最近読んだ本、その7


『HRCのNXR開発奮戦記』 西巻 裕・著 グランプリ出版


 HRC(ホンダレーシングコーポレーション)とは、ホンダのレース会社。各種レースへの参戦、レースの活性化を促すための市販レーサーの販売などを手がけている会社です。詳しいことは、『ホンダ二輪戦士たちの戦い』などを読んで確かめてください。

   この本は、ホンダが1986〜1989のパリダカ4連覇した時の話を収録したもの。84年のプロジェクト始動、85年の視察、マシンの設計、試作、現地適応テスト、実際のレースと流れていきます。この時のワークスマシン(水冷45°Vツイン779.1cc)をイメージして市販されたのが、アフリカツイン(水冷52°Vツイン742cc)であるのは、ご存知の方も多いでしょう。同系統のエンジンを積んだマシンに、トランザルプ(正確にはTransAlpだから、トランスアルプか?)、バラデロなんかがありますよね。(そう言えば、トランザルプってツインプラグだったのだろうか?)

   ワークスとは別に、1989年に『オブジェ・ダカール』というプロジェクトがあったようです。プライベートライダーへ門戸を開くため、フランスホンダのバックアップのもと50台のアフリカツインを走らせるというもの。結果は、50台中18台が完走。

   ………アフリカツインが欲しくなってしまいました(笑)。単気筒もいいけど、ツインも面白そうです。ワークスマシンの耐久性は、”1万キロ”を目安に作られたそうです。これは、当時のラリーの日程上で1日はフルにメンテナンスできる”中休み”の日まで、エンジンをもたせる意図あったからです。

 ある程度パワー優先のワークスマシン(部品の素材や精度はともかく)で、これほどの耐久性を誇ったのですから、市販車の耐久性も頷けようというもの。実際にアジア〜ヨーロッパ横断や、世界一周にアフリカツインを使用した日本人ライダーもいるそうですから、その耐久性はお墨付きってところでしょうか?(ヨーロピアンやオージーのうち、日本車でラウンドする人は、トランザルプやアフリカツインを使う人が多いそうだし)

 ま、技術的、金銭的に考えると今の僕には、国産250ccオフロードがいいんでしょう…。それに、量産バイクには”アタリはずれ”があるから、一概にこのバイク!というのもどうかと思いますけど。好きなバイクに乗れってことですね。

 僕はジェベルに乗ります!(笑)。


『北の海』 井上 靖・著 新潮文庫

 
 これは最近じゃないですが。ふと思い出したので、紹介します。

 帝大柔道というのをご存知ですか? むかーし、むかし、その昔、いわゆる旧七帝大の柔道部が、毎年7月に”七帝戦”という定期戦をやっていました。その時代に行われていたルールは、今でも生き続けています。ルール解釈に若干の変更を受けつつも、ほとんどむかーしのままです。今でも行われている定期戦。

 そのルールとは…。

 試合時間は6分。副将、大将戦は8分

  15人の勝ち抜き試合。

 ポイントは技あり以上、一本でのみ試合を決する(但し、技あり×2で一本)

 寝技への引き込みあり。

   記憶に間違いがなければ、こういった感じだったと思います。ちなみに、今の柔道の国際ルールは…押さえ込み25秒で一本でしたっけ?うーん。国際ルールは効果、有効、技あり、一本ですが、これは柔道がスポーツ化した結果です。カラー柔道着の問題もありましたが、僕は見やすくていいと思っております。

 んでまあ、今の柔道では立技がメインで、寝技に引き込む(故意に寝技に持ち込む)ということができません。寝技への引き込みが、立技の発展を阻害する、というのがその理由らしいです。ですから、今の国際ルール(オリンピックや国際試合のルール)やら、講道館ルール(日本国内のルール)では、頻繁に巴投げなどを打っていると、引き込みとみなされて反則ポイントで負けてしまう、ということになります。

   それで立技というものについてですが、同じぐらいの技量のものが対戦した場合、これにはある程度”体のバネ(もしくは体重、筋力)”とか”素質(もしくはキャリア)”が要求されます。達人レベルになれば、いわゆる”崩し”でポンポン投げてしまうのですが…。これに対して、寝技は”練習”なんであります。従って、指導力と修練があれば、この帝大ルールでは経験の浅いものでも活躍できる、ってことになります。

 とにかく”引き込む”。これが帝大柔道…。立技がうまい奴(寝技はそれほどでもない)と、寝技のスペシャリストがこのルールで戦うと、寝技のスペシャリストが勝つ!ということが当然のことながら起こるわけです。普段、テレビで見なれている柔道とは、ちょっと違う世界がここに展開されているっちゅうわけです。一旦寝技にもつれこむと、試合が膠着しない限り”待て”がかかることがありません。6分ずっと寝技の攻防ということも当然あるわけです。

 んで前置きが長くなりましたが、この本はその帝大柔道と主人公(浪人中)の青春物語…。非常〜〜に男臭い物語です。とにかくひたすら寝技に打ちこむ男達…。耳が潰れようが、鼻が欠けようが…。僕も耳が腫れかけたことがありましたが、なんとかきれいなまま娑婆に戻って来れました(笑)。

 下手なハードボイルド、スポーツ物を読むよりは面白いと思います。但し、ある程度柔道に対する予備知識が必要ですが。

 ちなみに僕もこの”帝大ルール”で、試合をしたことがありますが、はっきり言ってすさまじくスタミナが必要です。根性無しにはきついです。耳痛いです。下手すれば6分間攻められっぱなしです。それでも何となく魅力を感じてしまうのは、やはり”M”だからでしょうか?(自爆)


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