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【マシアスギリの失脚】 池上夏樹著 新潮文庫 \720
エンタメ度★★★★★
南の島を舞台に、現実ではありえないような突拍子もない怪現象が起こるのだけれど、でも統べてが映像として目に見えるよう。人の心の奥底も描きつつ、ちょっとコケティッシュでもあり、不思議世界にトリップできます。ケッチとヨールが飲むIW・ハーパー12年が秘薬みたいに美味しそうなんだよね。結構、読みごたえがあるサイズだけれどその分、読後もどっしり余韻に浸れます。谷崎潤一郎賞受賞。
【博士の愛した数式】 小川洋子著 新潮社 \1500
オススメ度
★★★★★!!
(感動度★★★★★、読解難易度=易)
数学博士の元に派遣された家政婦とその息子。この3人が共に過ごした時間が語られています。博士が語る数字の話は静なるリズムを含んで美しく、「あ〜、数学も芸術なんだ」という思いにいたります。切なさと愛しさと、もどかしい思いで、時間を惜しんで読み進めました。優しさにあふれた文章で、読み終わった後は胸がイッパイに。その日の夜は寝ていても脳みそがフル稼働していました。こんな気持ちになる本は数多くはありません。数学嫌いの私が超オススメする本です。
既に私の中ではTVドラマ化もイメージ。その際には、ちょっとだけコミカルさを出して、数学博士に田村正和氏を起用。だって、数学博士の必須条件は「指先が綺麗なこと」と思ったからね。
以前、著者の「妊娠カレンダー」を読んだ時は、作品内容とは裏腹に真面目で緻密な文章を書く人だなあと思ったものです。(2005/02/19)
【宮本武蔵】(全8巻) 吉川英治著 講談社 \480
エンタメ度★★★★★
フレッド氏も絶賛の歴史小説。 文中の女性たちが武蔵に恋するように、読んでいる私まで「武蔵に恋しそう!!」にさせる著者の力量は拍手もの。
フランス語訳を読んでいたフレッド氏はしばしば「EDO(江戸)って東京のこと?」など質問しつつ、 読み終わってしまうことを惜しみながらも夢中で読んでいました。
【冷静と情熱のあいだ Rosso】 江國香織著 角川文庫 ¥457
恋愛度★★★★★
映画化されているので御存知の方は多いはず。
著者の文章を読むと、人の書く文章にはそれぞれ「色」があるんだなあ…と感じます。で、ちなみにこの人の書く文章は「ガラス色」。
【春にして君をはなれ】 アガサ・クリスティ著 早川文庫
ミステリー度★★★★
殺人事件が起きないアガサ・クリスティ本として異色ながらも、と〜っても興味深い本。1944年の作品。とあるイギリス婦人の心の動きが彼女の回想で綴られているのだけれど、読み進めていくうちにふと、我が身を振り返えらずにはいられません。
「思い込み」とか「自己満足」とか「自己愛」という題材を使って「恐いな〜」と思わせるあたり、ミステリー作家大御所の作品だなあと感じました。
(写真がカバーなし、しみ&値札付でごめんなさいね。この本、旅先で買ったので)