「要件の整理(試論)」の見方について

削除の要件という面から、削除ガイドライン等の削除基準に対し表による整理を試みました。

1.これらの表の見方ですが、基本的に A→B→C という流れで見ます。

 すなわち「A:削除の要件」があれば、原則として削除対象です。
 但し、「B:Aに対し削除しない要件」もあるときには、例外として削除対象外です。
 もっとも、さらに「C:Bに対し削除する要件」もあったりすると、例外の例外として削除対象と
 なります。
■ 各「要件の整理(試論)」

2.具体例で説明します。
 例えば、業者が2ちゃんねるにリンクをはっていったとして、それが宣伝リンクとして削除対象になるのかどうか
 という形で考えてみます(この類型の場合、実際には連続投稿・コピペの類として削除されるケースが多いでしょうが)

(1) まず宣伝リンクの削除基準のところを見てみます。
 「宣伝・罠・実行リンク」のところです(自己責任及び証拠保全云々のところは省略してあります)
 
宣伝・罠・実行リンク
  A:削除の要件 B:Aに対し削除しない要件 C:Bに対し削除する要件 D:備考1 E:備考2
1. 明らかに宣伝を目的としたリンク、
2. クリック若しくは訪問で課金が発生するもの、
3. 又は、宣伝板での宣伝リンクへのリンク(管理人裁定)
4.
宣伝掲示板である 1.エログロ系である、
2.又は有料である、
3.等
宣伝は発見→瞬殺でよい
(依頼なくても)
 
投稿者の自己責任が…  
1.2chとの訴訟、裁判…削除すべきとの…  
 
A)最初に「A:削除の要件」の何れかにあたらないかどうかを検討します。
 例えば、この業者のリンクが「明らかに宣伝を目的としたリンク」にあたれば、原則として削除対象です。
 他方、このリンクが「A:削除の要件」中の1〜4の何れにもあたらないとすれば、この段階で宣伝リンクの類としては削除対象外となります(連続投稿・コピペ等、他の理由で削除対象となるか否かは別)
B)もっとも、「A:削除の要件」の何れかにあたるとしても、次の「B:Aに対し削除しない要件」の何れかに同時にあたる場合、原則の例外として削除対象外ということになります。
 例えば、この業者のリンクが明らかに宣伝を目的としたリンクであっても、それがはられたスレの板が「宣伝掲示板である」ときには、原則の例外として削除対象外となります。
C)しかし、この場合にも「C:Bに対し削除する要件」で掲げられる事実があれば、更なる例外となります。
 即ち、この業者のリンクがはられたのが、例えば「宣伝掲示板であ」り、原則として削除対象外であるときであっても、更にそのリンク先が「エログロ系である」ときには、翻って削除対象となるわけです。つまり例外の例外となります。
 
 
(2)以上のように整理すると、まず検討すべき要件は何か、前提となる要件が認められないときに検討しなくて
 よい要件が何かといった、いわば要件相互間の論理関係が明瞭になってきます(注1・注2)。
まとめ
    A:削除の要件 B:Aに対し削除しない要件 C:Bに対し削除する要件    
スレ
レス
なし 削除対象外
スレ
レス
あり(ex.明らかに宣伝を目的としたリンク) なし 削除対象
スレ
レス
あり(ex.明らかに宣伝を目的としたリンク) あり(ex.宣伝掲示板である) なし 削除対象外
スレ
レス
あり(ex.明らかに宣伝を目的としたリンク) あり(ex.宣伝掲示板である) あり(ex.エログロ系である) 削除対象
     注1:削除について、削除ガイドラインとは別個に管理人裁定等が出ることがあります。
        その場合はその管理人裁定の方がガイドラインの定める基準に優先します。
     注2:一つのAに対して通常複数のBが定められていますが、そのAに対しBのうちのどれか一つでも
        成り立てば削除対象外と考えます(但し、そのBに対し更にCが成り立てば削除対象と考える)。
                                                    ■ 各「要件の整理(試論)」
 
3.なお、次の語句の読み方には注意してください。
(1)まず、「B:Aに対し削除しない要件」中にたまにある「※Aの3に対し、」といった要件には注意が必要です。
 これは例えば「A:削除の要件」中に1.〜3.があったとすれば、そのうちの3.がある場合のみ意味を持つ
 ということです。
  したがって、(例えば1又は2があるが)3が問題にならないときには、この「※Aの3に対し、」とある要件も
 また意味を持たないのでその点注意してください。

(2)次に接続詞です。
 (イ)次の表を見てください。
  「1.A又はBで、2.かつ、(1)C、(2)かつ、(イ)D、(ロ)E、(ハ)又は、F、(ニ)等」という例文で説明します。
1.A又はBで、

2.かつ、

(1)C、

(2)かつ、

(イ)D、
(ロ)E、
(ハ)又は、F、
(ニ)等
用語の説明  「かつ」は、「その上に」「さらに」の意を表す接続詞であり、要件の整理本文ではある事柄とある事柄とが結びつけられる場合に用いています。

 「又は」は、二つ以上の事柄のどちらを選んでもよい意を表す接続詞であり、「…、…、又は…」等として一つの文で選択される物事が全部並列であることを表すのに用いられます。
 要件の整理本文では「…、…、又は…、等」という変な表記がありますが、これも全部並列で選択されうることを示しています。「又は、等」とするのには抵抗があったのでこのような異常な表記となりました。ご承知置きください。

  以上の例では、合計8パターンの組み合わせがあることになります
 (A+C+D、A+C+E、A+C+F、A+C+等、B+C+D、B+C+E、B+C+F、B+C+等)。
 
 (ロ)さらに「又は」と「若しくは」との組み合わせの場合についても説明しておきます。
  以下に「B若しくはC、又はE若しくはF」を例文として掲げます。
B若しくはC、

又はE若しくはF
用語の説明  「又は」と「若しくは」は、ともに選択の働きをする接続詞で、前のものごとと後のものごとのどちらかを選ぶことを表す接続詞です。

 そして、選択されうるものごとに段階があって「又は」と「若しくは」が各々同時に使われる場合には、小さい方の選択の段階に「若しくは」を用い、大きい方の選択の段階に「又は」を用いています(尚、三つ以上段階がある場合は、一番大きな段階にのみ「又は」を用い、その他の段階には全て「若しくは」を用います)。
                                                    ■ 各「要件の整理(試論)」
 
 
4.最後に確認を兼ねて、2ch内の削除システムの大枠につき、2ch外の手続と共に簡単に図示しておきます。

問題のある2chのスレッド・レス
2ch内の削除システム 2ch外の(法的)手続
削除人の認知 削除依頼(通常)
No
(依頼)却下
削除基準
 
上位 管理人裁定
 ↑  準じる判断
 ↓ 
下位 削除ガイドライン ローカルルールでの禁止(→任意削除)他

No
削除対象外
削除人の(削除しない)裁量
No
削除せず
   
2chによる削除    
刑法などに抵触
(=犯罪)
権利侵害
★刑事

警察への
通報、

警察等への
告発や告訴など
★民事

削除の仮処分申立、

本案訴訟の提起
(削除・開示・賠償等)ほか


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■ 整理7〜8:エロ・下品&URL表記・リンク、
■ 整理2&注意:注意&法人・団体・公的機関の取り扱い、