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Cちゃんとクラブに行った。
いつものように、席を確保し、お酒を飲みながら話していると、
すぐ近くで、おばあちゃんがものすごいハッスルダンスを披露しているのに気がついた。
こっちのクラブは、若い子たちだけじゃなく、年配の人も遊びに来る。
腰の動きといい、表情といい、まさにダンスクィーンだ。
そこへおじいさんが通りがかった。
おばあさんは、パートナーを発見し、さらにヒートアップ。
その2人の周りには、輪が出来てみんなお腹を抱えて笑っていた。
もちろん、私とCちゃんも、涙を流し笑っていた。
しばらくして、そのおじいさんが、相席してもいいかとやってきた。
話してみると、おじいさんはイギリス人で、亡くなった奥さんは日本人だったと言う。
そして、久しぶりに見た日本人の私に、やたらと誘いをかける。(笑)
「明日の朝、君にモーニングコールをしたいから電話番号を教えて欲しい。」とか。
自分の家じゃないから勝手には教えられないと言っても、きかない。
世間話や日本の話題なら、構わないと思ったけど、
このじーさんと恋に落ちるつもりはない私は、どうしたものかと思っていた。
そんな時、Cちゃんが近くにいた男女のグループに話をしに行った。
私が困っているから助けて欲しいと言ったらしい。
相手はじーさんとは言え、男なので、何かあったら大変だと思ったみたいだ。
すると、その中の1人が、そのじーさんに何かを告げた。
そのとたん、じーさんは一目散に帰って行った。(笑)
彼は、ニュージーランドから仕事で来ていたAさん。
「嫌な時は嫌だ、あっちに行けとちゃんと言わなきゃダメ。」とお説教をされた。
その後、そのグループと私たちはお酒を飲みながら色々と話をした。
ふとCちゃんを見ると、目がハートマークになっている。
帰り際、ちゃっかりAさんの電話番号を聞いていたのである。
私は、ありがとうと、彼と握手をした時、なんだかビリビリっときたような・・・。
翌週、またCちゃんと、同じクラブに行くことになった。
Cちゃんは、知らぬ間にAさんに電話をし、またクラブで会おうと誘っていた。
行くと、Aさんたちがいた。
私に気付いてないみたいだし、私も気付かないフリをしていた。
すると、Aさんが席にやってきたのだ。
「なんで無視するんだい?」と。
アレ?いるのバレてました???
「いや〜、あの〜、Cちゃんがあの〜」と困っていると、
「僕は、Cちゃんじゃなく、君がいいんだけど。二人きりでデートしてくれませんか?」と
言われた。
これは困った。でも、その時、私にとってはAさんよりCちゃんの方が大切だった。
だから、答えは保留だ。ちょっと考えてみるとだけ答えておいた。
Cちゃんに、Aさんのことを相談した。
すると、Cちゃんは、「全然いいよ〜。もう別のターゲットがいるの〜。」とのお返事。
ガ〜ン!悩んだあたしがおバカだった・・・。
そして、Cちゃんは、その新たなターゲットのおうちについて行ってくれと言う。
告白をするらしい。
Cちゃんの行動力に驚きながらも、ついて行くことにした。
Cちゃんは、ピンポ〜ンとチャイムを鳴らす。
出てきましたターゲット。
私は、車の中から様子をうかがう。
戻ってきたCちゃんは、かなりヘコんでいた。
「今日は飲みに行くわよ〜」と言うので、親友としてはとことん付き合おうと決めていた。
飲み屋でのCちゃんは、ものすごい荒れ様で、「ここから飛び降りてやる〜!」と叫ぶ叫ぶ。
そして、泣く泣く、飲む飲む。それはそれは激しかった。
それからしばらく経ったある日、Cちゃんから電話があった。
「ステキな人、見つけたの〜。」と。
さすが、Cちゃん、イタリアンだわ。ラテンだわ。ステキ〜!!!
CちゃんがAさんに電話をしてくれた。
そして、デートOKの返事をしたのだ。
でも、いきなり2人で会うのは、正直言って怖かった。
Cちゃんが一緒に行ってくれると言うので、待ち合わせの場所に2人で向かった。
Aさんは、とてもステキなお店に連れて行ってくれた。
色々と話をするうちに、怪しい人じゃないとわかったので、一安心。
そのお店を出る時、Aさんが「もう1軒行こうよ。」と誘ってくれた。
Cちゃんは帰ると言う。「それなら私も。」って言うと、Cちゃんに背中を押された。
「彼なら大丈夫だから、行っておいで。」と。
そしてめでたく、初デートをすることができた。
Cちゃん、あなたはキューピットです。
翌日、彼から電話があった。今日、また会おうと。
家まで迎えに来てくれた彼は夜のビーチに連れて行ってくれた。
高いヒールのサンダルを履いていた私は、脱ごうかどうしようか悩んでいた。
すると、彼は急にかがみ、乗っかれと言う。そう、おんぶ。(笑)
ビーチのベンチにつくと、今度は上着をかけてくれた。
もちろん、帰りもまたおんぶ。
しかし、夜の海岸がデートスポットだというのは、万国共通なんですね。
彼は毎日毎日、少しの時間を見つけては会いに来てくれる。
ランチを抜いて来てくれたり、時には15分だけということもある。
そんなある日、家で喋っている時のこと。
彼は、私の年齢を聞いたことがない。
そこで聞いてみた。
私「ねぇ、あたし、いくつか知ってる?」
彼「19歳くらい?」
私「・・・・・・」
聞けば、彼が2つ年上なだけだった。
そして、彼が私の誕生日を聞いたのだ。
私「10月22日だよ。」
彼「・・・・・・・」何も言わず、目が点になっている。
私「どうした?」
彼「僕もなんだ。」
私「ええ〜!!!!!」
そう、誕生日が同じだったんですねぇ。もうビックリ。
これって、運命なんでしょうか・・・。
ドバイのバーは、たいていレディース・デーを設定している。
特定の曜日だけ、女性は無料になる。
女性がたくさん来ると、それにつられて男性客が増えるので、お店はソンをしないのだ。
ある日、私とCちゃん、彼と彼の友人Bさんの4人で出かけた。
もちろん、私とCちゃんの飲み物はタダ。彼とBさんは自分の飲み物を買った。
「これって、私やCちゃんがカウンターで飲み物オーダーしたら、ずっとタダじゃないの?」と
悪いことを思いついてしまった。
セルフサービスなので見つかることはないと思っていたが、見つかったのよね、これが。
やはり、アジア人の女の子は目立っていたようです。
えらい早口でまくしたてられる私。
そして、「英語わかりませ〜ん。」とすっとぼける私。
ますますキレる店員。(笑)
「君は、さっきカウンターで、英語でオーダーしていただろ〜!!!」
「パードン?」と更に芝居に拍車がかかる私。
うつむき、笑いをこらえるCちゃんとBさん。
そこで立ち上がったのが彼。
店員以上の早口で何か言っている。
わけのわからない言い分だったろうに、店員はすごすごと引き下がった。
ゴメンね、お店の人・・・。
いつもの4人で砂漠へ出かけることにした。
車1台でも行けるけど、絶対に2台以上で出かけないといけないらしい。
砂にはまった時に抜け出せなくなるからだ。
というわけで、CちゃんとBさん、私と彼に別れて、砂漠に向かった。
目的の砂漠は、以前BBQをしたところとは違う。
今回の砂漠は、急な坂が続く。ものすごい傾斜の坂を一気に下るのが目的。
これがものすごい迫力だ。そんじょそこらのジェットコースターとは比べ物にならない。
ヘタをすると、車が前転してしまうからだ。
しっかりとシートベルトをしめるように言われ、前には何もない!
と思ったら、ガガ〜と下るのだ。
もう絶叫しまくり!
隣で彼は、いたずら坊主のように喜んでいる。
もちろん、もう1台の方では、Cちゃんが絶叫している。
乗っている方も怖いけど、見ている方も怖い。
ランチは私がおにぎりを用意していた。
食べてくれるか不安だったけど、全員、おいしいと言ってくれた。
海苔を見て、なぜ黒い紙を巻くのか?と質問されたけど。(笑)
彼の仕事にくっついてアブダビに行くことになった。
車で数時間の旅。
砂漠の間の一本道を延々走っていく。
だんだん、進んでいるのかどうかもわからなくなるほどの、代わりばえのしない景色。
やっとついたアブダビは、ドバイとはかなり違う雰囲気。
まず、ガラ〜ンとしていて、活気がない。お店も少ない。
でも、そんな街にもステキなお店はあるもので、ランチに入ったイタリアレストランは
お洒落で、味もサイコーでした。
昼間っから、ワイン1本を空けた私たちは、とってもいい気分。
アブダビの街も悪くないじゃないの〜?と思い始めていた。
恐るべし、恋とワインのパワー。(笑)
彼は、私にお金を出させない。
いくら渡そうとしても、受け取らない。
彼はビンボーではないが、たまに銀行に行き忘れる時がある。
そんな時の彼の行動。
バーに行くと、所持金を全部テーブルの上に置く。
そして、「今日はこれだけしかないから、この中で楽しもう。」と言うのだ。
飾りっ気のない、ステキな行動と思いません?
デートの時、「何食べたい?」といつも聞かれる。
「何でもいいよぉ。」と言うと、怒られる。
「君には意見はないのかい?」と。
そんなこと言われても、いつもいつも食べたいものがあるわけじゃない。
それ以来、「何でもいいよぉ。中華以外なら。」という風に答えるようにしてみた。
そのくせ、「じゃあ、メキシカンにする?」と言われると、それも嫌だったりする。
文句を言うのは簡単。食べたいものを探すのは難しいのだ。
彼の友達のDさんのおうちに行くことになった。
Dさんは、とってもお料理上手。
白いペルシャ猫と2人ぐらしをしている。
ワインとDさんの手料理を楽しんでいると、彼が席をはずした。
その時Dさんがこっそり教えてくれたのだ。
「実は昨日も、彼がうちに来てたんだよ。でさ、君のことをうれしそうに話すんだよ。
僕は女神様を見つけたんだって喜んでたよ。」と。
これは、本人から聞くよりも、Dさんから聞けて余計にうれしかった。
戻ってきた彼に、「ねぇねぇ、あたしって女神様みたい?」と聞くと、
一気に赤面。
Dさんの作り話じゃないってわかって、更にうれしかったのであります。(笑)
またいつもの4人で出かけた。
ここも人気のバーだ。
それだけに、血気盛んな若者もたくさん来ている。
彼とBさんが飲み物を買いに行ってくれている間、Cちゃんと喋っていた。
すると、やんちゃそうな男の子たちが話し掛けてきた。
「あたしたち、連れがいるから。」と断ると、「いいじゃん、いいじゃん。」と引っ張られる。
そこへ、戻ってきました彼とBさん。
飲み物を置くなり、私とその子たちの間に立ちふさがり、言い合いになっている。
おでことおでこがくっつきそうな至近距離だ。
ケンカにでもなってケガされたら大変と思った私は、彼の腕を引っ張った。
すると、「あっち行ってろ!」と怒鳴られた。
ひ〜!!!こえ〜!!!
こんな彼は初めて見た。
結果は、ケンカにはならずに、その子たちは去って行った。
後から言われた。「あんな時は危ないから離れてなくちゃダメだ。もしもの時は、
Bがセキュリティーを呼びに行くってわかってるんだから。」と。
なるほどねぇ。
しかし、格好良かったよ。守られてるってカンジがした。
帰国の日が近づいてきたある日、クリークへ出かけた。
クリークと呼ばれているのは、大きな運河だ。
対岸に渡るのは、アブラと呼ばれる船のタクシー。
通常は20人くらい乗れば出発するけど、貸切も出来る。
貸し切れば、好きなところへ行ってくれる。
私たちは、貸しきって残り少ないデートを楽しんだ。
その後、クリーク沿いのオープンエアのレストランで、言われた。
「見送りに行けないんだ。アブダビに出張だから。でも電話はするからね」と。
ガ〜ン!よりによって、その日まで仕事なの〜?
でも、しょうがないね。仕事で来てるんだし。
当日、彼から電話があった。
仕事を切り上げて、こっちに向かっているという。
ムリして事故らないことを祈っていた。
彼が来た。
叔父も叔母も、気を利かせて別の部屋に行ってくれた。
こういう時って、もう何を話していいのかわからない。
たくさん話したいことはあるのに、私も彼もうまく話せないまま時間は過ぎて行った。
「今日が最後じゃないから。また会えるから。」
結局、お互いに、この言葉しか言えなかった。
彼はこの後、また仕事に戻ると言う。
ここでお別れだ。
門の外まで見送りに出る。
彼は、力いっぱい私を抱きしめた後、車で走り去った。
が!!!
ものすごいブレーキの音の後、Uターンしてきた。
下りてきた彼は、さっきよりも、もっと強い力で抱きしめ、「I love you」を連呼していた。
もう、言葉なんて出てきません。出てくるのは、大量の涙のみ。
「日本に着いたら電話するんだよ。」と言って、本当に行っちゃった。
ボーっとその場に立ってた。ホントにボケーっと。
こうして、涙涙の帰国となりました。
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