<中編>

 

 
3/3 <ベルサイユ宮殿その他>

 6時起床。よく寝た。メトロに乗っていると隣にいた日本人に話しかけられる。どうやら行き先が一緒らしい。
 ベルサイユ宮殿は駅から20分。今日は快晴。宮殿内はなかなか絢爛豪華。でもざざーっと見て終える。感動しないわけではなかったんだけど・・ もっと歴史とか知ってたら楽しめたんだろうなあ、とは思った。理系(エセ)の私は、社会系の授業を最低限しか受けてなかったので・・と言い訳。 歴史は好きなんだけど、人名とか年号とか、今ひとつ覚えてない。 帰りのSNCF内では子連れのかっこいい人を発見。子どもと遊んでいても溢れる男の魅力・・ どうやらそれは辻も同意見らしかった。
 美味なるサンドイッチを食べ歩きしつつ、ブールデル美術館に向かう。彫刻がたくさんあって、なかなかよろしい感じだ。(傲慢な書き方だけど、感動はしている)  人も少なくて静か。猫がのんびり寝ていた。
 その後辻とは別行動。私はワイン博物館へ向かう。一応見ておかないと・・仮にも昔は酒豪とよばれた身・・(今はそれほど飲まないけれど)。 見つけるのに少々苦労したが、中は地上版カリブの海賊のよう!!洞窟っぽい感じで、すごく良い。メトロでセーヌ川を渡るのも良かった。
 その後、市立近代美術館へ。当たり前だが近代的だった。館内がアートになっている。そしてポンピドゥーセンター内の国立近代博物館も見る。 正直、近代ものは「???」と思うものも多い。しかしなかなか面白い作品も多かった。両方、結構広かったー歩き疲れ。
 ベネルクスのルクセンブルクへいけなかった分、ハ゜リのルクセンブルク、もといリュクサンプールへ。広い公園をしばし散歩し、宮殿の写真を撮り。 しかしこの公園、人が多すぎ。日曜はどこもそうなのか? そしてなんか立派な建物がある・・と思ったら、パンテオンだった。趣味の良悪がぎりぎりの ところだったが、まあ私的には良かったと思う。その後近所の教会をいくつか写真に収めつつ歩く。中世美術館は入れないようで残念。
 帰りによったスーパーで、慣れないユーロ小銭にもたもたしていたら、レジのお姉さんに「ちょっと貸しなさい」という感じで財布をぐいっと掴まれた。 あっけに取られている私を尻目に、適当に小銭を取り、確認しながらさっさとお釣りをくれたレジのお姉さん。取った小銭とおつりは適正だったので、 親切なお姉さんだったのだろうが・・びっくりしたー。

 

     

↑↓ブルージュの美しい街並

 
3/4<ベルギーでも一人旅>

 朝2時半に目覚める。ひとつの夢が終わったから。ここに来て変な夢をたくさん見る。パリのせいか、ミュゼのせいか。もともと夢は良く見る方ではあるけど (というより覚えている、というのが正しい?)。 そしてまた寝、5時ごろ目覚める。
 辻が帰りのタリスの時刻を早めに変更するべく窓口で交渉。なかなかぺらぺらしゃべっていて、ちと尊敬。しかし行きのタリス、だいぶ遅れる。 結局20分遅れぐらいか。タリスは乗りごこちが良かった。席が離れていたため、辻が「こっちに来い」というが、もう腰をあげたくないので無下に断るマイペースな私。 うとうとしているうちにブリュッセル。あ、窓からの景色は相変わらず良かった。どこまでも続く緑の絨毯と、自由に草を食む羊。
 ブリュッセルでインフォに行くと、お兄さんが英語で話しかけてきた。「別になんでもない」と答えても「どうしたいの?」としつこく親切なので、 「ブルージュに行きたいがどう行けばよいか」と聞く。が良く分からなかったので結局掲示板でを頼りに1人で列車を探す。というのもこの日も一日別行動だったから。 ベルギーでは、辻はネロとパトラッシュに会いにアントワープへ行きたいといい、私は「中世で時を止めた水の都」というフレーズに惹かれてブルージュに 行きたいと主張した結果の別行動である。
 電車では運良く席に座れた。そしたらなんと日本人男2人組が私の隣に立つではないか。席がないからどこかに立たなくちゃいけないのは分かるが、 なにも私の真横でなくとも・・と思う私。話されている話題によると、行き先はどうやら同じブルージュ。向こうも私を日本人だと意識している様子だが、 私は人見知りの血が騒ぎ(用法変?)、自ら話しかけることはしなかった。
 ブルージュに着き、地図も見ずにいきなり行き当たりばったりで歩き始める。周囲に日本人は全くいない。てくてくと歩くうちに、聖母マリア教会へ。 ここはミケランジェロの聖母子像がある。今までで一番の教会かも。何せ流れているミサがすごく私好みだった!! つくりも素敵だった。周辺工事してたのは残念だけど。
 ここの町並みは本当に良い。車と交通標識がなければ最高。道路を普通に馬車が走っているので驚く。道に迷っているうちに立派な教会に着く。 さらに迷っているうちに、市庁舎、古文書館と州庁舎のマルクト広場&ブルフ広場にたどり着く。やったね。ベルフォルトも素敵。音がきれいだし。 しかしなぜか閉まっていて登れなかった・・。残念。 帰りもかなり迷うが、ザンド・アーレンツの中庭などを偶然見つつ、無事駅へ。
 その後、ブリュッセルへ向かう。ここはあまり調べていなかったので、とりあえずグラン・プラスへ。ここは市庁舎にしても、王の家にしても、建築がスゴイ。 圧倒される。そうそうビール博物館ものぞく。一応見ておかないと・・以下略。
 そして触ると幸せになるというセルクラエスの像の右腕にもペタペタ触ってきた。そういう言い伝えを作った後世の人は勝手なものだが、 そういう勝手なものが嫌いでない私は単純に幸せを祈ってきた。
 ぬかりなくワッフルも食べ、帰った。帰りの電車では辻としゃべり通し。恋愛の話も少々。その後、私の度をこしたマイペースが原因で?辻と少々険悪ムードが漂う。 ま、それは折れることもできない問題だったしね・・。私と辻の性質上、そんなムードも長くは続かなかった。にしても辻は私の「不機嫌」度合いをかなり敏感に感じ取る、 ある意味貴重な存在だ。あまり私の顔色を伺うな、と言いたい。が・・ただでさえ愛想が良いとはいえない私と旅行同行してる辻はかわいそうなのかも。すまん、辻。
 

 

 

↓ブリュッセルの建築

 

 
3/5 <さわやか船乗りinオランダ>

 今日はアムステルダムへ。タリス4時間の旅。到着が遅くなり、少々不安になる。オランダの景色は・・一部荒涼としていたが・・でもやはり緑の絨毯と羊は良かった。 着いてすぐ辻と別行動をすることに。もうコワイモノなし!? 飛び乗った市電がビンゴ!そして適当に下りたところもちょうど目的の美術館前という幸運に見舞われる私。 市電は普通に道路を走っていて、歩行者は注意しないとちとコワイ。でも乗っている分には面白い。運河が発達していて建物もよく、景色良い。
 国立博物館。めちゃくちゃ良かった。東洋のものも、西洋のものも、彫刻、絵画、全て良し。あと陶器などに細かく描かれているのも素敵。小物入れもかわいくて欲しい。 そのほか、大きいタペストリー、リアルな油絵、有名な夜警、銀細工、ガラス細工、船、洋服、皿、すべてに感動。美術館ってなんだかクセになる。見るほどにどんどん 感受性が良くなっていく気がする。これが成長? 1枚1枚目に焼き付けていった。
 その後、周囲をうろつき、名物チーズを買いつつ、トラムで帰る。運河沿いを散歩していると、橋の下の小船から、若い男性船乗りさんに「HELLO!」と声をかけられる。 とてもさわやかな笑顔&挨拶でいい気分。オランダも良いところだ。行く前は「ドラッグが合法の国だから道は怪しい人々で一杯なのだろう」という偏見で ビクビクしてたけど。いや、確かに危険そうな人もいたけど。
 帰りのタリスでは辻が超無防備に寝ていた。すごく疲れて眠かったけど、頑張って気合を入れた。なんといっても夜の地下鉄。私は若い女性で日本人・・ カモは自覚している。治安の悪い夜メトロに乗るなんて危険なことをしたのは、単にタクシー代がもったいなかった為と、なんとかなるという楽観的予測による。 ま、辻は高校で空手をやっていたというし。私も護身術・・・の本を読んだことがある。大丈夫だろう。で、結局何事もなくホテルに到着。良かったー。
 

 

 

 

3/6  <イギリスへ移動>

 パリ最後の朝食をとって支度。重い荷を転がして駅へ。意外としっかりとパスポート審査をしていてびっくり。「ニンジャー!!」と叫んで (辻によると映画TAXIのネタらしい)ガハハハ笑って、パスポートなんかろくろく見ていない様子のフランス入国審査とは大違いだった。 辻はあっさり通れていたのに、私は「旅の目的は?」「何できたの?」「誰と来たの?」「この後の予定は?」と次々聞かれ(もちろん英語で)、 しどろもどろに答えていた。こんなか弱い乙女がテロでも起こすとでも?と思っていたが・・・。
 辻は隣の隣のボックスで審査されていたが、隣の人がビックだったので、私からは姿が見えなかった。私の審査官が「誰ときたの?」という質問をしたとき、 辻の存在を信じて「えーっと向こうにいる女性です。」と適当に答えた。しかし審査官は怪訝そうな顔。「あそこの女性かい?本当に?」といった具合。 早く審査を終わらせたい私は「はい、そうです。友達です。」と繰り返す。やっと解放されて辻がいると思われるボックスを見ると、なんと明らかに 異人種の子持ち女性が!! 辻はとっくに終わらせていたらしい。 怪しまれるわけだわ(笑) とっくに終わらせていた辻が「何でそんなに時間かかってんの?」と 呆れ顔。
 ユーロスターは意外と揺れた。でも飴をくれたり、サービスはいい感じだった。食堂車の兄ちゃんも愛想バツグンだったし。
 その後、地下鉄・アンダーグラウンドに向かう。イギリスの地下鉄はバカ高い。一度方向を間違え、ようやく駅に着き、チェックイン。 ハ゜リのホテルより狭いが、ポットがついていたのでよしとしよう。そして辻は観光に行き、私は近所の散歩へ。ここで昔から期待していた名物 フィッシュ&チップスを食す。ちょっと高い。そして量がめちゃくちゃ多かった(選択の余地はなかった)。美味しさの点では普通・・普通に白身魚とポテト。 私にはちとヘビーな量と油だった。3ヶ月に1回くらいでいいかな。
 ホテルのテレビをボーっと見る。しかしハ゜リでも思ったが、どこでもウィーケストリンクはやっているんだなあ。そんなに人気なの? 日本で見てないから分からんが・・。テレビの文化ではやはり日本のが良いような気がするなあ。CMとか見ても、こちらはかなり古くさい感じがするような・・。
 

 

 

 

3/7 <オックスフォード観光>

 朝食はハ゜リに比べて豪華である。思わずたくさん食べてしまう。今日はオックスフォードへ。
 どこにでも緑の絨毯はあると思っていたけど、さすがにイギリスのは一味違う。いい天気だったせいか、緑がとても鮮やかでキレイ。 これが本場の緑の絨毯か?イギリスには一番にこういう田舎を期待していたので満足。
 電車に揺られて1時間。今日は終日辻と観光。ショッピングセンターを冷やかし、教会へ。私は周辺を散歩する。動物をたくさん見たり、 こじんまりと自主映画を撮っている人がいたり。緑を抜けるときらきら輝く川があるし。最高に良い場所だ。辻も「君が好きそうな場所だ」と言った。 だんだん好みが分かってきたようだ。そうそうワーズワースが癒されたという黄水仙も見る(英米詩の授業で習った)。
 その後適当に歩き、ぶらぶらして帰る。帰りの電車では映画のこと、TVのこと、学校問題なども話し合った。私の大学は教育学部主なので、 やはり少々人間が特殊だと思う。なんだか久々に「普通の人」の意見を聞いてそれに気がついた。特殊というのはどちらかというと良い意味である。 まじめ、というのかなんというのか・・・。
 でも辻が使った「頭のおかしい人」発言には少々ひっかかった。一般の人が使うこういう言い回しは、知的障害なのか精神障害なのか、 はたまた単なる性格破綻なのかよく分からず(そもそも区別をつけず)使っている場合が主であるし、非常によろしくない。と思う。 はじめこれは大学(専攻)の影響かと思ったが、もっと以前、辻と過ごした中学時代にも、この言い回しに違和感を持っていたことを思い出した。
 しばし昔話。あれは中学校の頃。学年の国語の先生があるとき、在校していた知的障害を伴う生徒に関して「あいつは頭がおかしいから仕方ないんだ」 というような発言をしたのである。そのことが非常に衝撃的だった。「差別はいけないと教える教師が、そんな差別的発言をしてよいものだろうか」・・ これはその年に書いた人権作文の一文である。きっとその作文、先生も読んだだろう・・生意気な生徒と思っただろうか。ま、生意気には違いなかったけど。  それにしても辻の話によると別の先生は、ちょっと非行気味の生徒に対し「あなたみたいな人がいるからこのクラスはだめになる」と言い切ったとか。 ひょっとしてスゴイ中学校だったのかな?? 私は教師にはならないけど、考えさせられる。教師も人間だ・・というのは言い訳にすぎないよね・・だって皆人間だし。 ま、先生になる友達にはゼヒ頑張ってもらいたい。