食べ物,飲み物の話題をもうちょっと。
飛行機に乗る前。 「エコノミー症候群とか、怖いし,乾燥してるから,ペットボトル買ってこう」 ところが,飛行機の座席のポケットにはちゃんとVittel(水)が用意されていた。珍しくないことなのだろうか。
チューリッヒでの夕食は,パン屋さんで調達。確か赤の地に黄色の文字。「Pain D'or」が店の名前か。ごく普通のチーズロールサンドに、にんじんケーキ。上にピンクのアイシングとにんじんの砂糖菓子がついている。2時間眠り,元気を回復したところで,全部食べてしまった。
朝。カーテンを開けると,見慣れない町並みが見える。雪がうっすら積もっていて,辺りはまだ静かだった。
ゆっくり朝食を食べ,チェックアウトの後,チューリッヒの駅へ向かう。スーツケースがあったが,「ホテルモンタナ」からほど近いことが幸いした。
「お昼頃、Y子ちゃんに連絡とるね」 そう、今日は友人の友人,Y子さんに会いに、バーゼルへ向かうのだ。それまでに、ル・コルビュジェセンターを見つけねば・・・
ダメでもともと,駅構内の切符売り場へ行き,地図を見せて,そこへ行きたい旨を伝える。我が家のプリンターの性能上,かなり見にくい地図だったが,しばらくして、 「1番か4番の電車に乗って,Hoschgasseで降りてください」 メモを渡してくれた。やった!
喜び勇んで,ホームへ向かう。 「えーと、4番でもいいのかな。すみません、ここへ行きたいんですが」 「Hoschgasseは、電車じゃなくてトラム(市電)の駅だよ」 あちゃ〜、まちがえた。 「1か4,1か4・・・」 トラムの種類は多く,見つけるのにてこずったが,ようやく乗ることができた。二人とも,ドイツ語がほとんどダメなので, 「10分ぐらいって言ってたから、駅の名前,注意してないとね」 何とかそこで降りることができた。スーツケースを転がし,5分ほど湖に向かって歩く。 「あれだっ!」 赤,黄,緑に塗られた,こぢんまりした、しかし一目でわかる,現代建築の建物。入口に回ってみると「夏まで閉館」の文字。あらら!しかし、そこにたどり着けただけで満足していた私は,写真をとりまくり,やや呆れ顔の友人。
周りは住宅地。「すごいなあ、すごいなあ」 きょろきょろしながら、市電の駅へ戻る。
「ねえねえ、お金ってどこで払うのかなあ」 「そういえば,誰もいないねー」 「無料サービスなのかなあ」 んなわけないって!後でわかったことだが,無賃乗車は見つかったら60sfrの罰金。良い子の皆さんは,まねをしないでください・・・
チューリッヒ駅で,いよいよY子さんに電話。と、友人の様子がおかしい。 「もろきゅ〜!!なんか、知らないおばさんが出ちゃった〜。怒ってるよ,怖いよ〜」 「?? 何番押したの?あれ、この番号じゃない?」 今度はちゃんとY子さんにつながった。バーゼルの駅まで迎えにきてくれるという。これで安心。半額チケットも買った。さあ,出発だ。
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2日目 バーゼル,のつづき
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電車が来た。日本のそれよりも,車体がだいぶ高い。(のかな?)座ってしばらくしたのち,そこが喫煙車両であることに気付く。嫌煙者の私は一目散に禁煙車両へ。窓の外を眺めると,塀や,建物の壁に,近年,日本でも増えている,スプレーか何かを使った落書きが多いことに気付く。もっとも、日本のそれよりスケールが大きく,凝ったものであったが。思い描いていたスイスとは、およそ違う世界。アートか落書きか,考え方は人それぞれだが,私自身はあまり美しいとは思えなかった。
1時間ほどで,バーゼルに到着。どんどん歩く友人のあとを追いかけていくと, 「あっ!!」 現地でクラリネットを学ぶY子さんと、弟さんのRさんだ。 「久しぶりだねー,2年ぶりくらいじゃない?」 さすがにうれしそうな友人。まず,今晩泊まるユースに行って,スーツケースを置き,それからバーゼル観光,Y子さん宅でお茶しよう,ということになった。 「で、ユースの場所はどこなの?・・・ああ、St.Alban.Strasseまで行けばいいのね。じゃ、このトラムに乗って」 Rさんがほとんど一人で、私と友人のスーツケースを持ってくれたので,すっかり安心。トラムを降り, 「えーっと、こっちで合ってるはずなんだけど・・・」 なかなか見つけられずにいると, 「どこへ行きたいの?もしかして、ユース?」 親切な女性が,声をかけてくれた。きっと、この辺りに住んでいて,こういう場面に出くわすことが多いのだろう。ユースは,坂の中腹に建っていた。「Reception」とある入口を入ると,宿泊客が列をなしていた。そのあとに続いて,並ぶ。向こうの椅子で,へんてこりんな帽子(トランプのジョーカーがかぶっていそうな、ひとでのような)をかぶった若者がいる。なんじゃあれは?
せっかくだから、4人で,ここで一緒に夕食も食べようということになった。そのうち、さっきの帽子の若者が,並ぶ人々に,宿泊カードを配り始めた。なーんだ、ユースのスタッフだったのか。天井の方をみると,これまた奇妙な張り子風のお面が。そうか、あさって5日はバーゼルのファスナハトなんだ!
受付のカウンター。Y子さんが、流暢なドイツ語でやりとりしてくれた。お食事券を4人分もらい,3階の部屋へ。緑のドアに、赤いドアノブがかわいい。青いチェックのベッドカバーがさわやかで,学校の寮のような雰囲気。
荷物を置き,まずはバーゼルの大聖堂へ。

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バーゼル→グリュイエール
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建物の中は少々薄暗いが,回廊のようなところに出ると,中庭があり,明るい。窓や柱のアーチの美しさに、思わず見とれる。屋根瓦のモザイク模様に見覚えがあった。そうか、本で見て,やけに印象に残った写真のあれだ。教会(のような空間)には、椅子がたくさん並び,ずっと奥にステンドグラス。ひとつひとつの椅子から,フワ−ッとした人の温もりのようなものが感じられた。イギリスで見た、ソールズベリー大聖堂の記憶が甦る。しかし,いつまでも見とれているわけにはいかない。気がつくと、私以外の3人は、先へと進んでいる。
外壁がまた面白い。思わぬところに人の顔,羊の顔がくっついていて,私たちを楽しませた。チューリッヒほどごみごみしておらず(あたりまえか),歩きやすい。活気のある商店街といった感じだ。店の看板装飾が,何ともかわいらしい。
「EPA」サバ缶に書いてあるような名前のデパートへ入る。 「日本でいうヨーカド−みたいなとこだよ」 食品売り場の野菜が,目に鮮やか。友人はスイスに来て,ヨーグルトがお気に入りらしく、いそいそとかごに入れていた。私はパン売り場へ。明日の昼食にぴったりのパンはないかな。シナモンロールのような渦巻きのパンが気になる。 「これなんですか」 「○△×□シュネッケン」(記憶違いの可能性あり)おばちゃんが答える。 「いくらですか」と聞いてみたが,英語ではわかってもらえないらしい。うーん、どうしよう・・・と、隣にいたおじさんが、おばちゃんに「○△□×」 おばちゃんは、ああ,そういう意味ね,という顔をする。 「1.30フランだよ」 おじさん、ドイツ語に訳してくれたのだ。感謝!!
「BACHMAN」というケーキ屋さん。ウインドーから見えるかわいいお菓子たち。マーマレ−ド?をチョコではさんだもの、あんドーナツ風のもの・・・みんなキラキラ輝いて見える。みんなで食べようと,買ったのは,リング型のパウンドケーキ(名前を忘れてしまった・・・)。 「じゃ,いこっか」 Y子さんの家は,水色の屋根のアパート。戸数が多いのに,今は3戸しか人が住んでいないという。もったいないなあ。ドアを開けると,木の螺旋階段がいい雰囲気。2Kで、家賃は日本円で7万くらいだそうだ。淡いグリーンのキッチンが素敵。私は紅茶(なぜか私のカップはスープカップ並みのでかさ),あとの3人はコーヒー派。お土産にと、「Milka」の牛柄のチョコレートも頂いてしまう。
Y子さんが,パソコンでSBB(国鉄)の時刻表検索をしてくれる。そう、明日はグリュイエール行きなのだ。私は英語版で調べたので,ドイツ語版のそれには,ところどころ???まあ、何とかなるだろう。
夕ご飯を食べに,再び4人でユースへ。辺りはさすがに暗く,寒い。インディカ米のチキンカレー。チキンとカレーを食べたのは,スイスではこれが最初で最後。Y子さんはこれからチューリッヒへ行くという。彼女,そして弟さんのRさんには本当にお世話になった。またどこかで会いたいものだ。
夜。洗濯物がたまったので,コインランドリーを使わせてもらう。しかしどうやって動かすんだ??2回くらい受付のお姉さんを呼ぶはめに。洗濯が終わり,さー乾燥だ,と衣類を取り出したら,日本から持っていった洗剤の小袋が,くしゃくしゃになって出てきた。ありゃー。(注:洗剤は,お姉さんからもらったものを、しかるべきところに入れました)
朝,片手にシーツ,片手にスーツケースをごとんごとんいわせながら階段を下りる。友人と違い,腕力がないので一苦労。先にライゼゲペックであさっての目的地,ツェルマットへ送るため,駅に向かうのである。市電に乗るときも,今度はちゃんとユース発行の利用券があるので安心。
Baggageの受付で, 「保険かけますか?」 と聞かれたのに,私は「領収証いりますか?」と勘違いして,「はい」と答えてしまう。でも友人は「保険かけとこうよ」というので、+5sfr。グリュイエールに泊まる1泊分の荷物は手持ちなので,あまり身軽とはいえないが、さっきよりずっと楽だ。今日は第1日曜。市立美術館の入館料が無料になる!再び市電へ。 「どこで降りるか,外見てなきゃね」 相変わらずドイツ語のできない2人。
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シカ。
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えーと、ドイツ語のできない2人、でしたね。
(バーゼルの市立美術館の前で)危うく、市電を降り損ねそうになる。 「こっ、ここじゃないの!?」 ――午前中であったが,まあまあの人出。でも、上野の美術館の混雑とは違い,快適に回れる。私の好きなモンドリアン,ジャコメッティの作品があって驚く。うわあ,すごい品揃え。友人は,パウル・クレーの素朴な絵が気に入ったようである。
バーゼル駅構内のミグロで,芽キャベツのバターいためと,わさび?のチーズ巻きフライを買い,電車に乗る。次の目的地はグリュイエールだ。が、友人は体調がすぐれないらしく,口数すくな。私は心配しながらも,時計,時刻表とにらめっこ。
電車が動き,乗客が入れ替わるうち,次第にフランス語を話す人が増えてくる。相席になった人も,フランス語の雑誌を読んでいる。めがねのフレームが、赤を基調としたまだら模様というのか・・・,日本の同世代の女性に比べ(失礼!),おしゃれな感じだ。
景色から,だんだん家が少なくなり,視界が開け,緑の草原が見られるようになる。たまに牛か馬を見付けては,歓声を上げる2人。きっと周囲は,私たちを10歳ぐらいの子供と思っているだろう。 「あっ、鹿だ!」 友人のみたものは本当に鹿だったのか。 「えっ、どこどこ!?」 反対側に座っていた、品のよさそうなご婦人が, 「数が少ないから,ラッキーだったわね。普段は森の中にいて,あまり見られないのよ」 フランス語訛りの英語で,一生懸命話してくれた。電車を降りるときも,何度も 「さようなら。楽しい旅を」 と言ってくれた。優しいご婦人だった。
グリュイエールヘ
おうちへ。
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