最近読んだ本、その6


『がむしゃら1500キロ』 浮谷 東次郎・著  ちくま文庫 

 ちくま文庫?? そう思ったあなた。あなたは正しい!(謎)。ちくま文庫というと、あまりなじみがありません。三宮のジュンク堂に行っても、文庫コーナーの片隅に追いやられています。岩波文庫同様…。岩波文庫もちくま文庫も名著が多いのに…。

   そんなことはさておき、この本ですが”芋づる式読書法”です。『旅の鉄人 カソリの激走30年』という本に浮谷東次郎の足跡をたどる、という一編がありました。それより前に、どこかでこの本の題名を目にしたことがありました。いつかは忘れたけど。

 浮谷東次郎は、いわゆる”ええとこ”の子です。東次郎が中学生の頃、14歳になると原付免許を取れたそうですが、東次郎の乗っている愛車、ドイツのクライドラー50ccバイクは、当時の日本でかなりの贅沢品です。(ちなみに賀曽利さんが中学生で14歳になる直前に法改正されて、16歳にならないと原付免許は取れなくなったそうです。)

 ”ええとこ”の子が、15歳の時に東海道を往復して、書いた作文を自費出版したのがこの作品のもとになっています。まあ、あんまり”ええとこ”の子という表現で反発するのもなんですが、今で言うなら金持ちのぼっちゃんが、高級車で日本一周するような感じでしょうか…。

 この作品は東次郎がサーキットで事故死した後、東次郎の遺品である日記やらなんやらを出版して、その中の一編が『がむしゃら1500キロ』であります。他にも『オートバイと初恋と』『俺様の宝石さ』という作品があります。

 僕が興味があるのは、解説にもあるように、東次郎がもし紀行関係の文章をこのまま書きつづけていたら…、もしくはもっと自由な、日本の枠組にとらわれない学校を作っていたら…ということです。東次郎が生きていたら、ひょっとすると今の日本はもっと変わっていたかもしれない…、そんな可能性を感じさせる本です。

 彼のような、みずみずしい感性で、ピュアな精神を持って生きて行けたらなあ、と思います。


『恋する伊勢物語』  俵 万智・著  ちくま文庫

 俵万智さん、というと大体の人が『サラダ記念日』を思い出すでしょう。僕もそうです。確か『サラダ記念日』が出版されてベストセラーになった頃、どんなもんかと思って手に取ったことがあります。全く予備知識を持たない僕は、短歌が等間隔で並んでいるのを見て絶句…。

 おいっ!なんでこんなに字数が少ないのに、値段が高いん?
 みんなどうかしとうぜ、ほんまなあ(阿波弁)

 こう思った記憶があります(笑)。その考えを改めるに至ったのは、朝日新聞の日曜版に『あなたと読む恋の歌100首』という連載を見かけてからでした。カミングアウトしておきますが(ドキドキ)、僕は”ロマンチスト”です。はれたほれた、大いに結構!(自爆)。

 その連載を読んで、文庫で出版されている歌集(サラダ記念日もその中にあった)を読んでいきました。それと美術館めぐりの番組に出演されていましたので、それも見ました。うーむ。あんまり短歌とか俳句とか、いわゆる日本の古典文学には興味がなかったのですが、それなりに面白く思えるようになりました。どちらかと言うと、当時の僕にとっては漢詩のほうが面白く感じられていたのですが。

 よーく考えてみますと、いわゆる古典文学で俳句、短歌を詠んでいる人は同時に優れた旅人でもあったわけです。そうすると、旅情というものを考える上で、今よりは余計なものの少ない環境で旅をした人の感性というのは見習うべきものだなあ、とあらためて古典を見直すきっかけになりました。

 んで、この作品。面白いです。わかりやすいです。高校生、これを読むべきです。伊勢物語というと高校1年でまず間違いなく教科書で学びます。そのサブテキストとしてこの本があれば、きっと古典が好きなる、あるいは読書に対する抵抗というのもかなり減るんではないだろうか、と思います。

 教養として、というと堅苦しく聞こえますが、昔の人の旅、恋、そして生活に興味が持てる人ならきっと面白く読めると思います。日本人が、自分に対して自信を持てないのは、やはり古来より続く文化というものをあまりにも知らなさ過ぎるからではないんでしょうか?

 『あなたと読む恋の歌100首』は単行本で出版されています。興味のある方はぜひ読んでみてください。

『ロシアにおけるニタリノフの便座について』 椎名 誠・著 新潮文庫

 この作品は…笑いました。
 詳しいことは言いません。
 面白いです。僕的にはかなりツボにはまりました。
 


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