<前編>

 

 
旅行前

 ・2月上旬、急にふってわいた海外旅行の話・・・しかも出発は2月下旬に決定。え?時間ないよーー。と、かなり慌しい始まりだった。 そこからガイド本を買い、行きたいところを大まかに決め、行き方過ごし方をネット等で徹底的に調べるという、調査漬けの日々が始まった。 かなりつらかった。楽しみのための調査のはずだけど・・初めての私には加減が良く分からず。
 ・そんな中取得したパスポートの日付がなんとV.D.になっていた。何故? これから10年この日付を見て過ごすの!?

 ・同行者は辻というとても健全な人間。中学校の同級生で1年だけ同じ部活(私が顧問に啖呵をきって辞めたから・・・若かった)。高校は辻は地元の共学へ、 私はちょっと離れた女子校へ行ったため、ほとんど会うこともなくなった。そして大学では辻は大阪に飛び、たまに手紙とメールを交わす程度の間柄であった。 一番最近見たのはなんと成人式。何故急に辻が私を旅行に誘ったのかというと・・単に他の人がだめだったからなんだろうなあ(笑)。
 そんな辻はあのテロのさなか、アメリカに語学留学に行っていた強者。長いことノバにも通っているらしいし、海外旅行も何度も行っているのでまあ頼もしい。 そんな辻に語学力を期待されてしまったので、焦ってフランス語の復習などをする。英語はまあなんとかなると諦めた。
 実質7年は離れていた2人の間のカベは大きい。まず旅行方針(目的)が違った。辻が「買い物・観光名所・街系」なのに対し、私は「自然(水や緑)・遺跡系」 希望だったのだ。しかし限られた時間。自分の趣味に合わないものに付き合うよりも、合理的な別行動という道を選んだ。私が初海外なので辻はそれを切り 出せなかったっぽいが、私が「自由時間を持とうか」と提案するととても喜んだ。結局は自由時間どころか・・・。

 

 
2/27<最悪の到着>


 まず私は成田行きのリムジンバスで早速酔った。薬を飲もうとするが水がない。仕方がないので水なしでチャレンジ。薬(カプセル)が喉元でつぶれる感触。 うげ。この乗り物の弱さがのちのち大変なことになる。
  空港には無事到着。初海外(&初飛行機)ではあったが初空港ではないことに気づく。そして出国。手続きに逐一ドキドキとしていた。 初海外の悲しいところが「無事出国できるか」という懸念。そして私は半ば予測していた通り、セキュリティーチェックにひっかかった。 何も金属を身につけてなかったというのに(2回目は無事通過)。
 私の隣にいた親切なおばさんが席を替わってくれ、辻と隣になった。辻は大学生活や海外について、ずっとしゃべり通しだった。中学校の頃は もっと大人しい奴だと思ったが・・大人になったのか、大阪という土地柄なのか。飛行機はウイーン乗り継ぎだった。初海外はオーストリアかあ。。
 着陸時にかなり揺れ、酔う。ここで吐くまい、とやせ我慢してしまったのがいけなかった・・・。ホテル行きのタクシーの中で限界が来て、 派手に吐いてしまったのである。辻のコートにも私のコートにもタクシーにも被害が。悲惨な旅の幕開け。辻は寛大だったが・・大いに反省。 この旅では酒は飲むまい、と誓った瞬間だった。なんせ乗り物に乗らない日はないだろうし。酒で吐くことはめったにないけど、三半規管はやや弱い私。 不安だ。そういや旅行関係の職種も第一にこの乗り物酔いが原因で即諦めたんだった・・。
 ホテルはなんとダブルベッドのようだった。疲れててそんなことにかまってられなかったけど。眠りの浅い私と辻。疲労のうちに初日は終わっていくのだった。
 

 

      

↑エッフェル塔           ↑ルーヴル美術館

 

 

2/28 <1人でパリ観光>

 5時くらいに起きだす。ホテルの朝食をとって、メトロに乗って、一路ルーブル美術館に向かう。着いたとたんに辻とは別行動。適当に3翼回って一通り驚いたあと、 ポンピドゥー・センター(国立近代美術館がある)に向かう。初海外なのに1人でハ゜リ地下鉄&街歩き。少々どきどき。何せ「外国ではスリ&引ったくりが いつも日本人を狙っている」というイメージがあったから。(というか、出発前にそんな体験談を山ほど読んだから。)
 センターはやっていないようなので諦める。コンシェルジュリも工事中で入れず。サントシャペル聖堂のあたりでは変な建物に入ってしまう。 (あとから、最高裁判所だったことが判明)。ノートルダム大聖堂はまさに教会という感じ。英語で話しかけてくる人がいたが、 怪しそうなのでかかわらないでおいた。
 その後、オルセー美術館に行く。ルーブルに比べると分かりやすいつくり。絵画群と足下にあるミニチュアハウス?に感動。
 エッフェル塔を見学。さすがに人が多かった。でも東京でいう東京タワーみたいなものじゃないのかなあ。よく分からないけど。 地元の人はこの塔をどう思っているのだか、少々気になる。セーヌ川沿いに散歩。その後凱旋門に行く。階段を登って屋上へ。壮観だった。
 その後、芸術慣れした私はルーブルを再度見たいという欲求が出てきて、ルーブルに戻りじーっくり見学。集中力を高め、かなりしっかりと見た。 ここは芸術が溢れている。とても感動する。しかしかなり広いのでぐるぐる回ると足が大変なことになる・・。それにしても今日はたくさん歩いた。 でもまあ、毎日通学に往復4時間弱もかけていた私には、わりと平気。
 辻は寝るのが早い。やはり健全なやつだ。酒は別に飲まないことはないらしいが、タバコとギャンブルはやらないし、食事と睡眠もきっちりと取る。 ふりかえってみると超不規則生活に慣れきっている私。サバイバル下で強いのはどちらなのか。いや、この旅行は別にサバイバルではないけどね・・。
 

 

 

↑モン・サン・ミッシェル

 

 
3/1<モン・サン・ミッシェル観光>

  朝4時くらいに起き、早速メトロに乗る。今日はモンサンミッシェル。 ここは私の希望観光箇所であったが、辻も同行してくれることになった。私はただ単にガイド本の紹介写真で美しい外観が気に入った (海の中の僧院ってとこもポイント)から行ってみたかったのだが、後から噂でラピュタのモデルと聞いた。おお、ラピュタ!! 天空の城。 といってもその城の映像はもう忘れてしまった・・。
  初TGV。ユーロパスのバリデーションを済ませるが、ここで私はあるミスをおかしてしまう。が、気づくのは翌日である。 バスはユーロパスでタダだった。ラッキー。バス内は日本人ばかりだった。景色は最高だった。前方に僧院が見えてきたときはさすがに感動。
 着いたモンサンミッシェルは極寒。辻が名物であるオムレツを食べたいと強固に主張するので、結局寒い中12時まで僧院に登らずに外で待つことに。 その間のんきに土産を物色する辻にちょっとイライラ(空腹と寒さのせいで)。やっとの昼食はオムレツとコーヒーを注文。味はまあまあ良いがポテトの量が多かった。 辻が飲んでいたアプリコットのジュースが美味。
 そしてモンサンミッシェルの中に入る。中はとても広い。牢屋として使われていたこともあるだけに雰囲気がある。そして教会からの眺めも最高!!  広大な自然(海でも緑でも)を眺めるのが大好きな私は、とても満足。
 時間が余ってしまったのでその辺に座ってぼーっとしたりする。なんと雀がすぐ近くに寄ってきてメロメロになる私。その後旅行中、見る動物 すべてに「かわいい!」を連発し笑顔全開(人間に対してはめったにないらしい)の私に、たぶん辻は呆れていただろう。その後、土産屋が並ぶ中ほどに ある教会でボーっとする。何も考えずこういう静かな場にただ座っていると、とても心が洗われるようだった。
 その後帰りのバスに乗る。座席が一番前で仕切りがなく、えらく見晴らしが良い。辻が「確か一番前の座席って事故っても保険おりないって聞いたような・・。」と 恐ろしいことを言う。しかしなんといっても恐ろしかったのはその運転だった。乗客がお金を出すのに戸惑ったり小銭がなかったり、交通整理をやっていたりと あらゆる障害があって時間がどんどん遅れ、運転手が焦っているのが良く分かった。
 確かにこういう定期的観光バスは「時間通り」というのがとても大切だと思う・・次の電車の時間もあるし。なので乗客並みに焦っていた運転手。 すごい坂&カーブの道を、ガンガン飛ばして運転。その様子が克明に分かる私はオソロシサと気持ち悪さでさすがに眠ることが出来ず、少々気分が悪くなった。 隣で辻はのんきに寝ていた。
 

 

 

↑サクレクール聖堂

 

 
3/2 <降りしきる3月の雪>

 今日は1人でルクセンブルクに行く予定だった。ああ、ルクセンブルク。いつもオランダ・ベルギーのおまけにされがちな国。でも人によっては 「一番美しい・良い国」と言わしめる国でもある。マイナで美しいとはなんと私好みなところだろうか。メジャ好きな辻は興味がなさそうだったので1人旅を決意。
 駅の窓口で「この電車に乗りたいんですけど予約って必要ですか?」と英語で尋ねる。しかしそれ以前にユーロパスの使い方を間違えていたことが判明。 未来の日にちをも書きこんでしまっていたのだ。なんてこったい。でも昨日のTGVの車掌さんはOKって言ってくれたし、書いてしまったものは仕方ないし・・・ と混乱気味の私。そうした話し合いをしているうちに時間が押し迫ってきた。疲労したのでルクセンブルクは諦めることにする。いつか行ってやるー。
 そして、ピカソ美術館へ。9時半からという私の記憶は確かだったが、一日のカルトミュゼはここには売っていなかった。残念。
 その後、サクレクール聖堂に向かう。寒いと思ったらなんと雪が降り始める。そういえば高校の頃「3月の雪」って歌が好きだったなあ・・・とか感傷 にひたっている間にも雪は私に向かってくる。ていうか吹雪? 私は傘をスーツケースに置いてきていた。買うのもしゃくなので、降りしきる水分たっぷりの 雪を全身に浴びて、しばしうろつくはめになる。サクレクール聖堂はなかなか立派な教会だった。でもなんだか・・あまり趣味がいいとは思えない立派さだったような ・・好みの問題だけど。母に初国際電話をする。
 ホテルの駅に戻り、ホテル近くの大きな建物に入ってボーっとする。その後近所散策&スーパーめぐりをする。店を比較して底値を見つけ、 食料品を買うなどという主婦らしいことを異国でやってのける。日本じゃあまりやらないけど。ここで暮らしていけるかも・・と考えはじめた。 結局旅の最中全然日本食が恋しくならなかったし・・極端な話、全食サンドイッチでもいけそう・・パン美味しいし。自分は基本的に御飯党だと考えていただけに、 意外だった。