当時は、まだそんなに多くの狭軌軌道を訪問していた
わけではないが、たまたま下宿先が横浜という事も手伝
って、近所に狭軌軌道はないか物色中に発見した。
しかし、なかなか稼働していない様子で何回か訪問
したが人がいることはめったになかった。
その様子は他のHPでも掲載されている。
日記を見るとその前日に一度訪問し
たところ、たまたま事務所に人がいて
「明日走るよ。」と教えて貰って伺
ったようだ。
掲題の通りいわゆる失業者対策の軌
道なため、それなりの事情のありそ
うな方々が働いていらっしゃった。
おおかた老人が多かったと思う。確
か「若い人が来る事は珍しい。どうぞ
写真ならいくらでも撮っていきな。
どれ動いているところがいいのかい?」
と空のトロをわざわざ転がしてくれた。
大変親切にしていただいたのを覚えて
いる。
ただ、その親切が逆に私に罪悪感を芽
生えさせてしまった。何も困っている
方々の写真なんか撮らなくてもいいで
はないか。
趣味で撮影しているのなら、もっと別
の被写体を狙うべきではないのか?
私は報道カメラマンではないのだから・・
と思いこんでしまい。極めて遠慮がち
な撮影になってしまった。今思うと、
これも貴重な記録なのでちゃんと撮影
すべきだった。
新横浜のすぐ近くに今では考えられな
い手押しトロが存在していたのだから・・・
結局、事務所の看板さえ撮影せずにその
まま帰宅してしまった。その後この軌道は
跡形もなくなってしまったそうだ・・・。