・・Korea 9days ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
韓 国 9 日 間  徒 然 日 記
第31号 4日目の7――お昼はキョンジュ駅前で の巻
2002.10.10 発行

発行責任者 ちはる

 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・Turezure Diary・・
 
この日記は、ちはるが実際に韓国でつけていた日記をもとに、加筆、修正、再構成したものです。
今回ちはるは韓国に行きましたので、呼称に関しましては在日本大韓民国大使館HPの記述に基づき、地域は「韓半島」、人は「韓国人」、言語は「韓国語」と表記します。特に政治的な意味はありません。
もしかしたら文中に、不適当な発言、あるいは間違った記述があるかもしれません。その場合はどうぞ容赦なくご指摘ください。ただし、旅の折々で胸の内に生じた感情については、あえてそのまま書いている場合もあります。どうぞご了承ください。

《2002年4月23日―7》

 バスでキョンジュ市内へ

 ひょんなことから、なぜかわたしは韓国の大学に行くことになった。

 プルグクサ[仏国寺]は、まだ全部の建物を見てないし、ソックラム[石窟庵]にも行ってないのだが、それはそれでとりあえずいい。
 いまこのチャンスを逃す方が、ずっともったいないような気がした。

 プルグクサ内を、ハンさんの案内を受けながら、バス停のある駐車場まで戻る。

 10ウォンコインの裏には、大雄殿の前にある多宝塔が刻まれているとか、無影塔のにまつわるお話とか、文武王のお墓が海の中にあるお話とか。

 ハンさんの専門は石塔だそうで、プナンサ[芬皇寺]の石塔の話なんかもした。
 韓国は日本と違って、石の塔が多いのだそうな(日本は木造)。
 まあ、韓国は地震が少ないからなあ。日本じゃ石塔を造っても、きっと壊れちゃうだろうし。

 中国でいくつか石塔を見た、とわたしが言うと、中国の石塔は中に入って登ることができるが、韓国の石塔は登れないタイプのものがほとんどだそう。

 ふうん、同じ寺院にある塔でも、3つの国でだいぶ材質や構造が違うもんなんだな。

 その他、いろいろ聞いたけど、何しろ専門家から聞く話なので(それもありがたいことに日本語で)、どれもこれもすごくおもしろかった。

 さて、この後はバスに乗って市内に移動し、そこからタクシーで大学へ行くことになった。

 そして、もしかするとここは韓国だから・・・と思った予想どおり、これ以降のバス代、タクシー代、食事代その他、支払いはすべてハンさんがもってくれた。
 ひーん、申し訳ないやら、ありがたいやら。

 韓国(と中国)に割り勘の習慣はない、とあたまではわかっていても、初対面の人にそこまでしてもらっていいのかっ!? と激しく悩んだ。

 韓国や中国に留学している学生さんって、最初、慣れるまでは大変だろうなあ、と思う。
※Attention! その後、日本にハンさんがいらした時、お礼させていた だきました[ただし、主にはわたしのではない財布で。Iさん、その節はありがとうございました])

 バスは、また11番に乗った。プルグクサから先は、ポムン[普門]という湖を中心としたキョンジュのリゾート地を通って市内へ向かう。

 このあたりのホテルは、たいそう料金が高いそうな。日本円でも2万円くらいするらしい。
 「泊まったことありますか?」とハンさんに訊いたら、「学会があった時に」(つまり公費で)と言っていた(笑)。

 晴れていればきれいだったのかもしれないが、この日は雨が降ったりやんだりの曇天で、せっかくのリゾート地も灰色の薄もやの中にかすんでしまっていた。
 


 お昼

 バスは見覚えのある道を走り抜け、キョンジュ駅前に到着。ここでバスを降りる。
 ふたりともお昼がまだだったので、食べてから大学に行くことにした。

 この時、ハンさんが「日本で高い食べ物ってなんですか?」と訊くので、わたしは特に何も考えず、「寿司かなあ」と答える。

 「寿司は韓国にないな」とハンさんは言うと、「ふぐは高いですか?」とたずねてくる。
 うん、ふぐは高い。少なくともわたしの知っている範囲内では。

 食べに行く機会もいままでなかったので、ふぐは食べたことない、と答えると、「じゃあ、お昼はふぐにしましょう」と言う。

 あ、なんだ、しまった。お昼の希望を聞かれていたのか、いまのは。

 ひー、そんな高級料理っ! と思ったが、聞くと、韓国ではふぐはそんなに高い料理ではないのだそうな。

 ふうん、そうなんだ――っていうか、韓国でもふぐ、食べるのか。
 日本と同じで、やはり調理には免許がいる、と話していたと思う。

 というわけで、キョンジュ駅前の大通りを歩き、途中角を曲がってはいった細い通り沿いにあったふぐ屋さんへ。

 店構えは、日本風に言うと、大衆食堂みたいなところ。引き戸を開けて中に入ると、土間にテーブル席がいくつか並んでいて、奥にオンドルの座敷がある。

 ハンさんに声をかけられてからは、ほとんどメモをとっていないので正確な時刻がわからないのだが、この時すでにとっくにお昼時は過ぎていて、午後2時をまわっていたと思う。

 だから店内は空いていたが、テーブルの上にはガスコンロや鍋やらが積み上げられており、昼の片付けの真っ最中のようだった。

 わたしたちは靴を脱いで奥の座敷にあがった。
 注文はすべてハンさんにおまかせ。

 注文を終えた後、残念そうにハンさんが、「この時間は刺身、やってないんだって」という。
 刺身ってふぐ刺し?

 ハンさんが指差す壁を見ると、うっす〜いふぐの刺身が菊の花のように皿に盛られている写真だかポスターだかが貼られていた。
 おお、日本で見るのと同じだ。へーえ、おもしろい。

 この店では、ふぐ刺しは夜しかやってないということだったので、わたしたちは鍋にした。いわゆる「ふぐちり」に相当すると思う。
 ただし、つけだれはポン酢ではなく、醤油とわさびだった。

 そのわさびの色が、また濃いー。真緑色である。

 ちなみにわたしは日本人であるが、わさびはあまり好きでないのでパス。

 注文してすぐテーブルの上にコンロがセットされ、料理に先立って小皿がやってくる。
 この時もキムチが3品。

キムチと醤油とわさび
キムチと醤油とわさび。
わさびの色、濃いーのわかります?

 さて、ひとさまと一緒の席ではあったが、ここで料理を写真に撮っておかないと、絶対わたしは後悔するに決まっている。
 というわけで、写真を撮らせてもらった。

 キムチなどは白い陶器のお皿に入ってきたが、その後きたご飯ともやしの和え物は、銀色のステンレスの器に盛られてやってきた。

ご飯ともやしの和え物
ご飯ともやしの和え物。
もやしの和え物は辛かったな。

 ふうん、韓国のご飯は、いわゆるご飯茶碗じゃなくて、こーゆーステンレスの器で来るんだな。

 この日のあと、あちこちで食事をしたが、いつもご飯はステンレスの器(ふた付き)でやってきた記憶がある。

 そしてメインのふぐ。
 おおー、ふぐってこんなんなのかー。

ふぐ
はい、ふぐ。
野菜もいろいろ入ってました。
日本のふぐちりもこんなんですか?

 味の方は「たんぱくで美味」というメモが残っている。実にわたしの好み。

 しかしこのふぐ鍋、とりわける器がご飯と同じステンレスの器だった。
 だから、中に具が入ると熱くて持てない(笑)。

 食器を手で持って食べるのは、韓国では御法度、というのはともかくとして、鍋から具を移す時には、とりあえず器を鍋近くまで持っていってよそわなくちゃいけない。でも、それが熱くて大変だったのだ。

 うーん、ご飯の方はほとんど器に手を触れなかったと思うのだけど、きっと炊きたてご飯をよそったばかりの時は、ステンレスの器がむっちゃ熱いんだろうな。
 なるほど、韓国では食器を手で持たない――っていうか、持てないはずだよ。

 この後ふたりでふぐ鍋を堪能(^ ^)。
 測量のバイト代ということで(笑)、お代はハンさん持ちとなった。

おわり


 編集後記

 今回は韓国ふぐリポートでした(笑)。

 いやー、支払いの習慣が違うって、慣れないとむずかしいですね。

 割り勘って、ハンさん的には、みずくさいというか、失礼な感じがするそうです。でも、さすがに日本には割り勘の習慣がある、と知ってらしたので、文化摩擦とか衝突はおきませんでしたが(笑)。

 他にも、「日本に行くと、料理はちょっとずつしか出てこない。韓国では食べきれないほどたくさん出てくるのに」と日本の料理の出し方に不満(?)があるようでした。

 これに関しては、「日本じゃ料理を残すのは失礼になるんですよ」(少なくともわたしの暮らしてきた地域内では)と説明しましたら、「そうなんだ」と驚いていました。

 割り勘は知っていても、料理の食べ残しに対する考え方の違いは知らなかったそうです。
 隣りの国同士だけど、いろいろ違っていて、おもしろいもんですね。

 それではまた次号でお会いしましょう。


 

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