わっていくのでしょう。
ではまた。
*HPの展覧会案内で、現在ヴェネツィアで開催中のカルパッチョ展、ヴェロネーゼ展について、更新しました。ご興味のある方はどうぞご覧ください。
Fumie
2
marzo 2005
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