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Detour 07-6in Sri Lanka
Colombo(10th)
帰りのフライトは翌日11日の早朝2時半。
実質的に今日が最後の日となります。
今日は、ゆっくりコロンボの町を歩いてみることにしましょう。
まず、昨夜訪問させてもらったモスクに行って、それからコロンボ・フォート地区へと足を向けました。
ジャミ・ウル・アルファー・モスク
名前からも分かる通り、もともとここはポルトガル、オランダの要塞として開発された場所です。建物を見ても、歴史のある(単なる古い)洋館が建ち並ぶ場所でもあります。
ふと思うと、今までに行ったエジプトやインドと、非常によく似ているように感じます。
『当たり前ですよね、場所は違えども、実質的にそれらの都市を造ったのは全部イギリスなんですから!』
しかし、コロンボという都市は、インド(ボンベイ)やエジプト(カイロ)などの都市の持つ何かと明らかに違うものを感じます。
“危険の匂い”といったらいいのでしょうか?
肌の皮膚から伝わってくる危険の度合いの違いといいうことになるでしょうか?
もちろん、インドやエジプトでもテロ活動は起こっています。
(日本にだって起こることがありますよね。地下鉄サリン事件、あれは立派なテロ事件です。)
でも今、目の前で実際にコロンボという都市を見て、決定的に他の都市と違和感を感じるのは、警察そして軍隊の人の数の多さでしょうね。戦時中を思わせるような圧倒的な数の警察官や軍人が、特にこのフォート地区にはいます。
このフォート地区を見まわすと、20メートルも距離をおかずに銃を構えた人が次々と立っています。
更に、所々には、土嚢を積んで、そこの中から機関銃を手に町の様子に目を光らせて見ている人がいます。ここでは、写真撮影はすべて禁止です。ある意味、臨戦体制が常に敷かれているのがこのコロンボの特徴でもあります。
インドのスリナガール以来です。こんな風景を見るのは・・・。
街行く人に聞くと、
「その建物では1985年に爆弾テロがあり修復した所だ!」
「このビルは1994年に爆発した。」
『なんか、火山と勘違いしているんじゃないの?』そう思ってしまいます。
その一方では、インターコンチネンタルとかヒルトンとか、世界でも有名なホテルがあるんですよね。
国際会議も多く開かれていて、その需要もあるとか・・・。
まことに、不思議なところです。
平和と地獄が紙一重とはまさにこのことでしょう。
さて、写真もとれずブラブラしている私に一人の男性が声をかけてきました。
「ライトハウス(灯台)はこっちだよ。」
どうせ、私設ガイドで、「あとでお金くれ!」って言われるのがおちだと思っていた私は、「お金はないよ!」とだけ最初に言っておきました。
それでも、何かしら私に話しかけようとするので、しばらく彼と話してから、近くのお寺に行くことにしました。
ただし、「お金はないよ!」と念を押して!
海岸と平行に走るマリンドライブを歩くと、とっても気持ちいいんですよね。
ここは、“スリランカ”と言われて、誰もが持つ第一印象とは大きくかけ離れています。
緑豊かな公園と、青く緑のきれいな海が、そのすべてを物語っています。
ちなみに、この辺一体を“ゴール・フェイス・グリーン”と呼ばれるそうです。“ゴール海と面する緑の草原”といったところでしょうか?
しかし、そのどれも写真で残すことは出来ませんでした。それが残念でなりません。
あらゆるところで、警備員の目が光っているからです。
管理地域を抜けて、やっと撮れた写真がこれです。
コロンボ・フォート地区
左がホテル群。右が旧国会議事堂です。(現在は、スリ・ジャワルダナプラコッテに移転。)
さらに我々は南へ。
なんでも、ここから南に行けば、有名なお寺に行けるそうです。
「昨日はポヤ(満月を祝う祭日)だったので、ここでもお祭りがあった。そうそう、象もいるよ。」ということです。
今日、私には・・・、特にどこかに行くという当てもありません。
また、スリランカにきた割には仏教国らしき建物にも出会っていないことに気がつき始めていました。
誰かがね、『スリランカは、そんな一遍的なものなもんじゃないぞ!』と、私に教えているようにも感じます。
『とにかく行ってみるか!』
そうして私たちは、徐々に日差しが強くなっているコロンボの街を、また南へと歩き始めました。
ホリデイ・インやインド資本のホテル群を通り抜けると、そこには湖がありました。
よく見ると、普通の湖じゃありません。その湖に浮かぶように、お寺(シーマ・マラカヤ寺院)とそのお寺の学校が作られているからです。
もちろん、ここも見所のひとつなのでしょうが、なんでもそれよりもすごいのがあるそうですから、そこは通り抜けただけです。
そこさら少し先に行ったところを、右手に曲がると、すぐにその建物が現れてきました。
ガンガラマヤ寺院と言うそうです。
ガンガラマヤ寺院
確かに、久しぶりに見る仏教様式の建物です。
靴を入り口で預けて、少しだけ中を覗いてみることにしましょう。
ガンガラマヤ寺院のストゥパー
そうすると、『ありました、ありました、仏陀が!』
そして東南アジアの仏陀ともまた一味違う仏陀がここにはありました。
ガンガラマヤ寺院の仏陀
明るい色を基調にした、非常に血色のいい仏陀です。
そして、その回りもにぎやかですね。いろんな神様がいます。
 
とにかくこれで、“仏教国スリランカ”に来たという感じが出てきました。
そうそう、お賽銭をあげてお願いするというスタイルはここでも変わらないようです。
とうぜん、私もお願いしてみました。
『・・・・・・・・!』
さらに奥には、彼が言っていたように象がいました。
しかし、鎖につながれ少し寂しそうでしたね。
『昨日は、お祭りで大活躍したはずなのにね・・・。』
さらにさらに奥には、普通サイズの仏陀が何体か並んでいました。
(詳しいことは・・・知りません。)
むしろ、私の興味をひたのは、そのそこに佇んでいた聖なる木、つまりホリーツリーでした。(日本語では菩提樹って言いますよね。あれにあたる木です。)
なんでも、仏陀が悟りを開いた木が菩提樹ということで、その木の下には仏陀の顔が何個か置かれていました。
少し緑になって苔の生えた仏陀、そしてその聖なる木は、私にその信仰の深さをと歴史の長さを物語ってくれているようです。
(仏陀はインド、ブッダガヤの菩提樹の木の下で悟りを開いたそうですが、その“わけ木”が紀元前3世紀にこの地、スリランカにやってきて、いろんなところに植えられたそうです。)
ホリーツリー(菩提樹)
しばらく、私もその木の下でいましたが、そういう昔の出来事を教えられると、なんだか身を清められたような気になってしまうから不思議なものですね。
そこまで見終ると、ここはもうおしまい。
彼ともそろそろお別れしなければね。
でもでも、『やっぱり、それきた。』
「私貧乏な者です。お恵みをください。」
そうなるんですね。
「お金はいらないと言ったでしょう!」
「お茶だけでも」
「お金はいらないと言ったでしょう!」
「帰りのバス代だけでも・・・。」
「お金はいらないと言ったでしょう!」
そんなことを言ったって、もう泥かけ試合です。
ほんとは、『少しだけでもサービス料を払ってもいいかな?』と思うのですが、そんなことばかりしていたら日本人はカモだと甘く見られますからね。それじゃなくても、日本人は海外ではなめられてますからね。
最初言っていた通り、私は“無視”しました。
彼も、さすがにそれ以上は言い寄ってきませんでしたね。
彼から逃れるため(?)に、来た方向へとは反対の方向へ。
それは、ちょうど私がこれから向かう方向と一緒だったので、幸いでした。
スタスタスタ
すると、すぐそこに次なる目標があったのです。
それは、“ラクメドゥラ”とういおみやげ物やさん。
しかし、ここが普通のおみやげ物やさんと違うのは、ここには“定価がある”ということです。
値切ることは出来ませんが、値段を吹っかけられることもないので旅行者には安心です。そして同時に、物の相場を知ることも出来ます。
スリランカのお土産と言えば・・・何が思い浮かびますか?
「紅茶」これはもちろん有名です。世界2位の生産量を誇る国ですからね。
じゃあその他は・・・?
なかなか思い浮かばないと言うのが実感です。
“紅茶の道具”
これは当たり前ですよね。
実際、真鍮や銀なんかで出来たさまざまな紅茶の道具が展示されていました。
他に、よくあったのがバテック(ろうけつ染の布)の製品。
でも、それ以上に有名なのは、“宝石”でした。
でもね、宝石はもともと興味なし、バテックも買う気なったので、今日はとにかく美味しい紅茶を探すことにしていたんです。
その店にも紅茶といっても、いろんな種類がありました。
普通の紅茶から、フレイバー・ティーと言ういろんなフルーツの香りのするお茶まで。
だって、もともとお茶だって、実はいろいろあるんですよ。
まずは、紅茶の基礎知識から。
お茶の葉はその部位によってそれぞれ呼称が付けられています。
例えば、紅茶の等級名(オレンジペコなど)はそのお茶の葉の部位をそのまま表しているそうです。つまりオレンジペコならオレンジペコと呼ばれる部位の葉を用いた紅茶のことです。しかし、近年は茶摘み方法の変化により幾分その意味合いが変わってきているそうです。
次に、それは葉の大きさによっての更なるグレード分けがあります。
OP(オレンジペコ)
これが通常の大きさのオレンジペコのことです。
BOP(ブロークン・オレンジ・ペコ)
頭にBがつく紅茶はオレンジペコなどのフルリーフの紅茶が細かくカットされたものです。
BOPF(ブロークン・オレンジ・ペコ・ファニングス)
BOPより更に細かい茶葉です。
FOPやFBOP(フラワリー・オレンジ・ペコ / フラワリーブロークン・オレンジ・ペコ)
最初にFがつく場合はそのFは「フラワリー」の略でティップを多く含んだ紅茶を指します。
(ティップとは最高級の新芽を指します。もちろん非常に高価です。)
注意:同じFでも前に付くのか後ろに付くのかで意味合いが全く違ってきますので注意が必要です。
これを選ばなきゃいけないわけですよ。
もちろんですが、会社も一社じゃありませんから、無数の会社の紅茶が陳列されているわけです。
ちなみに、スリランカの人々はよく紅茶を飲みますが、この国の一般の人々が飲むのはダストと言って、ふるいを使った等級分けの一番下に出てくる粉茶のようなものです。そして、このダストは抽出が早いのでティーバッグにもよく使用されるそうです。
『さあ大変。』
とにかく種類と数が多いので訳がわかりません。
「何がお勧めですか?」
そう言って、とりあえず店員さんに聞いてみることにしました。
そしたら、実に明快。
「BOPがいいでしょう。」
とりあえず、私はその教えに従うことにしました。
『でも、ちょっと待てよ。』
もう一件、行ってみたい所があります。
それは国営の“スリランカ紅茶局”!
先ほども言いましたが、スリランカの国にとってもお茶は非常に大切なものです。
それを国の機関として管理しているのがここ。そして同時に、良質で安い紅茶を作っているのもここなのです。
昨日は残念ながら、祭日でお店が閉まっていました。
『今日こそは・・・!』
そう思うと、それがある方向へと歩き始めたのでした。
この周りは、スリランカ・コロンボでも超一級住宅地です。各国大使館や政府要人官邸、コロンボ市長邸宅なんて看板がかかる大邸宅ばかりが、並ぶように建っています。
『これもまたスリランカですよね。』
そして、その高級住宅地街を抜けると、すぐそこには“スリランカ紅茶局”がありました。
そうそう、余談ですが、スリランカ唯一のマクドナルドも近くにありました。
紅茶局に入ると、役所の機関らしく紅茶の栽培工程なんかが図解入りで示されていました。
ここでも、紅茶について聞くと、丁寧に説明してくれました。
そして、ここでもお勧めも、BOP(ブロークン・オレンジ・ペコ)でした。
値段も、さっきの店よりも安めです。
私は、ここで紅茶を買うことに決めました。
お土産用としては、面倒にならないようにティーバッグのもの。
自分用には、何種類かのリーフティーを買い求めました。
この時は、とにかく早く早く日本に帰って、このお茶をいれて飲みたいと思ったものです。
その後は、スリランカで一番大きなサイバー・カフェ(インターネット・カフェ)でメールチェックをして一休み。
このぐらい大きな、インターネット・カフェだと、日本語のフォントもダウンロードされていて、日本語のHPを読むこともできました。快適快適!
更に、近くにあったユニティー・プラザ、マジェスティック・シティーのような巨大ショッピングセンターにも足を運んでみました。
わざわざ詳しくは言いませんが、そこには“物”あふれていました。何でも買えるほどの様々な店々。そして、種類の豊富な品揃え。しかも、インドなんかよりはずっとずっと洗練された店々です。加えて、インターネット、PC関連の店の多さが嫌でも目にとまりました。
そして、多くの人がそこに駆けつけていました。
現在、コンピューターの世界ではインドが非常に注目されています。
英語を話し、数学の能力に優れており、しかも賃金が安いというのがその理由です。
近い将来、スリランカもそれに追随するでしょうね。
ここをみると、そんな気がします。それは、確信に近いかもしれません。
あとは、国の対応次第といったところでしょうかね?
またブラブラと、街を散策してみることに。
いつものことですが、今日が最後だと思うと、もっともっと街をよく見たいと思うのです。
『よく見るためにはどうするか?』
そういうわけで、いつも歩いて歩いて、歩き回って、その街の最後の雰囲気を少しでも目に焼き付けようとするのでした。
今回もそれは同じです。
面白そうな店があったら寄ってみる、変わったものがあったら覗いてみる。
疲れたら、お茶でも飲んで休む。そしてまた歩く。そんな具合にね。
スリランカの街角
バンバラピティヤからコッルピティヤ、そして私の宿のあるペターへと数時間かけて戻ってきました。
最後の最後に、ペターを一回り。
『ふーっ』
『もう、これぐらいにしようかな!』
そう思うと、ホテルに戻って預けた荷物を受け取り、かなり早い時間ですが空港に向かうことにしました。
夜中に空港に向かうのは、交通手段がタクシーしかないので料金もかかるし、安全という面でもできれば避けたいことですからね。
夕方の今なら、バスがあります。
“アーユ・ボーアン”
コロンボ、そしてスリランカにお別れを告げると、私はバスに乗り込んだのでした。
『あーあ、あとは1日飛行機に乗るだけか・・・。』
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