Detour 04-4 in Vietnam
Da Lat(22nd)

 『高原の朝は、窓から差し込むやさしい日差しと爽やかな鳥の鳴き声で始まりました。』と、本当は行きたいところですが、如何せんここはベトナム。たとえここが避暑地であっても、軽井沢のようのことは期待してはいけません。
私にとって今日の目覚まし時計は、お隣のカフェ。
 
『何で朝の6時過ぎから、隣のホテルまで聞こえるような音楽かけるの!』
『バイクもそう。何で朝から、そんなにバイクが走っているの?』
『ベランダがあるし、眺めもいいや』
と思って、借りた部屋が全く仇になってしまいました・・・。
 やはり、ダラットの朝は寒かった。いつもなら、シャワーを浴びて出発というのに、朝夕うかつにシャワーを浴びてしまうと、すぐに風邪をひきそうな気配です。それでも、シャワーと洗濯を手短に終え、今日もまた、ぷらぷらとダラットをほっつき歩くことにしましょう。
 ホテルを出て、一番先に入ったのはやっぱり、フォーのお店。これがないとベトナムの朝は始まりません。
今日のところは、味も合格点。これで、いい一日が過ごせそうな予感です。


でも、一番困ったことは、“今日何をするのか”考えること・・・。
ダラットは、確かに風光明媚なところかもしれませんが、あんまり私は、滝を見に行ったり、湖を巡ったり、という趣味はありません。それじゃ・・・。
ということで、今日は何か変わったものを求めて、いつも通る道と違う道をいくことにしました。
『何か、変わったものがあればな・・・!』
その時、『神社かな、何だろう?』
ベトナムでは、実は仏教徒が一番多いはずなのに、実際に神社を見る機会は意外と少ないのです。それに比べて、教会は結構見る機会が多いのですがね。
『暇だし、少し覗いってやろう。』そう思い、境内へ入ってきました。
でも、そこは特別有名な訳でもなく、ただ近所の子供たちがワイワイと遊んでいるだけでした。ロンリープラネットには、Thien Vuong Pagoda”と書かれてありましたが、中国様式の建物でなんとなく、きれいだったので写真を1枚だけとってその場を去ることにしました。



Thien Vuong Pagoda”




少し大回りにはなりましたが、いつもの広場までやってきました。午前中ということもあって、市場の周りには山岳民族らが自分の山からめいめいの特産品を持ってきて降りてきているようです。貨幣経済は、ベトナムの山岳民族にさえも浸透しており、彼らにとって、民族独自の織物や農産品をダラットの市場に持ってきて、現金にすることは、今ではもうしごくあたりまえのことで、それなしでは彼らの生活も成り立たなくなっています。
ちょっと、これは寂しいことではないでしょうか。
 一見しても、顔立ちで普通のベトナム人と違うということがわかります。彼らと話をすると、胸を張って自分はベトナム人とは違うといっていましたから、立派な誇りというものを持っているということはうれしい限りです。

『それにしても、何をしよう?』

『カフェでコーヒー飲んでから考えることにするか!文字通り、Coffee Break!』
旅行記を仕上げながら、ロンリープラネットをペラペラとめくりますが、これといってパッとするものがありません。
『それじゃ、いっそのことバイクタクシーにどっか連れてもらおうか。』と思い始めました。でも、これは最後の最後の切り札です・・・。

といっても、することがない。暇だ!
そして、その最後の切り札を切るときがきたのです。
何でも彼のお勧めは、スワンホアン湖とバオダイの宮殿と何とかの滝と言っていましたが、名前なんてどうでもいいや。地元の人に任せることにしました。料金は3ヶ所全部回って20,000ドン(130円程度)です。
 本当は自転車でも借りてサイクリングにでも行こうかと思っていたのですが、こういうのもたまにはいいでしょう。(1日自転車レンタルしても1米ドルしかかりませんから。)

最初はスワンホアン湖。もちろん、毎日何度も見てはいますが、さすがに、逆の方向からは見たことがありません。バイクの後ろのシートに乗るせられと、気持ちがいいことはいいのですが、さすがに少々肌寒い。
『絶好の、ランニングコースかもしれないな。』
右手には、ゴルフ場もあり、さらに奥に進んでいくと別荘地帯(?)もありで、やっぱりここが避暑地であるということを感じさせます。



 スワンホアン湖




ゆっくりと湖を一周してから、今度はバオダイの宮殿に行くそうです。
『やっぱり、宮殿と聞くとなんか、期待してしまいますよね。』
ここからは、バイクで山登り。坂道をどんどん上らなければならないですが、私の乗ったバイクは全然進みません。2人乗ったらもうお手上げ。そんな、おんぼろのバイクでこの先大丈夫なのでしょうか。
そんな、山の頂上にクリーム色の建物が見えてきました。
『その前にバオダイって、いったい誰?』
『そんなこと気にしない。ベトナムでお偉いさんには違いないのだから!』
連れて来られた以上は、入場料は必要ですが中に入らざるを得ません。



 バオダイパレス




それにしても、宮殿とは名ばかりの単なる別荘。
(バオダイとはフランスがベトナム統治時代に打ち立てた傀儡政権の国王。だから、フランスの影響力のあるこの地に別荘があるのも当然。後でわかることですが、ホーチミン近郊にはバオダイの本当の屋敷や宮殿があります。)
一応建物の内部は、居間とか食堂とか執務室とか説明が書かれてはあるのですが、まことにお粗末。次に期待することにしましょう。

そうして、次についた先が“何とかの滝”(名前は忘れました。)
“滝”と言われると、自然で雄大な滝を想像しますよね。そして、ここが山の中なら、ましてそう思うでしょ。
でも、そこは・・・、なんと・・・。
たしかに滝はあるのですが、他はコンクリートで塗り固められ、変な遊園地とでも言えばいいのでしょうか。
香港にもタイガーバームガーデンというのがありますが、それにも増して貧相で趣味が悪い遊園地。
コンクリートで作られた等身大のワニやキノコやカエルがいて・・・。
 


            “何とかの滝”



とにかく、趣味の悪いところなんです。こんなところが、ベトナム人にとっての行楽地かと思うと、ベトナムの人が不憫です。
そうして以上の3ヶ所を回ると、ホテルまで私を送ってくれました。その辺はとても親切なんですね。
『まだお昼を過ぎたところで、どうしようか?』

ホテルまで送ってもらって、すぐに出かけるのもなんだか気が引けて、ホテルのしばらく休むことにしました。
昨日は言い忘れましたが、私の部屋は“テレビつき”なのです。
今までの一人旅、延べにしたら400日ではきかないと思いますが、それらのほとんどはテレビなんてないホテルばかりです。それが、今回は4ドルでテレビ。もしかしたら、最低記録更新かもしれません。
社会主義の国だけあって、お堅い番組ばかりなのですがそれはそれで楽しいし、何よりも目新しいので暇つぶしにはなります。
さらに、また旅行記の作成を進め、夕方の到来を待ちかねます。


 4時ぐらいでしょうか、まだ夕方には早かったのですが、これ以上ホテルの部屋にいたらせっかくダラットにきた意味がなくなると思い、また3度広場に向かいました。
おなかも少し空いていたので、スワンホアン湖畔でサンドウィッチと食べて、またコーヒー飲んで・・・。沈みゆく夕日に照らされるダラットの町を眺めていました。
『きれいだな!』
『この風景を残せればな』
と思い、写真にも撮りましたが、さすがに辺りが暗すぎて、きれいには写真が撮れませんでした。高感度フィルムを使っていたのですが・・・、残念です。
 さあさあ、今日も“ダラット屋台村”の始まりです。
『今日は何から始めようか。まずは、・・・?』
昨日の、するめ売りのおばちゃんを見つけたので、まずはするめとビール。
そして、いろんな焼き貝。そうそう、それとなぜだかベトナムで人気の“タニシ”。これは、どこに行っても見かけます。
タニシに薄口の味付けをして茹で上げたもの。隠し味でしょうがも入っていましたよ。
タニシを爪楊枝のようなもので、ちまちまと身を引っ張り出しながら食べる。のびりとした時間に追われないベトナムでは、最も適した食べ物の一つではないでしょうか。
それから、ベトナム風お好み焼きを食べ、ホット豆乳(甘口)を口直しで飲み。今日も、“満腹”です。
なんだかダラットに来てから、一層旅の志向が“おいしんぼ万歳”と化してしまったようです。

その後も、しばらくその辺をプラプラとしていましたが、ここには食べること以上に興味深いことはありません。
それが、今もうお腹は一杯でなにもはいらない!』

そんなこんなで、ホテルに戻る事とし、ダラットの2日目の夜も暮れていきました。



 Thanh The Hotel