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台北旅行紀

 

中華民国というよりも台湾というほうが馴染みやすいように思う。

 

今回は、「故宮博物院」がメインの私たち。

旅行前の私の知識といえば、

蒋介石が中国大陸から宝物を台湾へ持ち渡ったということ。
お陰で北京にあるものよりも充実しているということ。
また最近の台湾は、コンピュータ産業が発展してきているということだった。

もちろん、戦前まで日本がの統治していたこともあって、
日本語を話せる方も多い。

旅行前に司馬遼太郎さんの
「台湾紀行」や映画「宗家の三姉妹」からにわか知識を詰め込んだ。


 故宮博物院を訪れたのは二日目。

博物院行きのバスに乗ったのはよかったが、
私たちは周りの方たちに「ここだよ。」教えてもらって、慌てて降りる始末。
展示品を見た感想は、「本物」を見せていただいたなということ。

もちろん全て本物であるのだが。
 

始まりは三〜四千年前の生活用品。
それら全てに存在感があった。

息子が父に送った水瓶には、内側に父に宛てた言葉が甲骨文字で残されていた。

彼らの生活が想像できた。

それから、陶器、磁器、翡翠の彫刻、木彫、書、画等の始まりから
技の集大成までをじっくり味わうことが出来た。

技が何百年、何千年と受け継がれている。

こんなことを家人に話すと「芸術といったものは、
感性に頼ることが多いから一代で終わることもあるだろうに
引き継がれるということはすごいことだよね」と言われて、
確かにと、感心してしまった。


清代後期の展示品には、結婚する娘に持たせる道具箱があった。
それは、陶器や磁器の器や翡翠の簪白檀の櫛などが
漆器の飾箱に何段にも重ねられて可愛らしく収められていた。


一つ一つが完成された作品であったことに言葉もなかった。

ただ、美しかった。職人の心意気が見事なまでに表現されていた。


 これらの技が日本へも伝わったことは、言うまでもないだろう。

もちろん、日本で大成された技も少なくないだろうけれど。


蒋介石のお陰で、こんなに短時間に技の集約を見ることが出来た。
 


台北での三泊四日は、大学時代の友だちと暢気なものだったが、
空港での待ち時間に彼女が言った言葉が、また忘れられないものとなった。


「人間の肌の色なんて

遺伝子レベルで考えると人間の個性に比べたら、

どれほどの差もないんだって。」

そりゃあそうだわねと納得した次第。

技と伝統を受け継ぐことが出来る人間に乾杯かな。