原付でツーリング、その4


 小豆島ツーリングは大変面白いものでした。これに味をしめた僕は、”それならもう少し距離を伸ばしてみよう”とまたも短絡的に考えます。

 結果的に部活動はやめてしまったので、夏になって何か面白いことはないかと考えた後、”じゃあ、原付で走るぜいっ!”と決意しました。
 そうは思ったものの、毎日毎日暑い日が続いていました。どうにもこうにもなあ、などとよく分からないつぶやきをしつつ暮らしていました。

 そうしている内に、原付を盗まれてしまいました。まあ、原因は僕のヘマから始まったことです。メットインにキーをつけたままで、原付から離れてしまったのです。
 ”虫が知らせる”という言葉がありますが、この時はまさにそうでした。原付から離れて30分ぐらい、何か違和感を感じました。慌ててズボンのポケットを探りましたが…バイクのキーが無いっ!
 すぐさま原付を停めてあった所に戻りましたが、時既に遅し。黒のディオの姿はありませんでした。
 ズドーンと落ち込みながら、交番へ。登録証はメットインにいれていたので、車台番号は分からず、バイク屋へ。ちょうど定休日だったので、次の日に再び訪れ、車台番号を書きとめて、盗難届を出しました。

 実家から白のディオを持ってきました。帰って来てすぐに、高松の友人から電話がありました。どっか原付で行かないか?という誘いでした。うーむ、グッドタイミングです。

 それで、いったん香川までフェリーで出ました(神戸〜高松)。友人と落ち合ってから、宇野国道フェリーで岡山へ。
 涼しい内に広島まで出よう、ということになり、夜中走ることになりました。宇野港から2号線に出て、西に西に走りつづけました。
 夜中にバイクで走るのは、夏なら涼しいかな?と思ったのですが、これがむしろ寒かった。あわててカッパを着こんで防寒します。バイクの走行風というのは、思った以上に体温を奪っていくのです。

 広島の尾道で夜明けを迎えました。通勤する人をちらほら見かける中で、ベンチで休憩。なんとも言えず贅沢です。この頃は、まだしまなみ海道は全線開通していませんでしたが、いつか走りたいな、と思って尾道を後にしました。
 再び、2号線の西行を開始。このあたりで気付いたのですが、2号線は突如として自動車専用道路のバイパスに変わったりします。原付(この場合は原付2種も含む)は自動車専用道路を通れないのです。他の道路をさがすのが面倒な時は、最終手段として歩道を走りました。今考えたら無謀です。
 そうこうするうちに、東広島市までやってきました。そして、突然友人のバイクがエンジンストップ…。彼の原付は古かったので、連続走行すると熱ダレ気味になり、ときおり休ませる必要があったのですが、どうやら酷暑には耐えきれなかったようです。

 また悪いことに、通行量の多い道路でのこと。しばらく進むと、バイクを停めれそうな場所に出たので、そこでバイクを休ませました。10分ほど休ませても、どうやらリカバリーする気配がありません。途方にくれながらも、エンジンがかからないかキックを続けました(バッテリーはすでに上がっています)。
 ふと思いついたことがあり、彼に尋ねました。「どのくらいプラグ換えてへんの?」『プラグ?そんなもん換える金ないわ!多分ずっと換えてないんちゃうか?』……… …、これではエンジンが止まって当たり前です。

 キックが下りるということは、幸いにしてピストンの焼きつき、クランクのガタという最悪の事態ではないようです。ということは…おそらくプラグが焼きついたのでしょう。
 ここで直すのは不可能なので、下り坂をダラダラと惰性で下りていきました。また運のいいことに、すぐ近くにバイク屋さんがありました。近くのコンビニで涼みながら、彼を待ちました。
 15分後ぐらいに、彼がやってきて、『お前の言う通りやったわ、プラグが焼きついとったらしいわ、わははは。』と笑っていました。あまりにも情けないので、どうしようもなく僕も一緒に笑うしかありませんでした。

 僕は今でもメカ音痴ですが、この頃までにプラグの老朽化による始動不良、というのは経験したことがあったので、暑い中で長距離を走る前、あとは定期的(半年から一年に一回)にプラグの交換ぐらいはしていました。
 別に新品に交換したからと言っても、焼きつく時は焼きつくのでしょうが、旅先でのエンジンストップというのは嫌ですから、定期的に交換するにこしたことはないのでしょう。(1000円もあれば、バイク屋さんで交換できます)

 今回も彼には散々プラグぐらいは交換しておけよ、と言っていたのですが、交換してなかったんですね(苦笑)。
 いささかあきれつつも、なんとか広島市まで辿り着きました。宿泊場所はオンボロビジネスホテル(でも安くない)でした。
 夜は市街地に出て、お好み焼きを食べて帰ってきました。それなりに美味しかったとは思いますが、絶品!というほどではありませんでした。きちんとした情報収集はしておくべきですね、いくら行き当たりばったりの旅でも。

 明日はまだ予定をたてていません。まあ起きてからでええやろ、とそのまま眠りました。


  

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