シンガポール・ブルネイ・タイ 友好の旅 【3日目】

2002年7月29日(月)

@優しいアリフ
 
朝6時過ぎに目覚め、2階に上がり朝食にする。卵焼きと紅茶、トーストのシンプルなものである。いつもながら、旅先の朝食はゆとりがあって嬉しい。朝食を終え、部屋に戻る。昨日はそのまま寝てしまったので、シャワーを浴び、体も洗う。水シャワーであるが、これだけ暑ければ大丈夫。荷物をまとめ、いつでもアリフが迎えに来るのを待てる状態にした。
 7時過ぎ、彼女がボートでやって来た。本当、面倒臭そうな顔1つせずわざわざここまで来てくれるのには感謝、感激である。そのままボートで対岸に渡り、そのまま徒歩で朝だけ開かれるマーケットへ連れていってもらう。魚・肉・野菜・果物・スパイス・菓子・雑貨等、地元の人々が生活に必要なものが並べられている。僕は、ブルネイ伝統のお菓子らしいかりん糖の様なものを一袋買った。
 そこから中国寺院を見て、昨日昼食に入ったビルの最上階でお茶を飲む事に。アリフは朝食を取っていなかったので、ロティと呼ばれる、ナンをカレーにつけて食べる軽食を注文した。僕も8年前マレーシアでよく朝食に頼んだのを思い出す。
 ジュースを飲んでいると、アリフはバッグからノートを取り出して遠慮がちに言った。
「手伝って欲しい事があるの。8月26日に日本語のスピーチコンテストがあって、その訳を書いて欲しいの」
 お安いご用である。僕は彼女の英語の原稿を見ながら、平仮名で書いていった。だが、こっちも英語が完璧には理解出来ないので、2人で考えながら訳すのには時間が掛かった。こんな所で勉強するなんて夢にも思わなかったが、頼られるのは嬉しい事だ。
  それからロイヤル・レガリアと言う王室史料館へ。入場無料の上にエアコンがガンガン効いていて快適である。従業員が所々にいるが皆ヒマそうである。仕事は楽だろうが時間が長く感じてつまらないだろうなと思った。
 中はかなり広く、ブルネイ国王がどれだけ権威があって裕福なのかが良く分かった。 

 昨日見れなかった、オマール・アリ・サイフディン・モスクの内部を見た後、バスターミナルへ行き、彼女に言われるままバスへ乗る。どのバスもマイクロバス程度の大きさで、全部が紫色で統一されている。料金は一律1ブルネイドル。
 暫くして目的地に着いたらしく、バスを降り、まずはショッピングモールへ立ち寄る。人口が30万人もいない国なのに結構大きめのショッピングセンターが所々にあるのに驚く。2階に上がると、スクーターの様なローラーブレードの様なものが売っていた。店員によると、バッテリーで動くスクーターで、6時間充電でほぼ1日動くそうだ。値段は日本円で3万円ほど。性能次第であるがなかなか興味深い。(ちなみにバンコクでも同じ物を見ました。日本では2人だけこれに乗っている人を見ました。もう売り出されているみたいですね。)  
 そこから歩いて、オマール・アリ・サイフディン・モスクよりも煌びやかなジャメ・アサール・ハナサル・ボルキア・モスクへ。正装をしていないという理由でアリフは中へは入らず、近くのベンチで日本語の勉強を始めた。国王の資産で建てられたそうだが、見事の一言である。広々とした館内には誰も居ず、勝手に一人で回ることにした。
 あらかた見回ると、ここの職員らしい中年男がやって来て、
「これからこの中を案内するから。ただし、もうすぐ昼なので5分だけ」
 そう言って、僕に黒い布を着る様に言った。暑くてたまらないが、仕方がない。
 まずは、礼拝の前に手や足を清める部屋に連れて行った。驚いた事に、センサーが付いていて、そこに触れると水が出る様になっていた。伝統と近代化の奇妙な融合である。
 そして、走って女性用と男性用の礼拝堂に。どちらも、何千人も収容できるものすごい規模であるが、それよりも誰も居ないのにエアコンがガンガンに効いているのにまた驚かされた。誰もいないのなら日本では絶対にエアコンを切るだろうが、よっぽど裕福な国なんだろう。
 借りていた服を脱ぎ、最後に男は扉を開けて、ここから展望台に行けるからと言って去って行った。何故かそこには卓球台が置いてあった。
 細い塔の内部は螺旋階段になっており、ひたすら長い。裸足で入っているのだが、所々虫の死骸が転がっていて気味が悪い。ただでさえ暑くて億劫なのだが、こうなったら最後まで上るしかない。日頃の運動不足からついゼイゼイ言ってしまうが、何とか上りきり、街並みを写真に収めて、アリフのいる場所へ戻った。

 バス停に戻り、20分程してガドン行きのバスがやって来た。ガイドブックによると最新の商業地区だと言う事だ。ガドンにつく手前でアリフはマーケットを指差し、
「このマーケットで母が魚を売っているの。今は休憩中でいないと思うわ」
 そしてすぐにガドンに到着した。まずは腹が減ったのでそこのフードモールで昼食にし、CD屋と海賊盤専門店に連れて行ってもらった。僕は普通のCD屋でマレーシアポップスのCDを買った。
 最後に近くにあるホテルに向かった。友達に日本語スピーチコンテストの申込書を渡す様に頼まれているそうだ。アリフが電話で先生を呼び出すと、中年の日本人男性が出て来た。僕は何か話そうと思ったが、彼はやや無愛想で、申込書を彼女から受け取るとそのまま部屋へ戻って行った。
 再びバスへ乗り、最初のバスターミナルへ戻った。今日は用事があるからと行って、4時頃アリフはそこからバスで家に帰った。明日は8時半頃に迎えに来てくれるらしい。  

A一人旅らしい時間
 正直一人になれる時間が出来て嬉しかったが、特に何もする事がない。とりあえず、そこいらのショッピングセンターを散策した。すると、VCDを売っている店があったので入り、マレーシアポップスのVCDを数枚買った。1枚300円ほど、当然海賊盤なのであろう。買う前に試しに見てチェック出来るのがありがたい。スーパーでお菓子やスイカを買ってボートで宿に戻って休憩する事にした。
 宿に戻るとムハジールが、折り紙を教えて欲しいと言って部屋に入って来た。手裏剣や風船、鶴等を教えてあげた。ただ、僕は本無しでは鶴しか折れないので、本を見ながら彼に教えるのは少し大変だった。彼は「面白い、面白い」と言って、夢中になって折り紙を続けた。僕ももっと折り紙を練習して人に教えられる様にならないとな。
 教えている内に時計も8時前になっていたので、夕食に再び対岸へ出掛けた。昨日アリフ達に連れて行って貰った、マーケットに行き、マレーの焼き鳥、サテとご飯、ラーメン、アイスティーで腹一杯になって夕食を終えた。マーケットはかなり賑わっているが、暑いのでもう部屋に戻る事にした。
 今まで一人旅ばかりなので、こう言う至れり尽せりの旅は違和感があるが、大切な友達の好意に甘えておこう。
 


バンダルスリブガワンの朝市
ロイヤル・レガリア
本文に出ていたバッテリーで動くスクーター
ジャメ・アサール・ハナサル・ボルキア・モスク