最近読んだ本、その4

『青年は荒野を目指す』 五木寛之・著 講談社

 これまた古本屋で仕入れました。どうも最近古本屋で本を渉猟するのにハマリ気味です(笑)。20年以上前に980円した五木寛之全集が、今や50円です。あの古本屋の価格設定にはどうも疑問を感じますな。でも一番本が多いのはあの古本屋なんだよなあ。文句は言えねえ(苦笑)。
 これは、初出が昭和42年(平凡パンチ)、全集が昭和54年です。平凡パンチの連載だったからか、思ってたよりも濡れ場が多い…。ジャズを志す青年 北淳一郎は、ロシアに渡航(実際船なんだけど)し、モスクワに飛ぶ飛行機でスチュワーデスをナンパして、男になっちゃいます(笑)。
 その後、北欧、欧州と旅を続け、ジャズで生きる決意をして、南欧からアメリカに渡るところで物語は終わります。

   連載小説だったからか、実にライトで分かりやすい。読書層を意識してのことだろうとは思いますが、若者文学、という感じがします。いささか僕が読むには、悲しいことに年を取りすぎているようです。
 それでも、2000年を過ぎた今読んでも色褪せないのはすばらしいと思います。

『二人の夏』 斎藤 純・著 廣済堂文庫

 斉藤 純氏と言えば、アウトライダー(休刊中)で連載されていたのでご存じの方も多いことでしょう。
 僕が初めて読んだ斉藤氏の著書は『暁のキックスタート』でした。どこでこの本の題名を知ったのかは忘れましたが、この本を読んで衝撃的だったのを今でも覚えています。
 その後、『ツーリング・ライフ』という本を読んでさらにその思いが強まりました。それでまあ、古本屋で斉藤氏の著書を見かけ、買っちゃったってことになります。

 この本は短編集です。テンポの良い作品たちが、飽きさせることがありません。斉藤氏のこだわりが随所に見られます。”バイクがまた私の新しい感性の扉を開いてくれた”と斉藤氏は本で語っていますが、僕にしてみれば、斉藤氏の著作に出会えたことが、”僕にとっての新しい扉”を開いてくれたように思います。今まで本に対して畏怖の念を抱いたことはありませんでしたが、本に対して敬意を払うきっかけを作ってくれた、と思います。

 またお金のあるときに、斉藤氏の本をいろいろ読みたいな、と思いました。(金がなくても買っちゃいそうで怖いですが)

『旅へ』『南へ』 野田 知佑・著 文春文庫

 カヌーイスト、エッセイスト、野田知佑氏の著作です。初めて野田氏の著作を読んだのは、『カヌー犬 ガク』が初めてでした。それから、『日本の川を旅する』を読みました。

 『旅へ』は野田氏の若い頃の話です。何をすべきかわからぬ青年は、旅に出ます。海外をさまよい、そして帰国後の日本での話。精神の彷徨が描かれています。僕がとやかく言うのもはばかられますので、知りたい方は実際にお読みください。
 『南へ』は、エッセイストとしてさまざまな土地をカヌーで旅する話。日本という国の自然に対する行政について考えさせられるきっかけになった本です。日本はどこへ行くのか?メンツと金のために自然を破壊し続けるのか?疑問はつきませんが、僕も何かやらねば・・・。

 3月に九州に行ったときに、”川辺川ダム”の工事現場を見ました。続々と走るダンプカー、近くで無邪気に遊ぶ子供たち・・・、近くに造成中の住宅群を見て、非常にやるせない思いで一杯でした。確かにダム建設で五木村は潤ったのだろう?自らの土地を手放すのに、他人が口を挟むのはおこがましい?過疎化する村を救うのはこの方法だけなんだろうか?
 それでも不合理を感じてしまいました。故郷を失った人は、どこに心の安らぎを求めるのでしょうか?近代化するというのは、自然を破壊することなんでしょうか?ダムの建設に論理的な整合性はあるのでしょうか?
 僕はまだまだ不勉強です。もっともっと本を読んで、いろいろな人に会わないといけません。他人事ではありません。僕の故郷の徳島も、吉野川の第十堰や新臨海道路建設計画で揺れています。何かできることから始めたいと思います。


MENUに戻る