雪舟 50年ぶりの大回顧展  没後500年 特別展    
                          2002 東京国立博物館
国宝、海外からの里帰り、初公開の名品まですべてに会える。
 「雪舟」というと、小坊主の時、修行をなまけて絵ばかり描いていた罰として柱に縛りつけられながら、床にこぼした涙を足の指でなぞってネズミの絵を描いたエピソードが有名です。そのネズミが生きているように見えたので驚いた和尚さんが、それほどまでに絵が好きならと、絵を描くのを許したというお話です。各地に雪舟伝説が残されていますが、その生涯については実は分からないことが多いのです。
 1420年備中(今の岡山)総社市で生まれた。幼くして禅寺宝福寺に入る。相国寺で修業。周防に雲谷庵を開く。40代後半で、明(中国)に渡る。「破墨」という技法を会得した。1506年ごろ没。
 
破墨山水図 (国宝)  東京国立博物館蔵
          紙本墨画 縦147.9cm 横32.7cm
  
 墨一色の濃淡で表現されているのは他と同じなのだが、にじませた、水で描いたともいえる感じです。「水暈墨章(すいうんぼくしょう)」つぶった目に映る景色を描いたような印象。勢いのある筆遣いは一気に書き上げたのではないかと思われます。

 雪舟のもとで絵を学んだ円覚寺の僧、如水宗淵は、鎌倉に帰る際に、雪舟に描いてもらった作品である。卒業証書みたいなものらしい。
墨の濃淡で立体感や趣を表す破墨という技法が用いられている。近景に濃墨で岩が、遠景にはかすみの中にそびえる高山が薄墨で描かれる。わずかに筆を動かすだけで墨を岩や山に、余白をかすみや大気に変える。この絵を有名にしたもう一つの理由は、絵の上方に約200字の雪舟自ら書き記している言葉書きがある
。 
画像は絵葉書をスキャンしたものです。この上部に詞書の部分がつきます。

 国宝秋冬山水図 二幅 室町時代(15世紀)  東京国立博物館蔵
                各縦46.4cm 横29.4cm 

  冬景の大胆構図。中央を縦に貫くい線は、そそり立つ岩を表現。右側の山肌をあらわすす幾何学模様のような線。小さく濃印象的でい墨で描かれた旅人。紙の白さを生かして雪を表現。明快で力強い。奥に引き込まれる感じがします。
 この名画は、京との門跡寺院、曼殊院に伝来。
 
この冬景の図柄は、1969年発行の記念切手「国宝シリーズ」発行。
長野オリンピックの開会式ポスターに採用されました。
 

 画像は冬景の絵葉書をスキャンしたものです。
 国宝 天橋立図  1481年62歳の頃の作とされる。  縦89.4cm 横168.5cm  京都国立博物館蔵  

 日本三景のひとつである天の橋立を描いた。中国の山水画は実在しない理想の風景を描くものが多かったが、日本では実風景を写しつつ自由な構図の山水画も描かれた。
 この作品では画面左に実在する智恩寺が中央に描かれている。
 中心部に天の橋立を、後方に町並みと世野山
(よのやま)を配し雄大に描かれている。

 四季山水図(山水長巻国宝
 
室町時代1468年
                    紙本 墨画 1巻  縦39.7cm  全長1568cm  

 山道を一人の男が登っていくところから始まる。この道は四季折々の美しい景色の中に続いている。
巻末に、「文明18年(1486)嘉平日、天童前第一座雪舟等楊六十侑七歳筆受」と書いている。

  雪舟は留学先の明の天童景徳寺で第一座という位を与えられた。現存する作品で年齢が書かれていくのはこれだでであるという。

 図はパンフをスキャンしたものです。

 

国宝 山水図     室町時代(16世紀)個人蔵
             紙本墨画 縦119cm 横35.5cm 

 この山水画には、永正4年(1507)周防に雪舟を訪ねてその死を知りった了庵桂悟(りょうあんけいご)が書き入れた詩が記されている。雪舟の死は永正3年(1506)であることから、この絵は絶筆とされている。

慧可断臂図(えかだんぴず)1496年  重文 斎年寺蔵

 雪の中、少林寺で面壁9年の禅に入ろうとする達磨のもとへ、弟子入りを願う慧可が、決意を示すため左手を切り落とし、入門を許されるという場面。
   日本独自の水墨画表現を開いたダイナミックな線はここでは、太い薄墨で外側をぼかした衣文線となり、雪明りに映える衣を表現していると同時に、達磨の偉大さを表現しているという。



図はパンフをスキャンしたものです。
 平日を選んでいったのですが、大変な混みようでした。
*「山水長巻」皆さんゆっくり鑑賞しているのでなかなか進みません。あきらめて2列目から覗くことにしました。すると先の方はところどころ誰もいないのです思いがけなく前列でゆっくり見ることが出来ました。。
*「秋冬山水図」「破墨山水図」今回で2回目です。開場がざわざわしているのでゆっくり見られませんでした。東博所蔵なのでまた見る機会もあるでしょう。
*内容は、「中国に渡ったが優れた画家はほとんどいない」などと書かれているという。雪舟は目立ちたがり屋だったという専門家もいる。国宝5点を残した画聖のイメージと、自信にあふれ自由闊達に生きる雪舟に興味も親しみも増します。
*会場に入るとすぐ人の列、慧可断臂図がかけられていたのです。