shinchan

目次
序章
神奈川県三浦市の城ケ島に対岸する港を三崎港と言う。
この水域は非常に潮が早く大潮の時は、大河の濁流の様な流れになると言う。
今日も、もう夕暮れだと言うのに一人の老人がバケツから小さなヒシャクで「シャッ!」「シャッ!」と言う音を立て、撒き餌を撒いていた。
孤独な少年
「ジージー!、おら今日海でぼら捕まえたんだ」
「そうか、どれ見してみろ、いい型ヤンカ、ババへ言って料理してもらヤ」
仙造は、大林家に生まれた。現在5才である。
出会い   「ねえ、連休でしょ、たまには温泉でも連れていってよー」
   と前の晩、妻に云われた時は、胃が「ヅキン」と痛み、心臓か「ドキン」と 鳴ったようだっ   た。
     「えっ、だってどこも予約してないよ」
     「明日はウイークデーよ、予約なんて無くても空いてるわ」
    この妻は、のんきな性格で、計画して物事を進めることが至って苦手な人である。
不本意なる旅立ち   夏休みが終わり、唯一人の遊び相手だった恵が帰ってしまったので、一人で物足りな    い日々を過ごしていたのだった。
   「かあちゃん、今度はいつまでいるんだ」
   「そうさなー、ひと月位は居るんじゃけど今度は、仙造も一緒に行くんだぞ」
   「えー、ほんとにー」
旅先の鼓動
青春の閃光
安住の地を求めて
故郷の風
城ヶ島の黒鯛
回想二重奏
潮だまり