窓の外を見あげると、僕らの乗った飛行機が、ちょうどほかの飛行機の作った飛行機雲をくぐるところだった。窓の下には、真っ黒な岩肌に雪化粧をしたアルプスが延々とつづいている。僕は旅行先のクロアチアを離れ、パリに向かう機内にいた。早朝6時のフライトとあって、妻は隣の席で眠りに入っている。僕は窓から外を見ながら、今回のクロアチア旅行のことを思い出す。遠い国だった。距離だけでいえば、いま向かっているパリの方が日本より遠いけれど、日本からの直行便もなければ、本屋にガイドブックもないクロアチアは、遠く、そして未知の国だった。しかし、あの透き通る青い海も、断崖絶壁のフィヨルドも、中世の街並も、大理石の石畳も、21時の夕焼けも、毎時間なる鐘の音も、溢れかえるヨーロッパからの観光客の波も、僕の頭の中にその姿を刻み込まれている。十数年前まで内戦の中にあったとは思えない美しく平和な国だった。アドリア海の至宝、クロアチア。この国の美しさには、隣国のイタリア人も憧れると言われる。僕が訪れたのは、ドブロブニク、スプリット、フバールの3都市のみ。この3都市のみで、クロアチアを語ることはできないと思う。でも、ちょっとだけなら語ることが出来る。2004年6月21日から27日まで滞在したクロアチアについて、ちょっとだけ語ろうと思う。ちなみに、この旅行は僕の新婚旅行だ。2004年6月19日に挙式を終え、6月20日の深夜の便で成田からフランスのパリに飛び、21日の早朝にパリに到着する。パリ北駅の近くのホテルで少し休んだ後、昼過ぎのTGVでアムステルダムに行き、そこからクロアチアに飛んだ。パリからクロアチアへの飛行機が取れなかったからだ。クロアチアのドブロブニクに到着したのが6月21日の深夜。明けた22日の朝からお話を始めたいと思う。

ドブロブニク 初日篇 / 食事篇/ビーチ篇 スプリット篇 フバール篇

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