最近読んだ本、その1
『本の雑誌血風録』 椎名誠・著 新潮文庫
『本の雑誌』という雑誌をご存知ですか?市営図書館などの雑誌コーナーに行くと多分見つかるでしょう。
『本の雑誌』とは、まあ早い話が書評を中心とした雑誌です。この本が面白いであるとか、この本への思い入れはこうだ!、という風な感じで、各界の書評家による文章が載っています。
実を言いますと、僕はあまりこの『本の雑誌』読みません(笑)。僕の本の買い方はかなりいい加減で、定期購読している雑誌を買ったついでに”なんか面白い本ないかな?”という感じで、適当に買います。好きな作家もいますが、あえて積極的には情報を収集しようとしないという、いい加減さです。本とはあくまで巡り合いたいのだ、というロマン的主義でしょうか…。
それで、この本はその『本の雑誌』を立ち上げた時の話です。当然の事ながら編集長の椎名氏、社長の目黒孝二氏も登場しますし、何よりこれは”実録小説”です。他に『本の雑誌』をめぐる人物が色々登場します。
椎名誠氏の作品を読みつづけている人間にとっては、かなり面白く感じるのではないでしょうか?
『別人・群ようこのできるまで』 群ようこ・著 文春文庫
この本を読もうと思ったのは、『本の雑誌血風録』に出てきたからです。こういうのを”芋づる式読書法”と言います(僕が勝手に言ってるだけですが)。
それはともかく、群ようこさんが、『本の雑誌』で働いていたのは知りませんでした。といいますか、僕は今まで”群ようこ”という人自体あまり興味がありませんでした。
古本屋に立ち寄った時に、ふと1冊50円の本棚を見ると、この本がありました。いかにも本が、「買ってくれよ。」と言っているかのようでありました。それですぐに買いました。(50円だったし…。)
内容は、就職、転職して『本の雑誌』で働き、そしてモノ書きとなっていく群ようこさんの話です。
かと言って、小難しい人生論的なものではなく、実にライトタッチな文章で読みやすい。”芋づる式読書法”の効用を感じた一冊でした。
また古本屋で見かけたら、群さんの本を買おうと思います。
『不夜城』 馳星周・著 角川文庫
この本も先の”芋づる式読書法”第2弾です。目黒孝二氏の書評家としてのペンネームの一つに、”北上次郎”というのがあります。先ほどの古本屋で、50円の棚にこの本を見かけ、解説を見ると”北上次郎”だったので、うーむ買おう、となったのです(やはり50円やしな…)。
この本を読むだいぶ前に、『マフィアの棲む街 新宿歌舞伎町』という本を文庫で読んでいたので(というか『不夜城』がこの本を参考にしている)、実に読みやすかった。確か映画化もされましたな(映画は見てないが)。
馳氏の本は、この前に『漂流街』という日系ブラジル人が主人公の話を読んでいたのですが、『漂流街』といい、この『不夜城』といい、実に救いようのない話です。日本の小説というと、大抵はハッピーエンドかライトなバッドエンドなんですが。
『漂流街』に至っては、主人公がどんどん狂気に走り、最後は破滅してしまう、という話でした。『不夜城』はそこまでは行かないものの、主人公が唯一愛することができるかもしれぬ女性すらも、自らが生き残るために殺してしまう、という悲しい結末。だからこそ、歌舞伎町というところで生き残る”厳しさ”というのを表現するのが可能だったのかもしれません。
実に、新宿歌舞伎町とは恐ろしい街ですな…行ったことはないけど。
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