原付でツーリング、その8

 次の日は一番に目が覚めました。原付なので、早起きで走行距離を稼ぎます。
 同宿の人たちは、眠そうなのにお見送りしてくれました。たった一晩一緒にいただけなのに、どうも別れがつらい。ああ、出会いと別れってこういうことなのかな?とぼんやり考えつつ、羅臼を後にしました。僕がそのライダーハウスに泊まったのはたまたまだったのに…。

 知床峠。豪快なワインディングです。本州では、なかなかこういったワインディングには会えません。原付ですが、十分に楽しめました。早い時間なのに、すでに走っているライダー達に会いました。すれ違いざまピースサインの連続です。
 峠は霧が立ち込めて、残念ながら羅臼岳を見ることはできませんでした。真っ白な中で記念撮影をして峠を後にしました。
 峠を降りて、カムイワッカ滝の湯へ。11kmのダートを走行して、滝の湯。天然の滝が温泉になっています。ワラジレンタルがありましたが、僕は古いスニーカーを持っていたのでそのまま滝をさかのぼりました。滝壺でしばらく湯浴み。顔を洗うと目にしみます。湯の成分のせいです。天然温泉は実に楽しいものでした。

 この後は、宗谷に向かうか道東を周遊するかの選択でした。昨日、ザンザス乗りT氏が”宗谷は気温が低く、体感的には冬だ”と言っていたので、道東周遊に決定!網走の手前、止別(やむべつ)から弟子屈方面に向かうことにしました。
 途中でバイクと車の事故現場を目撃しました。スリップ痕と漏れたオイルが、事故をありありと表していました。ツーリング中に事故には会いたくない。気を引き締めていくことにしました。

 摩周湖の周遊。計測されている中で、世界随一の透明度を誇る湖”摩周湖”。この摩周湖には表と裏の展望台があります。僕はどちらとも行ってみたかったので、原付のスピードを気持ちアップさせました。
 表展望台に到着。ほえーーーー。情けないですが、それが精一杯。晴天の中、輝く摩周湖は最高でした。晴天の摩周湖に出会うと”男なら出世が遅れ、女は婚期が遅れる”という伝説があるそうですが、どうなのでしょう?昨日のセローライダーS氏曰く、”北海道を一人旅するような奴が出世するわけないじゃん?”と。”ちなみに俺はもう遅れちゃってるけどねえー”と豪快に笑っていました。ううむそれもそうだな。妙に納得してしまいました。どうでもいいけど、美しいのです、摩周湖は。

 表の後は裏です。表は観光地ですが、裏はどちらかと言うと穴場的です。展望台もこじんまりとしています。穴場の好きな僕は、”断然こっちだ!”と思いました。
 そこではカブ90に乗って、道内を撮影旅行中のおじさんに会いました。とにかく写真が好きで、北海道をあちこち回っているとのこと。趣味のカメラのことを語るおじさんは実に誇らしげであり、僕はうらやましく思いました。
 裏展望台を後にして、神の子池へ。ここは摩周湖の水が湧出しています。ここまでの道はまたしてもダート。苦労しましたが、それに報いるだけの池でした。森の中にひっそりと湧いている池は美しかった。
 摩周湖をぐるっと一周する形で、再び弟子屈に戻ってきました。今夜の宿は、1階が食堂になっていました。食堂で豚丼を食べました。甘辛いタレがうまかったです。帯広まで行かなくてもいいなあ、と思いました。

 その夜は屈斜路湖畔で、一人月を眺めながらビールとウメッシュを飲みました。九州で眺めた月もそしてここで眺めた月も美しい。僕は月が好きです。日本人の理想的な心のようです。控えめ、厳か、そしてもの静かです。僕もそういう人間になりたい。でも無理かな??

 同宿のライダーと話して、またしてもあっという間に眠りました。

          次へ      MENUへ     TOPに戻る