こんにちは。いかがお過ごしでしょうか。
雨、雨、晴れ、晴れ、雨、晴れ、雨。この4月中盤はずっとこんな感じ、晴れる日はさらっと青空になるものの風がまだまだ冷たく、うっかり薄着で出かけるととたんに後悔する羽目になります。
ご存知の通り、新法王は比較的すんなりと決まりました。ドイツ出身のベネデット・セディチェジモ(Benedetto
XVI=sedicesimo)、いろいろと言う方もあるようですが、何しろパーパ(法王)になるのは、彼だって初めて。これからの活躍に期待したいと思います。最近のひそかなお気に入り
そういえば、日本ではそろそろ筍の季節でしょうか。雨後のたけのこ、というくらいですから、雨が降った後、にょきにょきと出ておいしくなるのでしょうね。
最近のヴェネツィアで、雨後のたけのこのごとく増えているのは、ケバブ屋さん。大きな串にお肉を重ねて刺し、それを固まりごとぐるぐる回しながら火を通し、まわりの火の通った部分から削って、それをアラブ風のピタパンにたくさんのレタスやトマト、たまねぎなどと一緒にはさんで、ちょっと辛いソースを垂らして、食べるというものです。
何でもある日本なら絶対どこかにあると思うのですが、ではどこか、といわれると思いあたりません。あるいは、とっくの昔にブームが去って、もうなくなっているのかもしれません。ヨーロッパでも他の国に行くと、もうずいぶん前から、たいていどこにでも、しかもあちこちたくさんあって、たしかにその手軽さと、安さ、それに加えなんとなくイタリアでは食べられない味加減に、不思議と惹かれるものがありました。
その波がようやく、ここヴェネツィアにもやってきたのです。4-5年前には、一切なかったのが、ここ1年、せいぜい2年以内だと思います。時々通る道、元は小さな本屋さんだったところが改装工事をしているのを見て、「あ、切り売りのピザ屋になるのかな」と思っていました。ところがなんと、できてみたら「ケバブ&ピザ」。気が付いてみたら、もうあちこち、あっと言う間に何軒もできていました。その組み合わせに最初はぎょっとしますが、考えてみたら、ピザもピタパンも、シンプルな生地の、一種のパンで、水と小麦粉とオーブンがあればOK。ピザの具を仕入れ、ケバブのお肉を焼く独特の装置(何て言うんでしょうか?)と、ケバブ・サンド用の生野菜を刻んでおけばよし。においが混ざるんではないか、とも思うし、実際のところ混ざっているのでしょうが、現実的に外に漂ってくるのは、パンの焼けるにおい。シンプルなパン生地に、具をのっけたりはさんだりして食べる、元々は、考えるほど遠い関係でもないのかもしれません。
賢いな、と思うのは、そうすることで、とりあえず、外国人はもちろんですが、ピザを食べたいイタリア人を引き込むことができること。気楽に飲み食いができる切り売りのピザ屋なら、学校や大学の周辺、あるいは観光地なら必ず需要があります。実際、最近そういうピザ屋さんもまた増えているのです。
今までヴェネツィア、それどころかおそらくイタリアではあまり見かけなかったケバブ屋さんがこうしてできるようになったということは、それだけ、アラブ系の人口が増え、かつそうして、たとえ2畳分くらいのスペースでもそれを借りて、お店を開くことができるようになってきたということでしょう。
数年前にパリに行ったときに、元々は安くておいしく食べられるエリアとして知られるカルチェラタン(Cartier
Latin=「ラテン地区」)が、ギリシャ風料理とケバブに占拠されていたのを見て、とても違和感を覚えました。カルチェラタンは、前にも来たことがあるはずなのに、全く印象が違ったからです。年月とともに、同じものを見ても違ったように見えることはもちろんあります。が、久しぶりに食べたいと思った本場のクレープが、町の中でも、どこも皆、中華デリ、あるいはケバブと並んであの丸い鉄板がおいてあったのを見ると、やはりだいぶ時代が変わっていたのではないかと思います。
イタリアでは、ピザとともにデビューしたケバブ。好きだけれども、これが町中席巻するようになるのは、やはりちょっと味気ない。アラブ系はもちろんだけどインド、タイ、ヴェトナムやインドネシアにマレーシア、そして韓国に日本。ヴェネツィアに、1軒づつおいしい食事処ができればいいのに、というのは、まったく夢のまた夢なのですが。
ではまた。
Fumie
22
aprile 2005
|