・・Korea 9days ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
韓 国 9 日 間  徒 然 日 記
第16号 3日目の2
2002.8.12 発行
今回のMission バスでトンイルジョン[統一殿]へ移動せよ
難易度 レベル3

発行責任者 ちはる

 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・Turezure Diary・・
この日記は、ちはるが実際に韓国でつけていた日記をもとに、加筆、修正、再構成したものです。
今回ちはるは韓国に行きましたので、呼称に関しましては在日本大韓民国大使館HPの記述に基づき、地域は「韓半島」、人は「韓国人」、言語は「韓国語」と表記します。特に政治的な意味はありません。
もしかしたら文中に、不適当な発言、あるいは間違った記述があるかもしれません。その場合はどうぞ容赦なくご指摘ください。ただし、旅の折々で胸の内に生じた感情については、あえてそのまま書いている場合もあります。どうぞご了承ください。

《2002年4月22日―2》

 バス・初挑戦

 さてバス。

 とにかく、日本のwebサイトでは、韓国の市内バスでの移動に関してはあまりいい話を聞かない。
 ハングルを読めない人は乗らないほうがいいとか(それはまあ、ある程度当然とは思うが)、旅慣れしてない人はよした方がいいとか。

 実際、わたしも3年前の韓国旅行では市内バスは一切乗らなかった。
 それでもあれはソウルでの話だったので、市内バスに乗らなくても地下鉄でこと足りたのでまったく問題なかったのだが・・・

 しかし、今回はそんなことは言っていられない。市内バスに乗らなきゃ行けないところが山ほどあるのだ(わたしの移動手段の選択肢にタクシーの4文字はない)。

 プサンからキョンジュまでの長距離バスはすでにクリアできたけど、あれは停まる場所が限定されている。市内バスみたいに小刻みに停まるバスはどうなっちゃうんだろう?

 んー、でも、わたしはフランスでもバスに乗ったじゃないか。
 あの時だって土地勘はなく、そして車内アナウンスは一切なかった(あったとしても聞き取れないが)。だけどちゃんと目的地に行くことはできた。

 やればできる(たぶん)。
 がんばれ、わたし。

 ホテル前の通りを渡って、9時5分バス停到着。

ホテル前の通りの向かいにあるバス停
ホテル前の通りの向かいにあるバス停

バス停
歩道側から見るとこんな感じ。
バス停の向こうに
観光案内所が見えている。

 この時時刻はまだ午前9時をちょっと過ぎたばかりだったが、すでに日差しは殺人的な強さ。上半身はバス停の屋根のかげに隠れているのでなんともないのだが、日のあたっている足が紫外線に灼けてじりじり痛い――って、Gパンはいてるんだけど。Gパンはいてても暑い(熱い)のかっ!

 今日もキョンジュはきびしい暑さになりそうだった。

 バス停には何人か先客がいた。孫を連れたおばあちゃんとか、陸軍の軍服を着た兵役中らしい若い男性とか、ふつうのおじちゃん、おばちゃんなど。

 昨日プナンサで見かけたような、パジ・チョゴリ姿のおじいちゃんも後からやってきた。
 おー、3年前のソウルでは、こんなに民族衣裳姿のお年寄りは頻繁に見なかったぞ。キョンジュという土地柄も関係してんのかな。

 老若男女、みんな日陰に身をひそめながらバスを待つ。
 そしてわたしはつい右を向いてバスを待っていたのだが、ふと気付くとバスは左からやって来て、わたしをの視線の先を走り去って行った。

 おうっ! しまった。
 韓国は右側通行だから、バスは左向いて待ってなきゃいけないんだった。
 うーむ、習慣ってこわい。ま、11番のバスじゃなかったからいいけど。

 9時16分、未だ11番のバス来ず。300番と70番のバスはよく来るのに。

 それにしても、バスを見ていると気づくのだが、どのバスの運転手もせっかちで、乗客を乗せるとドアを開けたまま走り出してしまう。
 さすがパリパリ[早く、早く!]の国だなあ、と思う。

 そんな様子を眺めているうちに、時刻は9時25分になった。もうバスを待ち始めてから20分も時間がたってしまっている。

 やばい。もしかしてあまり本数のないバスなんだろうか、と思った時、軍服を着た若い男性がバスを停め(やはり「わたしはバスに乗る!」と無言の主張をしないとバスは停まらないのだった)、バスに乗った。ベンチに座っていた小さな孫を連れたおばあちゃんもその後に続いてバスに乗ろうとする。

 段差の大きいバスの昇降階段をうまくのぼれない孫を助けながら、あまり足腰の丈夫でなさそうなおばあちゃん自身もうんせ、うんせという様子でバスに乗り込む。

 このバスの運転手もせっかち。ドアを閉めるのを待たずに走り出した。
 すぐにドアは閉まったけど、孫を乗せるのにおばあちゃんが苦労しているらしい。路肩から走行車線に戻ろうとしていたバスの運転手が、おばあちゃんたちに気を取られて一瞬よそ見をした。

 その瞬間。
 ガシャンッ! とバスに何かがぶつかる音がした。事故だっ!

 バスはとっさに急ブレーキを踏んだ。その拍子におばあちゃんと孫がコケて、昇降階段に転げ落ちる。
 おいおい、大丈夫かよ――と思った時には、バスの一番後ろの座席に座っていたあの軍服姿の若者がすっ飛んできて、おばあちゃんと孫を助け起こしていた。ほっ。

 ほんの数瞬の後、車体の右側に大きな傷をつけた車が、バスの前によろよろと現れて停まった。
 ああ、運転手がよそ見をしたおかげでぶつかっちゃったんだ。

 バスの中を見ると、運転手がものすごい勢いでおばあちゃんを怒鳴りとばしていた。運転手の怒声がバス停にいるわたしの耳にまで聞こえてくる。
 そんなー、悪いのは乗客の安全を確認せずに走り出した運転手の方なのにー。ひどい。

 運転手に怒鳴られてすっかり萎縮してしまったおばあちゃんを、たまたま同じバスに乗っていただけのおばちゃんがなぐさめていた。

 はてさて、どれくらいの規模の事故だったんだ? とバス停にいた人々が興味深げに車の傷を見に車道へわらわらと出て行く。
 ここはみんなと一緒に傷を見に行くべきか? と悩んだところへ11番のバスが来た。うおお、乗らねばっ!

 あわてて運転手の目を見て乗る意思を伝え、バスを停める。
 乗ったはいいが、本当にガイドブックに書いてあったとおり1,050ウォンでいいのか? とあたふたしていると、「センゴジュウ」という言葉が聞こえた。

 センゴジュウ? え、1,050っ!? 日本語じゃんっ!

 それはバスの運転手さんの口から発せられた言葉だった。
 ああ、日本語できるの? まさかこんなド田舎の町中で日本語を聞くとは思わなかったから驚きである。

 何にせよ感謝。日本と特に違いはない料金箱にあらかじめ用意しておいた1,050ウォンを入れた。

 わたしを乗せたバスが、事故を起こしたバスの横を走りすぎる。おばあちゃんたち、大丈夫だろうか? まあ、基本的にお年寄りを大切にする国だから、安心していいとは思うのだけど。


 バスでトンイルジョンへ

バスの車内
バスの車内。日本とそんなかわりない。

 バスはホテル前のテジョンノを東に向かって走り、農協のスーパーがある交差点を左に曲がってソソンノへと進んでいった。
 ソソンノの道の両側には、日本でいうところの行商のおばちゃんのような人たちが、歩道にびっしりと並んで野菜を売る露店を出している。

 すげー、日本じゃこんなに露店が出てるのって、お祭りの時くらいしか見られないよ。
 写真を撮りたかったけど、あまりうまくいかなかった。

パラソルを並べた露店
パラソルを並べた露店、というか市場?

 しばらくしてバスは右折し、キョンジュ駅に通じるファランノ[花郎路]へ。
 そして9時34分、わたしにとっては初めて見る韓国の国鉄の駅、キョンジュ駅前を通過し、ウォルソンノ[月城路]を走る。

キョンジュ駅前
キョンジュ駅前なのですが、
わかりにくいですね。

 ウォルソンノは、昨日プナンサからホテルへ戻る時に(間違って)歩いて来た道でもあり、アナプジ沿いの道でもある。
 昨日徒歩で見た古墳や菜の花畑のある風景を、バスは次々に通過していく。

 9時39分、右に曲がればキョンジュ・パンムルグァン[慶州博物館]、左に曲がればプナンサ方面へと続く交差点を、バスは直進した。そうか、トンイルジョンってこっちの方にあるのか。

 しかし、トンイルジョンってどこにあるんだろう?
 バスにアナウンスはなく、カンで降りるしかないわけなんだけど・・・

 バスの前方を真剣に見詰めていると、茶色地に白い文字で「トンイルジョン」とハングルで書かれた大きな看板が見えた。もうすぐか。

 バスは案内板の指し示すとおりに、道を右に曲がった。バス通りの両側には田んぼが広がり、路肩にはピンク色の花房が重そうに頭をもたげた八重桜が。

 おお〜、桜だ。
 昨日はほとんど花の終わったソメイヨシノみたいな桜しか見られなかったけど、ようやく花の咲いている桜を見れたぞ。
 うーん、春じゃのう。

八重桜並木
八重桜並木

 そうこうしているうちに、バスがバス停に停まった。
 運転手さんに「トンイルジョン?」と訊いたら「サヨナラ」と言われた。

 それって、ここはトンイルジョンだから降りてサヨナラってこと???

 よくわからなかったけど、方向案内に「トンイルジョン」って書いてあったんだから、このあたりにあるのは間違いないのだろう。

 思い切ってバスを降りる。この時時刻は9時44分。
 バスはそのまま道をまっすぐ走り去っていった。

降りたバス停
このバス停で降りた。
バスはこの道の先へと走って行った。

 さて、あたりを見回すが――どこよ、ここ?

 周囲には川と田んぼと畑。それ以外何もなかったんである。

 ひいいっ! いったいここはどこっ!?
 目印が何にもないじゃんっ!

 しばらく呆然と立ち尽くしてしまう。

バス停付近の風景左
バス停付近の風景・左


バス停付近の風景・右
言葉の通じない外国で、バスを降りたらこんな所だった・・・
どうするよ?

 しかし、ここに突っ立っていてもどうしようもない。こんなに何もないところじゃ、自分を助けられるのは自分しかいなかった。

 周囲を捜索してみる。
 すると、漢字で「佛無寺」書かれた大きな岩あった。バス停のたもとにはハングルで「ポリサ」[Po-ri-sa]と書かれた小さな石碑がある。
 「ポリサ」はきっと「〜〜寺」という意味のはずだが、「佛無寺」も「ポリサ」も観光案内所でもらった地図には載っていない。
※Attention! たぶん「ポリサ」は「菩提寺」だと思います)

 ハングルで「オクヨンアン」[Ok-ryong-am]と読める看板がある。
 「オク」[ok]・・・は漢字で「玉」か? 「ヨン」[ryong]は、「竜」とか「龍」って漢字がよく使われているはず。「アン」[am]はこれだけ寺の多い界隈なんだから「庵」だろう。
※Attention! ちはるは韓国語はまったくだめですが、中国語学習者なので、漢字の現地語読みを記憶するくせがあります)

佛無寺石碑とオクヨクアン看板
石碑に佛無寺と彫刻されている。
その横の看板に、ハングルで
「オクヨンアン」と書いてある。

 すると、「玉龍庵」か「玉竜庵」か・・・

 観光案内所でもらった地図を見る。
 すると・・・あったっ! 「玉竜庵」だっ!

 ええっ!? なんじゃこりゃ。オクヨンアンってトンイルジョンからめちゃめちゃ遠いところにあるじゃ〜ん。

 そして後で歩いてみてわかったのだが、わたしはバス停2つ分、はやくバスを降りてしまっていたのである
 距離にしてなんと2km。
今回の地図はこちら![44KB]。今回の進路がオレンジ色の線で示してあります)

 ひーん、ちっとも「サヨナラ」じゃないじゃんっ!

 まあ、手前で降りちゃっただけで、全然見当違いの方向に行っちゃったわけじゃないからいいか・・・2kmなら30分もあれば歩けるし。

 とりあえず自分の現在地がわかってほっと一息。
 9時53分。トンイルジョンへと続く道を、わたしはようやく歩き始めた。

おわり


今回のMission バスでトンイルジョン[統一殿]へ移動せよ
難易度 レベル3
今回のMission結果 失敗(T_T)
本部からのコメント バスに乗れたところまではよかったですが、降りるところを間違えてしまいましたね。残念でした。
がんばってトンイルジョンまで歩いてください。

 

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