7:30頃目が覚めた。実はその数十分前に目が覚めていたのだが、まだ周りが起きてないし、トイレに行くのも億劫なので小便を我慢して寝ていた。起きてからは気分が悪かった。顔を洗ってコンタクトレンズをつけてトイレに行ってベッドと反対側にある席に座った。少し酔っていたので窓の外をぼーっと眺めながら、粉末コーヒーにお湯を注いで作ったコーヒーが冷めるのを待っていた。すると向かいの席に座っていた、めがねをかけた女の子がリンゴをくれた。「謝謝」と言って皮ごとかぶりついた。おいしかった。リンゴのおかげで体にエネルギーが戻ってきた。
成都に到着するのは14時過ぎである。
列車内は暇なので相方と五目並べをした。五目並べセットは昨日、西安の商店街で相方が買ったものだ。相方、強かった。僕はぼろ負けだった。 五目並べをしているとすぐそばのベッドに座っていたおじさんが興味ありげに僕らの対戦を見ていた。時々盤を指さし、「ここだ」みたいな感じで言ってきた。おじさんの向かいにいるおばさんも興味ありげに見ていた。
再び列車酔いしてきたので席を離れると、ベッドに座っていたおじさんが相方に「勝負しよう。」ともちかけ、おじさん(China)vs相方(Japan)の五目並べ国際マッチが始まった。僕は上臥(3段ベッドの最上段)で寝ていた。時折相方の笑い(独特のひき笑い)が聞こえてきた。盛り上がっとるなーと思って上から2人の様子をのぞいてみると、2人ともめちゃ真剣だった。
僕は乗り物酔いに弱っていた。昨日眠れなかったせいかな・・・。
12時近くになると、下でおじさんがインスタントラーメンを食っていた。リンゴをくれた女の子は中臥のベッドで爆睡していた。その寝顔は仏のように安らかであった。その下(下臥)では茶色の髪の今風のお姉さんが寝転がって雑誌を読んでいた。相方は五目並べに疲れたのか、ベッドで寝ていた。僕は起きて下に降り、席に座ってコーヒーを飲んだ。
1時ごろ、僕が席で日記を書いていると、向かいのおじさん(五目並べのおじさんではない)が中国語で話しかけてきた。何を言っているのか分からなかったが、「にほんご」と聞こえたので日記を見せるとうなずいていた。中国語を話したいなと思い、ガイドブックの後ろのページにある中国語の会話用例集を見ていると、おじさんはそのページを見て、「おはようございます」「ありがとう」・・・・と一つずつ読み始めた。ひらがなが読めるんだと思い、驚いた。隣でベッドに座っている若い男の人とも筆談をした。二人とも昆明に行くそうだ。二人の名前を教えてもらった。僕の名前も教えた。筆談なら結構通じる!笑いもあって楽しいひと時だった。
駅が見えてきた。かなりの人が降りる様子なのでおじさんに「成都(チョンドゥー)?」と聞くと、「成都」と答えた。予定より20分早く着いたのだ!ダッシュで荷物をまとめて、寝てる相方に到着を知らせて急いで列車を降りた。降りる時、おじさんが「さようなら」と日本語で言ってくれた。
成都は暖かく、春先のようだった。雰囲気も穏やかだった。
客引きと少し会話したのち駅の東にある切符売場へ行き、しあさって発の昆明行きの切符を買い、バスに乗って交通飯店(ホテル)へ。ホテルに着いて30元(≒450円)の4人部屋を見せてもらった。フロントは英語が通じる。4人部屋に行くと、そこには日本人がいた。少しフケ顔の人で、喋りが面白い人だった。その人は「同じ部屋のイスラエル人と気まずい」とか「成都には美人が多い」とか「明日四川大学の友達に会う」とか言っていた。確かに、成都は美人が多いと思った。ホテルの近くのバス停からホテルへ歩く途中、「美人な人多いなあ」と思っていた。相方も同感だった。
結局、一人40元(≒600円)の3人部屋にした。トイレとシャワーは共同だ。値段の割に良いホテルだ。3人ドミトリー部屋に入ると、奥のベッドの周辺には男物のトランクスが干されていた。大きなナップザックも置いてあった。ベッドの上には成都の市内地図があった。一体どんな人だろう・・・。
気づけばもう夕方。中国銀行でトラベラーズチェックを元に交換し、近くの店で遅い昼飯を食い、杜甫が晩年暮らしたと言われている杜甫草堂へ行こうと決めた。杜甫草堂行きのバスを探したが、見当たらず。もう辺りは薄暗いし、今日は諦めて別の日に行くことにした。
近くのスーパーへ行くと、安い安い!!瓶ビールが1本2.3元〜2.6元(35円〜39円)、米10kgが20.9元(≒315円)。物価は非常に安い。ビールとおつまみっぽい豆を買った。ホテルに帰る途中に、ホテルで会った日本人の人が「うまい」と言っていたものを買って食べた。それは餃子を棒で伸ばし、円盤状にして油で揚げたもので、1つ1元(≒15円)だ。そのお店は行列ができていた。2枚かって食べた。1枚といっても結構おっきい。確かにおいしかった。
部屋に戻ってビールを飲んでまったり。部屋には同室の人がいた。日本人の男の人だった。僕より少し年上に見えた。シャワーを浴びて、部屋でその人と話をした。彼は明日昆明へ向かい、昆明から東南アジアへ抜けて最後は陸路でヨーロッパへ行くと言っていた。関西の人で、仕事を辞めて100万円を持って約半年、お金が底をつくまで旅を続けるそうだ。新鑑真号(神戸・大阪⇔上海を結ぶフェリー)で来たらしく、なんとキャンペーン価格で船代(もちろん往復)+中国ビザ代+上海のホテル一泊で31,000円だったという。僕らが乗った燕京号は往復27,000円、中国ビザは9,000円だったから5千円以上お得だ。それを聞いてへこんだのは言うまでもない。感じの良い人だった。
ホテルにインターネットのできるパソコンがあったのでe-mailを送りに行った。そして、部屋に帰ってガイドブックを読みながら寝た。