メディチ家の呪い

 

 フィレンチェの旅行者が、幾度となく目眩や吐き気で意識を失い、病院に運ばれたというらしいのだ。しかもそれはメディチ家礼拝堂やフィレンチェのドーモなど、メディチ家にゆかりのある場所を訪れた直後に起こるため、「メディチ家の呪い」と呼ばれている。

  時はルネッサンス、メディチ家がフィレンチェを支配していたとき、その支配に対抗しようと、ィレンチェ第2の家が、メディチ家一族の暗殺を企てた。しかし彼らはその暗殺計画を失敗し、メディチ家の怒りをかって家は滅亡させられる。そうしてメディチ家に滅ぼされた一族が、今もなお、フィレンツェに訪れる旅行者に呪いをかけているのだという。

 だが、結局それは呪いでもなんでもない。その真相は、長時間上を向いているためだという。長時間上を向き続けると、首の血管が背骨に圧迫されて血流が流れにくくなる。そこで5分以上経過すると、しだいに血液の固まりができてしまう。そこで首の向きをいきなり戻すと、血液の固まりが脳の毛細血管へいき、その流れを止めてしまう。その結果目眩や吐き気などの症状を引き起こしてしまうのだという。

 実際、フィレンテツェのドーモも、礼拝堂も、ウッフィッチ美術館も、天井に多くの多彩な絵が描かれていた。僕は周りの彫刻よりむしろ天井の絵画に引かれたくらいだ。確かに僕は、礼拝堂を出てしばらく、なんか頭がボーっとしていた。休み休み上を見たからよかったものの、長時間上を見つづけるときは注意した方がいい。こんなことで旅行先に病院ざたになったらやだからね。