12月15日の早朝、タイでお世話になっていた年上の友人が亡くなった。
一週間前に仕事で来日したときに遊んだばかりだったから、実感もなに
もないけれど、もうタイに行ってもどこに行っても彼には会えない。そう思
うとさみしくて、何も考えたくなくなる。


タイ人の別れの挨拶はいつもとても簡単で、タイと日本で遠く離れている
のに、また明日会えるかのような気軽さで「じゃあ、またね」って言う。
あのときも、またすぐ会えると思って「じゃあね」って、「またタイでね」って
別れたのに、それでもう二度と会えなくなるなんて。


うまくタイ語の話せないあたしにいつも優しい笑顔を向けてくれる、穏やか
な人だった。慣れないタイで、いつも優しくしてくれた、大事な友達だった。


悲しいとかじゃなくて、意味がわからない。だって雪を見れてはしゃいでい
たのも、あたしが浴衣を着せてあげたらすごく喜んで着たまま寝たのも、
「子供かわいいね」って言ったらすごくうれしそうに写真見せてくれたのも、
全部たった一週間前のことだ。


みんなで飲みに行ったとき、疲れてそうだったから「大丈夫?」って訊いた
ら「ゲンキ!」って日本語で答えてくれたじゃん。
「子供だってまだ三歳なのにどうするの?」って訊きたくなるけど、それは
彼自身が一番心残りで一番つらいことだろうから、あたしが言うことじゃな
い。


あのとき酔ってくれた100バーツが、形見みたいになっちゃったけど、大事
にするから。いつも優しくしてくれたこと、忘れないから。タイのあの場所に
行けば、いつでもまた会えるような気がするから、だからまたタイに行くよ。



このホームページのホストは GeoCitiesです無料ホームページをどうぞ