02年出雲 <第5日目>

Icon  日付
5月2日(木) 晴れ
ルート
 松江市(島根県)→出雲(島根県)

走行距離
  68.7Km

宿泊
 ふるさと森林公園(キャンプ場)

食事
 【朝食】コンビ二(パンなど)
 【昼食】出雲そば
 【夕食】自炊&宴


 <第5日目> 特にこれといって感慨があったわけではなく

 昨晩は遅くまで飲んでいたが、それでも朝はキッチリ6時半に起床。そこからダラダラとテントを干したりコッヘルを洗ったりして8時半ごろ最終目標の地、出雲へ向けて出発した。
 キャンプ場からは25Kmしかなかったので1時間半ほど走るとあっさりと着いてしまった。特にこれといって感慨があったわけではなく「あ、着いたなぁ」という程度であった。5日間走ってきてこの程度なのかと思われるかもしれないが、私にとってはここに来ることよりも来るまでの過程が大切なのだ。だから目的地に着くということはすなわち旅が終わることもあるのでその意味では逆にさみしくもあった。
 さて、肝心の出雲大社なのだが、敷地こそ割と広いものの建物自体はそれほど規模の大きいものではなく少々がっかりした。大社というからには奈良の東大寺くらいの規模があるのかと思い込んでいたのだ。

 1時間もあれば一通り見終わってしまい、ふと考えた「これからどうしようか・・・」 休みはあと5日ほどある。このまま帰ってしまってももったいない。そこである決意をした。
「ここから広島まで行こう!」地図をみてルートを考えてみたのだが今から出発したら土曜日までにはなんとかたどり着けそうな感じだった。もちろんまた中国山地を越えていかなければいけないので道は険しそうだったが、ここは頑張っていってみることにした。
 昼めしを食ったらすぐに出発することにした。

 ようやくたどり着いた出雲大社

 この奥が昼寝をしていた芝生
 まだ11時で、昼めしまでには少し時間があったので大社の敷地内にある芝生の広場のようなところでゴロリと横になり「昼めしまでにひと休憩・・」ということにした。
しかしそれがいけなかった。5月の陽射しはあまりにも気持ち良すぎてそのまま寝入ってしまったのだ。

 目が覚めるとすでに2時すぎ。どっぷりと3時間ほど眠ってしまったのだ。そこから近くのそば屋で出雲そばを食べた。そんなことをしているうちにもう3時・・・。
「だめだこりゃ、今日はもう走れないな。ということは土曜までに広島に着くのは無理か・・・」広島行きの計画はあっさりとあきらめてしまった。
(もとよりあまり行く気がなかったのかもしれない)  

 これがかの有名な出雲大社
 これからどうしようか・・・。とにかくその日の寝床を探すことにした。昨日野営した「ふるさと森林公園」もここから近くていいところだったのだが、せっかくだから別のキャンプ場を探すことにした。(色々なところでキャンプしてみたいのだ)
とりあえず出雲大社前駅の構内に観光案内所があるという情報を入手し、そこに行ってみることにした。
 観光案内所のおねーさんに近くにあるキャンプ場を2つほど教えてもらった。しかし、妙なことに連絡先の電話番号がない・・・。
「なんで連絡先がないんでしょう?」と私。
「さぁ・・どうしてでしょうね。」といかにも不安にさせる返事。
しかし「まぁなんとかなるだろう」と元来いいかげん主義の私は自転車でキャンプ場に直接いってみることにした。

 観光案内所でもらった地図をたよりにキャンプ場めぐりの旅にでる。
まずは出雲大社から5キロほど北の海水浴場のほとりにあるキャンプ場に行った。しかし行ってビックリ。というかア然。海水浴場とはまさに名ばかりで、小石がゴロゴロしている海辺という感じ。泳いでいる人などひとりもおらず、50過ぎくらいの漁師風のおじさん二人組みがぼんやりと海を眺めているだけ。あたりを見渡してみてもキャンプ場の施設らしいものは何もない。
 しかたなくおじさん二人組みに聞いてみることに。
「あの〜、この辺りにキャンプ場とかないですか?」
「え、キャンプ場?うーん、この辺りにテント張ってる人たまにいるよ。オートバイに乗った人とか」答えになっているような、なっていないようなよくわからない返答。ここがキャンプ場なのだろうか。
もう一度あたりを見回してそこでやっと気が付いた。てっきり粗大ゴミか何かと思っていたステンレスの流し台にペンキで「炊事場」と書いているのだ。

 
しかも書いてからかなりの年月が経っているようでペンキもところどころハゲている。一応すみのほうにトイレらしきものもあり、やはりここがキャンプ場であることを悟った。と同時になぜ連絡先がないのかも同時に理解した。事務所もなければ管理人もいない。ただ海辺に流し台とトイレがある、だたそれだけのキャンプ場なのだ。
周りには廃屋のような家があり、波うちぎわには汚いビニール袋やら空き缶が打ち上げられていた。ひどく寂れたところでどうも泊まる気にはなれなかった。
 そこを去った私はその後キャンプ場を1ヶ所訪ねて見たがそこもキャンプ場とは名ばかりのところで水すら確保できないところだった。で、結局昨日泊まった森林公園にもどることにした。
 夜は昨日と同じようにその辺にいるライダー達と一緒に酒を飲み宴会をした。




「差し入れ」
 キャンプ場を2ヶ所訪ねて、森林公園に戻る途中の道で歩道を歩くオッチャンにいきなり前を遮られた。
「ちょっと待って。」
かなり威圧的に話し掛けられたのであせった。からまれるんではないかと・・・。
「どこに行くの?」
「し、宍道湖の森林公園です。」
「どこから来たの?」
「大阪です・・」
なんなんだろう、この人・・
「オレもねぇ、昔やってたんだよ」
「へ?」
「自転車をね。よくここから九州や金沢までいったもんさ」と言って昔の話をきかせてくれた。
なるほど、そういうことだったのだ。しかしいきなり前を遮って「ちょっと待って。」といわれたら普通誰でも驚くだろう。
そこから3分ほど立ち話をして別れたのだが、別れ際に「これもってけ」とおかきをくれた。
おかきなんてたかが安いものなんだけれど、すごくうれしかった。
こんな小さなやさしさに出会うために私は旅をしているのかもしれない。
4日目へ4日目へ6日目へ6日目へ