短歌。


・世の中は 今より外は なかりけり 昨日はすぎつ 明日は知られず

・踏まれても 根強く忍べ 道の草 やがて花咲く 春の来るまで

・会者定離 ありとはかねて 聞きしかど 昨日今日とは 思わざりけり

・独り来て 独り死にゆく 旅なれば つれてもゆかず つれられもせず

・負けている 人を弱しと 思うなよ 忍ぶ心の 強きゆえなり

・後の世と 聞けば遠きに 似たれども 知らずや今日も その日なるらん

・今日ほめて 明日悪くいう 人の口 泣くも笑うも うその世の中

・苦に病むな 憂いも辛いも 流れゆく 苦にする心 自業苦なりけり

・知るとのみ 思いながらに 何よりも 知られぬものは 己なりけり

・打つ人も 打たれる人も 諸ともに ただ一時の 夢の戯れ

・引きよせて 結べば柴の いおりにて 解くればもとの 野原なりけり

・夢の世に 夢みてくらす 夢人が 夢ものがたり するも夢かな

・あれを見よ みやまの桜 咲きにけり 真心つくせ 人しらずとも

・人の世の 生死の道に 友はなし 一人淋しく 独去独来

・鳥辺山 昨日の煙 今日もたつ 眺めて通る 人も何時まで