*第14章 いいトコ取り占い *
『久美子ハウス』の向かいに『ガンガー・カフェ』という小さなお店がある。
インド人の旦那さんと若い日本人の奥さんが経営されていて、カフェの他、チケット
手配や観光ガイドなどもやっている“何でも屋”という感じのお店。
その旦那さんのお父さんが高名な占い師だという事で、もともとそんなに占いに興味
は無いんだけど、物は試しにと会いに行ってみた。
旦那さんに付いて、てくてくとバラナシの路地裏を30分ほど行く。
その道すがら聞いた話によると、なんでも彼らの一族はバラモン(カーストの一番上
の層)らしく、彼はその事をとても誇りに思っている様子。
「バラモンはインドで50家族ほどだけ。」
「俺達は、神様のワンステップだけ下の存在なんだ。」
「みんな俺達を尊敬してる。」 ― など。
たまたまそこに生まれただけじゃ〜ん、と思うけど、それが今でも脈々と受け継がれ
根深く残っているインドの思想のようだ。生まれついたカーストによって、職業や結
婚などの制約がまだまだかなりあるらしい。
「うちの父は、とっても有名で超多忙な人。たまたま今日は占ってもらえる事が出来
て、君はラッキーガールだね。」
やったー!私はラッキーガール♪
で、やっとその高名なお父様のお家に到着。
すると、超多忙な占い師のお父様は、土間でステテコ姿でお昼寝中だった!!
プロ
フィールのページのこのおっちゃん
笑いを堪えながら、神妙な顔付きで占いをお願いする。
なにやら手相と顔相と生年月日と全部組み合わせて占う方式らしい。
ノートにグルグルと謎の図形なんぞ書き出したりして。
で結果は、自分でも呆れてしまうんだけど、書き込むのが恥かしいほど、良い事しか
覚えてない。というより、誉められてるような部分しか英語が聞き取れてない。
まったく我ながら都合の良い耳・・・。
そして、おっちゃん曰く、“来年素敵なパートナーに出会う”との事!
そうそう、そういうコメントを待ってたのよ!!
どんな人か?と聞くと、背格好から職業から年齢から、こと細かに教えてくれる。
おっと、もう1つ大切な事を聞いとかなきゃ!
「で、いったいその人とは何処で出会うんでしょうか??」
(仕事関係かな〜?それとも飲み会とか?楽しみ〜。)
すると、やけに自信満々の顔付きでおっちゃんがキッパリ一言。
「In Japan!」
…。はぁ。日本で、ですか。
いや、たぶんそれは普通そうなんでしょうけど、そこをもう少し具体的に…。
「とにかく、In Japanじゃ!」
はぁ、そうですか…。
まぁ、“In North Korea”とか行きにくそうな場所じゃなくて良かったけどさ。
「今後、良い人生が過ごせるように何かアドバイスはありませんか?」
と聞くと、この占いとは別オプションで(この辺りがなんだか商売としてシステム化
されてる気が…)“祈祷”か“お守り”があるとのこと。でも、値段がべらぼうに高
かったのでやめておいた。
「あんまりお金持ってないんで、他に安い方法はありませんか?」
と罰当たりな質問をすると
「明日早朝、ガンガーで沐浴しなさい。」とのこと。
わぉ、沐浴か〜。勇気いるなー。明日の気分で決ーめよっと。
その他、“来世も幸せに暮らせる”と、来世の太鼓判まで押してもらったり、“元気
な子供を5人産む”など、めでたそうな事を言われたり(まぁ、これは無いわな、今
更。ギャートルズじゃあるまいし。)なかなか楽しい占い経験だった。
良い事だけ聞き取れる耳をお持ちの方には特にオススメです。
でも、私の後に祈祷の順番を待ってた白人男性は数百ドルもの大金を払ってたし、ハ
リウッド女優が来た時の写真も飾ってあったし、もしかしたら本当に有名なおっちゃ
んだったのかも?
それは私が5人目の子供を産んだ時に証明されることでしょう。
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